日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(259)「鼻は象は長い。」と「象は鼻は長い。」の「述語論理」。

2019-06-13 18:01:31 | 象は鼻が長い、述語論理。

―「先ほどの記事」を補足します。―
(01)
①(鼻xy&象y)→長x=はyの鼻であって、yが象ならば、xは長い。
であっても、
②(鼻yx&象x)→長y=はxの鼻であって、xが象ならば、yは長い。
であっても、どちらでも良い。
従って、
(02)
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}=すべてのとすべてのについて、xはyの鼻であって、yが象ならば、xは長い。
であっても、
② ∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}=すべてのとすべてのについて、yはxの鼻であって、xが象ならば、yは長い。
であっても、どちらでも良い。
然るに、
(03)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}=すべてのxについて、xがであるならば、あるyはxの鼻であって、yは長い。
② ∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}=すべてのyとすべてのxについて、yはxのであって、xが象ならば、yは長い。
に於いて、
① であれば、「象、」の「順番」で「言及」され、
② であれば、「、象」の「順番」で「言及」される。
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x{x→∃y(鼻yx&長y)}=は鼻は長い。
② ∀y∀x{(yx&象x)→長y}=は象は長い。
然るに、
(05)
「昨日(令和元年06月12日)の記事」でも書いた通り、
1  (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
1  (2)    象a→∃y(象ya&長y)  1UE
  ()    象             A
13 (4)       ∃y(象ya&長y)  23MPP
  5(5)          象ba&長b   A
  5(6)              長b   5&E
  5(7)    ~(鼻ba&象a)∨長b   6∨I
  5(8)     (鼻ba&象a)→長b   7含意の定義
 ()     (鼻b&象)→長b   458EE
13 (ア)  ∀x{(鼻bx&象x)→長b}  UI
13 (イ)∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}  アUI
然るに、
(06)
13 (ア)  ∀x{(鼻bx&象x)→長b}  9UI
は、「UI(普遍量記号導入の規則)」に対する「違反」である。
(07)
1  (1)∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}  A
1  (2)  ∀x{(鼻bx&象x)→長b   1UI
1  (3)     (鼻bx&象a)→長b   2UI
 4 (4)          象a       A
  5(5)      鼻ba          A
 45(6)      鼻ba&象a       34&I
145(7)              長b   36MPP
145(8)          鼻ba&長b   57&I
145(9)       ∃y(鼻ya&長y)  8EI
1 5(ア)    象a→∃y(鼻ya&長y)  49CP
1 5(イ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} アUI
然るに、
(08)
1 5(イ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}  アUI
といふことは、
1  (1)∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}  A
  5(5)      鼻ba          A
から、
1 5(イ)∀z{象x→∃y(鼻yx&長y)}  アUI
が「演繹」されてゐる。
従って、
(04)~(08)により、
(09)
① 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 鼻は象は長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
に於いて、
① ならば、② ではないし、
② ならば、① でもない
従って、
(09)により、
(10)
① 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 鼻は象は長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
といふ「それ」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}
といふ「右辺」からすると、
① 象鼻は長い。
② 鼻象は長い。
といふ「左辺」も、「同じ」ではない
然るに、
(11)
(1)象には鼻がある。
(2)象鼻は長い。
(3)象は存在する。
といふ「仮定」により、当然、
(4)がゐる。
といふ『結論』を得る。
然るに、
(12)
1    (1)象に鼻がある。           A
1    (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx)}    A
1    (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻である。 A
 2   (2)象は鼻は長い。
 2   (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
 2   (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻である。 A
  3  (3)∃x(象x)            A
 2   (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)  2UE
   5 (5)   象a             A
 2 5 (6)      ∃y(鼻ya&長y)  45MPP
    7(7)         鼻ba&長b   A
    7(8)         鼻ba      7&E
    7(9)             長b   7&E
   57(ア)      鼻ba&象a      58&I
   57(イ)      鼻ba&象a&長b   9ア&I
   57(ウ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  イEI
 2 5 (エ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  67ウEE 
 2 5 (オ) ∃y∃x(鼻yx&象x&長y)  エEI
 23  (カ) ∃y∃x(鼻yx&象x&長y)  35オEE
 23  (〃)あるyは、あるxの鼻であって、xは象であって、yは長い。 35オEE
 23   (〃)あるyは、象の鼻であって、yは長い。35オEE
 23  (〃)ある象長い。           35オEE
従って、
(11)(12)により、
(13)
(2)象は鼻は長い。
(3)象は存在する。
といふ「仮定」により、当然、
(4)長い象ゐる
といふ『結論』を得る。
然るに、
(14)
(1)象には鼻がある。
(2)鼻は象は長い。
(3)象は存在する。
といふ「仮定」であっても、当然、
(4)鼻の長い象がゐる。
といふ『結論』を得る。
従って、
(15)
(1)象には鼻がある。
(2)鼻は象は長い。
(3)象は存在する。
といふ「仮定」であっても、当然、
(4)長い象ゐる
といふ『結論』を得ることが、出来ない
としたら
(2)鼻は象は長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
といふ「等式」は、「マチガイ」であると、せざるを得ない。
然るに、
(16)
1    (1)  ∀x{ 象x→∃y(鼻yx)} A
 2   (2)∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y} A
  3  (3)   ∃x(象x)         A
1    (4)      象a→∃y(鼻ya)  1UE
   5 (5)      象a          A
1  5 (6)         ∃y(鼻ya)  45MPP
    7(7)            鼻ba   A
   57(8)      鼻ba&象a      57&I 
 2   (9)  ∀x{(鼻bx&象x)→長b  2UE
 2   (ア)      鼻ba&象a →長b  9UE
 2 57(イ)              長b  8ア
 2 57(ウ)      鼻ba&象a&長b   8イ&I
 2 57(エ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  ウEI
12 5 (オ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  67エEE
123  (カ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  35オEE
123  (キ) ∃y∃x(鼻yx&象x&長y)  カEI
123  (〃)あるyは、あるxの鼻であって、xは象であって、yは長い。 カEI
123   (〃)あるyは、象の鼻であって、yは長い。カEI
123  (〃)ある象長い。          カEI
従って、
(16)により、
(17)
(1)象には鼻がある。
(2)鼻は象は長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
(3)象は存在する。
といふ「仮定」により、
(4)長い象ゐる
といふ『結論』を得ることが、出来た。
従って、
(17)により、
(18)
(2)鼻長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
といふ「等式」は、「正しい」。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
(2)長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
といふ「等式」を、「拒否」したいのであれば、
1    (1)  ∀x{ 象x→∃y(鼻yx)} A
 2   (2)∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y} A
  3  (3)   ∃x(象x)         A
1    (4)      象a→∃y(鼻ya)  1UE
   5 (5)      象a          A
1  5 (6)         ∃y(鼻ya)  45MPP
    7(7)            鼻ba   A
   57(8)      鼻ba&象a      57&I 
 2   (9)  ∀x{(鼻bx&象x)→長b  2UE
 2   (ア)      鼻ba&象a →長b  9UE
 2 57(イ)              長b  8ア
 2 57(ウ)      鼻ba&象a&長b   8イ&I
 2 57(エ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  ウEI
12 5 (オ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  67エEE
123  (カ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  35オEE
123  (キ) ∃y∃x(鼻yx&象x&長y)  カEI
123  (〃)あるyは、あるxの鼻であって、xは象であって、yは長い。 カEI
123   (〃)あるyは、象の鼻であって、yは長い。カEI
123  (〃)象の鼻は長い。           カEI
といふ「計算」の、「何処が、どうマチガイなのか。」といふことを、「指摘」しなければならない。
(20)
「計算」自体が、「マチガイ」ではないのであれば、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長い。
② すべてのyとすべてのxについて、yはxの鼻であって、xが象ならば、yは長い。
に於いて、
① であれば、「象、」の「順番」で「言及」され、
② であれば、「、象」の「順番」で「言及」されるから、と言って、
① 象はは長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
は象は長い=∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
とするのは、「正しく」ない。
といふ風に、言はなければならない。
然るに、
(21)
① 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 鼻は象は長い=∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
ではない。といふのであれば、その人自身が、
① 象長い。
② 鼻長い。
といふ「日本語」に対応する、
① 述語論理式
② 述語論理式
を、「提示」しなければ、ならない。
然るに、
(22)
確かに、「象は、鼻が長い。」という文の主語は何か、と尋ねられたら返答に窮する。学校文法に従えば「象は」も「鼻が」も両方とも「主語」ということになる。しかし、単文に2つの主語があるのは変だ。三上文法によると、「象は、鼻が長い。」という文において、「象は」は題(主題、題目 topic)で、残りの部分「鼻が長い」は解説 (comment) だという。この文の場合、「鼻が」という主格が解説に含まれている(リベラル21、2009.02.21 日本語に主語はあるのか)。
然るに、
(23)
③ 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
の「右辺」には、「主語(x、y、z)」が、「3つ(象、鼻、鼻以外)」ある。
(24)
① 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 鼻は象が長い=∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
の「右辺」には、それぞれ、
① 象、鼻
② 鼻、象
といふ風に、
① 題(主題、題目 topic)が、2つあって、
② 題(主題、題目 topic)が、2つある。
然るに、
従って、
(22)(24)により、
(25)
単文に2つの「主語」があるのは変だ。
といふのであれば、
単文に2つの「主題」があるのも変だ。
と、すべきである。


(258)「鼻は象は長い」と「鼻は象が長い」と「鼻が象は長い」と「鼻が象が長い」の「述語論理」。

2019-06-13 15:02:16 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
① 鼻象は長い=鼻は象は長い。
② 鼻象が長い=鼻は象は長く、象の鼻以外は長くない。
③ 鼻象は長い=鼻は象は長く、象は、鼻以外は、長くない。
④ 鼻象が長い=鼻は象は長く、象は、鼻以外は、長くなく、象は鼻以外は長くない。
であるとする。
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は象は長い=∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
② 鼻は象が長い=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[~(鼻xy&象y)→~長x]}。
③ 鼻が象は長い=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長y]&[(~鼻xy&象y)→~長x]}。
④ 鼻が象が長い=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長y]&[(~鼻xy&象y)→~長x]&~(鼻xy&象y)→~長]}。
であるものの、「①と②」に関しては、「③と④」よりも、確実である。
(03)
1    (1)  ∀x{ 象x→∃y(鼻yx)} A
 2   (2)∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y} A
  3  (3)   ∃x(象x)         A
1    (4)      象a→∃y(鼻ya)  1UE
   5 (5)      象a          A
1  5 (6)         ∃y(鼻ya)  45MPP
    7(7)            鼻ba   A
   57(8)      鼻ba&象a      57&I 
 2   (9)  ∀x{(鼻bx&象x)→長b  2UE
 2   (ア)      鼻ba&象a →長b  9UE
 2 57(イ)              長b  8ア
 2 57(ウ)      鼻ba&象a&長b   8イ&I
 2 57(エ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  ウEI
12 5 (オ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  67エEE
123  (カ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  35オEE
123  (キ) ∃y∃x(鼻yx&象x&長y)  カEI
123  (〃)あるyは、あるxの鼻であって、xは象であって、yは長い。 カEI
123   (〃)あるyは、象の鼻であって、yは長い。カEI
123  (〃)長い。           カEI
従って、
(03)により、
(04)
(1)象には鼻がある。
(2)鼻象は長い。
(3)象は存在する。
といふ「仮定」により、
(4)鼻の長い象がゐる。
といふ『結論』を得る。
従って、
(03)(04)により、
(05)
(1)象には鼻がある=  ∀x{ 象x→∃y(鼻yx)}。
(2)鼻象は長い =∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
(3)兎は存在する =  ∃x(兎x)。
といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(06)
1     (1)  ∀x{兎x→∃y(鼻yx)}                    A    
 2    (2)  ∀x{兎x→~象x}                        A
  3   (3)∀y∀x{[(鼻yx&象x)→長y]&[~(鼻yx&象x)→~長y]} A
1     (4)     兎a→∃y(鼻ya)                     1UE
 2    (5)     兎a→~象a                         2UE
  3   (6)  ∀x{[(鼻bx&象x)→長b]&[~(鼻bx&象x)→~長b]} 3UE
  3   (7)     [(鼻ba&象a)→長b]&[~(鼻ba&象a)→~長b]  6UE
  3   (8)                    ~(鼻ba&象a)→~長b   7&E
   9  (9)  ∃x(兎x)                            A
    ア (ア)     兎a                             A
 2  ア (イ)        ~象a                         5アMPP
1   ア (ウ)        ∃y(鼻ya)                     4アMPP
1   ア (エ)           鼻ba                      A
     オ(オ)                      鼻ba→~象a       A
     オ(カ)                     ~鼻ba∨~象a       オ含意の定義
     オ(キ)                    ~(鼻ba& 象a)      カ、ド・モルガンの法則
  3  オ(ク)                              ~長b   8キMPP
  3   (ケ)                      鼻ba→~象a→~長b   オクCP
1 3 ア (コ)                          ~象a→~長b   エケMPP
123 ア (サ)                              ~長b   イコMPP
 2  ア (シ)     兎a&~象a                         アイ&I
12  ア (ス)     兎a&~象a&鼻ba                     エシ&I
123 ア (シ)     兎a&~象a&鼻ba&~長b                 サス&I
123 ア (ス)  ∃x(兎x&~象x&鼻bx&~長b)                シEI
1239  (セ)  ∃x(兎x&~象x&鼻bx&~長b)                9アスEE
1239  (ソ)∃y∃x(兎x&~象x&鼻yx&~長y)                セEI
1239  (〃)あるyは、兎であって、象ではないxの鼻であり、yは長くない。      セEI
1239  (〃)兎であって、象ではないxの鼻は長くない。                セEI
1239  (〃)は長くない
従って、
(06)により、
(07)
(1)兎には鼻がある。
(2)兎は象ではない。
(3)鼻長い。
(9)兎は存在する。
といふ「仮定」により、
(5)は長くない
といふ『結論』を得る。
従って、
(06)(07)により、
(08)
(1)象には鼻がある=  ∀x{ 象x→∃y(鼻yx)}。
(2)兎は象ではない=  ∀x{兎x→~象x}。
(3)鼻は象が長い =∀y∀x{[(鼻yx&象x)→長y]&[~(鼻yx&象x)→~長y]}。
(9)兎は存在する =  ∃x(兎x)。
といふ「等式」は、「正しい」。
従って、
(05)(08)により、
(09)
(2)鼻は象は長い =∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
(3)鼻は象が長い =∀y∀x{[(鼻yx&象x)→長y]&[~(鼻yx&象x)→~長y]}。
といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(10)
「昨日(令和元年06月12日)」の「記事」で「確認」した通り、
① 象鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 鼻象は長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
に於いて、
① ならば、② ではないし、
② ならば、① でもない
従って、
(10)により、
(11)
③ 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ 鼻は象が長い=∀y∀x{[(鼻yx&象x)→長y]&[~(鼻yx&象x)→~長y]}。
に於いて、
③ ならば、④ ではないし、
④ ならば、③ でもない
といふことは、「計算」をする迄もなく、さうであるに、違ひない。
然るに、
(12)
いづれにせよ、
① 象は鼻は長い。
③ 象は鼻長い。
の場合は、
①{の耳、の鼻、の首}等が、{変域}であるのに対して、
② 鼻は象は長い。
④ 鼻象が長い。
の場合は、
④ 耳は兎が長い。
④ 鼻は象が長い。
④ 首はキリンが長い。
といふ風に、
④{キリン}等が、{変域}に、ならざるを得ない。
従って、
(11)(12)により、
(13)
さのやうに、{変域}が異なる以上、
① 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 鼻象は長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}。
に於いて、
①=② である。
といふことは、有り得ないし、
③ 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ 鼻象が長い=∀y∀x{[(鼻yx&象x)→長y]&[~(鼻yx&象x)→~長y]}。
に於いても、
③=④ である。
といふことは、有り得ない
従って、
(13)により、
(14)
③ 象鼻が長い。
④ 鼻象が長い。
に於いて、
③ と ④ は、「日本語」としては、「同じ」ではないし、「どう違ふ」のかと言へば、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀y∀x{[(鼻yx&象x)→長y]&[~(鼻yx&象x)→~長y]}。
を見れば分かる通り、「一目瞭然、全く、違ふ」。
といふ、ことになる。
然るに、
(15)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(wrong, rogue and log)。
従って、
(15)により、
(16)
③ 象は鼻が長い。
④ 鼻は象が長い。
に於いて、
③「象は」は「主題」で「象が」は「主格」で、
④「鼻は」は「主題」で「象が」は「主格」である。
然るに、
(17)
③「象は」は「主題」で「象が」は「主格」で、
④「鼻は」は「主題」で「象が」は「主格」である。
と言はれても、「正直」に言って、「私には、さうなのですか。さうなのですね。」といふくらいの、「反応」しか出来ない。
然るに、
(18)
② 鼻象は長い=∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
④ 鼻象が長い=∀y∀x{[(鼻yx&象x)→長y]&[~(鼻yx&象x)→~長y]}。
でないのであれば、これらの「式」を用ひて、
(キ)∃y∃x(鼻yx&象x&長y)=象の鼻は長い。
(ソ)∃y∃x(兎x&~象x&鼻yx&~長y)=兎の鼻は長くない。
といふ『結論』を、得ることは、出来ない
従って、
(03)(06)(18)により、
(19)
例へば、
② 鼻象は長い=∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y}。
といふ「等式」が、「マチガイ」である。といふのであれば、
(3)
1    (1)  ∀x{ 象x→∃y(鼻yx)} A
 2   (2)∀y∀x{(鼻yx&象x)→長y} A
  3  (3)   ∃x(象x)         A
1    (4)      象a→∃y(鼻ya)  1UE
   5 (5)      象a          A
1  5 (6)         ∃y(鼻ya)  45MPP
    7(7)            鼻ba   A
   57(8)      鼻ba&象a      57&I 
 2   (9)  ∀x{(鼻bx&象x)→長b  2UE
 2   (ア)      鼻ba&象a →長b  9UE
 2 57(イ)              長b  8ア
 2 57(ウ)      鼻ba&象a&長b   8イ&I
 2 57(エ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  ウEI
12 5 (オ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  67エEE
123  (カ)   ∃x(鼻bx&象x&長b)  35オEE
123  (キ) ∃y∃x(鼻yx&象x&長y)  カEI
123  (〃)あるyは、あるxの鼻であって、xは象であって、yは長い。 カEI
123   (〃)あるyは、象の鼻であって、yは長い。カEI
123  (〃)象の鼻は長い。           カEI
といふ「計算」の、「何処が、どうマチガイなのか。」といふことを、「指摘」しなければならない。
然るに、
(20)
学校では、「述語計算」を教へないし、「日本語の先生や、日本語の教師」の方は、「述語論理」には、興味が無いほうが、普通です。
従って、
(19)(20)により、
(21)
『「・・・・・」といふ「計算」の「マチガイ」を「指摘」せよ。』といふのは、「普通の、日本語の先生や、日本語の教師」の方にとっては、「ムチャな話」ではあると言へば、「ムチャな話」であると、言はざるを得ない。