2015年の国勢調査で、沖縄の家族類型のうち「単独世帯(1人暮らし世帯)」が世帯総数の32.4%を占め、「夫婦と子どもからなる世帯」(30.5%)を抜いて最多となった。
南西地域産業活性化センター(NIAC)が27日、分析結果を発表した。
全国では10年調査で初めて単独世帯が夫婦・子ども世帯を逆転し、その差が拡大する傾向にあるが、大家族の印象のある沖縄でも単独世帯が最も多い家族形態となった。
県内の単独世帯は5年ごとの国勢調査で増加を続けているが、夫婦・子ども世帯は減少傾向にあり、3世帯に1世帯が単独世帯となっている。
NIACは単独世帯が増える要因として、未婚者や夫と死別した女性高齢者の増加に加え、沖縄の特徴として離婚による単独世帯の割合が高いことがあると分析している。
沖縄の世帯総数は15年の国勢調査で55万9215世帯。10年に比べて4万31世帯増加し、1990年との比較では1・5倍に拡大した。
このうち単独世帯は18万974世帯で、世帯総数に占める割合も初めて3割を超えた。単独世帯は05年に13万3567世帯(世帯総数の27・4%)、10年に15万2589世帯(29・4%)と増加を続けている。
これに対して夫婦・子ども世帯は、05年調査の17万3100世帯(世帯総数の35・5%)をピークに、10年に17万2115世帯(33・2%)、15年は17万639世帯と減少している。
単独世帯を男女別に見ると男性が52・1%で、女性の47・9%を上回る。特に40代の単独世帯では男性が61・7%を占め、年代別で最も高い割合となっている。一方で70代は女性が59・7%、80歳以上では女性が75・7%と男女比が逆転する。男性と女性の平均寿命の差により、夫との死別で単独世帯となった女性が男性を上回っていると見られる。
配偶関係別では「未婚」が8万3千世帯と最多、離婚による「離別」が3万2千世帯、配偶者との「死別」が2万7千世帯だった。全国では「死別」の割合が「離別」より高いのに対し、沖縄は離婚率の高さもあって「離別」が「死別」を上回っている特徴がある。また、50歳における未婚率(生涯未婚率)も沖縄は全国平均を上回りながら上昇している。
NIACの金城毅上席研究員は「社会保障や住宅など各分野の政策で、家族形態の変化を踏まえた制度設計の見直しが必要だ」と指摘した。