沖縄総合事務局は19日、沖縄へのクルーズ船の寄港実績と見通しを発表し、2016年の寄港回数387回(速報値)が、都道府県別で福岡県の337回を抜いて初めて全国最多に躍り出た。17年のクルーズ船寄港は前年実績比30%増の502回を見込み、過去最高をさらに更新するとした。
今年の寄港見込みを港湾別に見ると、那覇港が10%増の213回、石垣港が84%増の175回、平良港が21%増の104回となる一方、16年に5年ぶりにクルーズ船寄港を受け入れた中城湾港は6回減の2回の想定となっている。このほか座間味港が2回増の3回、久米島の兼城港が前年同数の1回、本部港が2回増の3回、西表島が前年同数の1回。
出発国・地域別では台湾が38%増の247回、中国が11%増の149回、香港が同数の43回、日本国内が1回増の29回と続いた。
石垣港は16年に中国発のクルーズ船の寄港がゼロだったが、17年は52回へ急増する。一方、平良港は52回から9回へ減少が見込まれている。総合事務局はクルーズ船会社側が乗客に飽きが来ないよう、寄港先を入れ替えて配船しているためとした。
16年の都道府県別の寄港実績は複数港の合算で、那覇港が全国3位の193回、石垣港が6位の95回、平良港が7位の86回など、寄港回数の多い港が複数ランクインしたことが沖縄全体として全国トップにつながった。港別では福岡県の博多港が328回で1位を維持した。
沖縄総合事務局の三島理港湾空港指導官は「現時点で入港を断る例は出ていないが、港の利用状況はひっ迫してきており、港湾整備を進める。2次交通についても改善を進めていく」と語った。
港湾整備に向けては、国土交通省がクルーズ船会社などの民間資金を活用してターミナルビルなどの施設整備を進める方針を固めた。クルーズ船会社に整備費用を負担してもらう代わりに岸壁を優先利用できるようにするもので、県内でも整備が検討されている。