ちょっと用事があって街へ出かけ、本屋さんに寄りました。
よしながふみ著の漫画『大奥 (1)』が平積みになっていて、つい目について買いました。
最近はあまり漫画を読まなくなって、よしながふみさんのものは初めてです。
たしか、同人作家出身だとか、誰かが言っていたよーな気がします。
おもしろい! 笑えます。実に巧みなパロディです。
お鈴廊下に朗々とひびく、「上様のお成ーりー!!」。
ひれ伏すは、三千人の美女ならぬ美男。だって、上様は女なのです。
下敷きにしているのは、きっちり、吉屋信子の『徳川の夫人たち』上下巻、『続 徳川の夫人たち』上下巻(ともに朝日文庫)です。
戦前の少女小説作家、人気女流作家として知られる著者が、その晩年に時代小説に取り組み、昭和40年から朝日新聞に連載しはじめた『徳川の夫人たち』は、たちまちベストセラーになり、舞台化、テレビドラマ化されて、大奥ブームを巻き起こした、のだそうです。
本書は、この大奥ドラマの古典を、見事にパロディ化しています。
男女の性を入れ替えるだけで、ここまで皮肉になるものかと目から鱗、脱帽でした。
『徳川の夫人たち』の楽しさは、絢爛豪華な衣装にもあったのですが、三代将軍家光の側室、お万の方の衣装にまつわる原作のエピソードを、そのまま借りてきて、「お万好み」ときっちり種明かしまでする手際は、さすがにパロディを書き慣れた漫画家さんならでは、です。
もちろん、元ネタを知らなくても十分に楽しめる漫画ですが、元ネタを知れば、なお楽しめます。
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『徳川の夫人たち』の楽しさは、絢爛豪華な衣装にもあったのですが、三代将軍家光の側室、お万の方の衣装にまつわる原作のエピソードを、そのまま借りてきて、「お万好み」ときっちり種明かしまでする手際は、さすがにパロディを書き慣れた漫画家さんならでは、です。
もちろん、元ネタを知らなくても十分に楽しめる漫画ですが、元ネタを知れば、なお楽しめます。
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