全放射性物質、基準下回る 21日にも560トン放出方針
東京電力福島第1原発の汚染水対策の「地下水バイパス計画」で、経済産業省資源エネルギー庁と東電は14日、国、東電、第三者機関が行った専用井戸からくみ上げた地下水の詳細分析で、放射性セシウムやトリチウム(三重水素)など全ての放射性物質濃度が東電の排出基準値を下回ったと発表した。東電は漁業者や県、市町村に説明した上で、21日にもタンクにためた約560トンの地下水を海に放出する方針。
国と東電、第三者機関による月1回の詳細分析は定期的に続ける計画。しかし2回目以降について、東電は約2500トンの地下水をタンクにくみ上げた段階で測定、東電だけの分析で基準値を下回れば、海に流す考えだ。放出の頻度は週1回程度を見込んでいる。
初回は4月15日に採取した地下水を、国の委託を受けた日本原子力研究開発機構(JAEA)、第三者機関の日本分析センター、東電が調べた。
このうち、トリチウム濃度はJAEAが1リットル当たり240ベクレル、同センターが同230ベクレル、東電が同220ベクレルで、東電の基準値(同1500ベクレル)を下回った。エネ庁は「結果に大きな差異がなく、放水に問題はない」と説明、安全管理のため放水時に職員が現場に立ち会うとした。
(2014年5月15日 福島民友ニュース)