日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(270)「先ほどの記事(269)」の続きを書きます。

2019-06-20 16:34:19 | 象は鼻が長い、述語論理。

―「先ほどの記事(269)」の続きを書きます。―
(02)により、
(10)
①   P→ Q =Pならば、Qである。
② ~(P&~Q)=PであってQでない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
② PであってQでない。といふことはない。
といふのであれば、
② Pでない
といふ場合については、「何も述べてゐない。」
従って、
(11)により、
(12)
② PであってQでない。といふことはない。
といふのであれば、
② Pでない。ならば、Qであるか、Qでないか、のどちらかである。
といふ風に、述べてゐる。
然るに、
(13)
②「Qであるか、Qでないか、のどちらかである。」
といふのは、「排中律」であるため、「常に、である。」
従って、
(10)(12)(13)により、
(14)
② PであってQでない。といふことはない。
として、
② Pでない
ならば、
①   P→ Q =Pならば、Qである。
② ~(P&~Q)=PであってQでない。といふことはない。
は、「必ず」である。
然るに、
(15)
①   P→ Q =Pならば、Qである。
② ∀x(人間x→正直x)=すべてのxについて、xが人間ならば、xは正直である。
に於いて、
①=② であるならば、
① Pでない
② すべてのxについて、xが人間である。といふわけではない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
あるxは人間でない
とすれば、
すべてのxについて、xが人間である。といふわけではない
といふことは、「真(本当)」である。
然るに、
(17)
すべてxは人間でない
としても、
すべてのxについて、xが人間である。といふわけではない
といふことは、「真(本当)」である。
従って、
(14)(15)(17)により、
(18)
② ∀x(人間x→正直x)=すべてのxについて、xが人間ならば、xは正直である。
として、
② ∀x(~人間x)=すべてxは人間でない
とするならば、
② ∀x(人間x→正直x)=すべてのxについて、xが人間ならば、xは正直である。
といふ「命題」は、「(本当)」である。
然るに、
(19)
② ∀x(~人間x)=すべてxは人間でない。
といふことは、
② ~∃x(人間x)=人間である存在しない
といふ、ことである、
従って、
(18)(19)により、
(20)
② ~∃x(人間x)=人間である存在しない
のであれば、
② ∀x(人間x→正直x)=すべてのxについて、xが人間ならば、xは正直である。
といふ「命題」は、「(本当)」である。


(269)「すべての人間は正直である。」と「人間の存在」。

2019-06-20 15:16:13 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅱ)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
(ⅲ)
1   (1) ~( P&~Q)         A
 2  (2) ~(~P∨ Q)         A
  3 (3)   ~P             A
  3 (4)   ~P∨ Q          3∨I
 23 (5) ~(~P∨ Q)&(~P∨ Q) 24&I
 2  (6)  ~~P             35RAA
 2  (7)    P             6
   8(8)       Q          A
   8(9)   ~P∨ Q          8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨ Q)&(~P∨ Q) 29&I
 2  (イ)      ~Q          8アRAA
 2  (ウ)    P&~Q          7イ&I
12  (エ) ~( P&~Q)&( P&~Q) 1ウ&I
1   (オ)~~( P∨ Q)         2エRAA
1   (カ)  (~P∨ Q)         オDN
(ⅳ)
1   (1)   ~P∨ Q          A
 2  (2)    P&~Q          A
  3 (3)   ~P             A
 2  (4)    P             2&E
 23 (5)   ~P&P           34&I
  3 (6)  ~(P&~Q)         25RAA
   7(7)       Q          A
 2  (8)      ~Q          2&E
 2 7(9)    Q&~Q          78&I
   7(ア)  ~(P&~Q)         29RAA
1   (イ)  ~(P&~Q)         1368ア∨E
従って、
(01)により、
(02)
①   P→ Q =Pならば、Qである。
② ~(P&~Q)=PであってQでない。といふことはない。
③  ~P∨  Q =PでなくてQでないか、PであってQであるか、PでなくてQである。
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
含意の定義、ド・モルガンの法則
従って、
(02)により、
(03)
{xの変域}={a、b、c} であるとして、
① ∀x( 人間x→正直x)=( 人間a→正直a)&( 人間b→正直b)&( 人間c→正直c)。
③ ∀x(~人間x∨正直x)=(~人間a∨正直a)&(~人間b∨正直b)&(~人間c∨正直c)。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(04)
{xの変域}={a、b、c} であるとして、
① ~人間a=aは人間でない。
① ~人間b=bは人間でない。
① ~人間c=cは人間でない。
であるならば、それだけで、
③ ∀x(~人間x∨正直x)=(~人間a∨正直a)&(~人間b∨正直b)&(~人間c∨正直c)。
は、「本当(真)」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
{xの変域}={a、b、c} であるとして、
① ~人間a=aは人間でない。
① ~人間b=bは人間でない。
① ~人間c=cは人間でない。
が、「本当(真)」であるならば、
① すべての人間は正直である=( 人間a→正直a)&( 人間b→正直b)&( 人間c→正直c)。
① ∀x( 人間x→正直x)=( 人間a→正直a)&( 人間b→正直b)&( 人間c→正直c)。
は、「本当(真)」である。
然るに、
(06)
{xの変域}={a、b、c} であるとして、
① ~人間a=aは人間でない
① ~人間b=bは人間でない
① ~人間c=cは人間でない
といふことは、{人間は一人もゐない。}といふことに、他ならない。
従って、
(07)
①{人間が一人もゐない。}としても、
① すべての人間は正直である=( 人間a→正直a)&( 人間b→正直b)&( 人間c→正直c)。
① ∀x( 人間x→正直x)=( 人間a→正直a)&( 人間b→正直b)&( 人間c→正直c)。
といふ「命題」は、「本当(真)」である。
然るに、
(08)
要するに「すべて」という語も「人間」といふ語も、「存在する」ということとは無関係である。そこで「すべての人間は正直である」という文の論理的構造をしめす
 「すべてのxについて、もしxが人間ならばxは正直である」
は命題論理の法則の一つである
 (P→Q)=~(P&~Q)
をあてはめれば、「すべてのxについて、xが人間であってそして正直でないということではない」ということと等値である。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、122頁)。
従って、
(07)(08)により、
(09)
沢田允茂 先生も、さうのべてゐるやうに、
①{人間が一人もゐない。}としても、
① すべての人間は正直である=(人間a→正直a)&(人間b→正直b)&(人間c→正直c)。
① ∀x( 人間x→正直x)=(人間a→正直a)&(人間b→正直b)&(人間c→正直c)。
といふ「命題」は、たしかに、「真(本当)」である。