日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(251)「象は鼻が長い。」ではなく、「鼻は象が長い。」の「述語論理」。

2019-06-08 18:07:17 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
{xの変域}={象}
であるとして、
① 象は鼻長い。      ⇔ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
であって、
{xの変域}={兎、象、馬、キリン}
であるとして、
② 耳は兎長い。  ⇔ 耳は、兎が長く。兎以外は長くない
② 鼻は象長い。  ⇔ 鼻は、象が長く、象以外は長くない
② 顔は馬長い。  ⇔ 顔は、馬が長く、馬以外は長くない
② 首はキリン長い。⇔ 首はキリンが長く、キリン以外は長くない
である。
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻長い。⇔ 象は、鼻は長く。鼻以外は長くない。
② 鼻は象長い。⇔ 鼻は、象が長く、象以外は長くない。
であるものの、
① の場合は、
② とは、異なり、
① 象以外の動物の「」に関しては、「一言も、述べてはゐない。」
従って、
(02)により、
(03)
① 象長い。
② 鼻長い。
に於いて、
① の「論理構造」と、
② の「論理構造」は、「同じ」ではない
然るに、
(04)
1    (1)象は鼻長い。                         A
1    (〃)  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
1    (2) ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x} 1対偶(contraposition)
 3   (3) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  4  (4)~∀x(兎x→~象x)                     A
  4  (〃)すべての兎が象でない。といふわけではない。           A
1    (5)    象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1    (6)    ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z)→~象a   2
 3   (7)    兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  3
  4  (8)∃x~(兎x→ ~象x)                    4量化子の関係
   9 (9)  ~(兎a→ ~象a)                    A
   9 (ア) ~(~兎a∨ ~象a)                     9含意の定義
   9 (イ)  ~~兎a&~~象a                     ア、ド・モルガンの法則
   9 (ウ)    兎a&  象a                     イDN
   9 (エ)    兎a                          ウ&E
   9 (オ)         象a                     ウ&E
1  9 (カ)       ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   5オMPP
1  9 (キ)       ∃y(鼻ya&長y)                カ&E
    ク(ク)          鼻ba&長b                 A
    ク(ケ)              長b                 ク&E
1  9 (コ)               ∃z(~鼻za&長z)→~象a   6キMPP
13 9 (サ)       ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)   7エMPP
13 9 (シ)       ∃y(耳ya&長y)               サ&E
    ス(ス)          耳ba&長b                A
    ス(セ)          耳ba                   ス&E
13 9 (ソ)                  ∀z(耳za→~鼻za)  サ&E
13 9 (タ)                     耳ba→~鼻ba   ソUE
13 9 (チ)                         ~鼻ba   セタMPP
13 9ク(ツ)                      ~鼻ba&長b   ケチ&I
13 9ク(テ)                   ∃z(~鼻za&長z)  ツEI
13 9 (ト)                   ∃z(~鼻za&長z)  キクテEE
13 9 (ナ)                           ~象a  コトMPP
13 9 (ニ)         象a&~象a                 オナ&I
134  (ヌ)         象a&~象a                 89ニEE
13   (ネ)~∃x~(兎x→~象x)                    8ヌRAA
13   (ノ)∀x~~(兎x→~象x)                    ネ量化子の関係
13   (ハ)∀x(兎x→~象x)                      ノDN
13   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。    ノDN
13   (〃)兎は象ではない。                        ノDN
(05)
1   (1)耳は兎長い。                             A
1   (〃)∀x∀y{[(耳xy&兎y)→長x]&[~(耳xy&兎y)→~長x]} A
1   (〃)すべてのxと、すべてのyについて、(xがyの耳であって、yが兎である)ならば、そのときに限って、xは長い。 A
1   (2)  ∀y{[(耳ay&兎y)→長a]&[~(耳ay&兎y)→~長a]} 1UE
1   (3)     [(耳ab&兎b)→長a]&[~(耳ab&兎b)→~長a]  2UI
1   (4)      (耳ab&兎b)→長a                   3&E
 5  (5)  兎には耳がある。                          A
 5  (〃)  ∃x∃y(耳xy&兎y)                      A
 5  (〃)  あるxはあるyの耳であって、あるyは兎である。           A
  6 (6)    ∃y(耳ay&兎y)                      A
   7(7)       耳ab&兎b                       A   
1  7(8)               長a                   47MPP
1  7(9)       耳ab&兎b&長a                    78&I
1  7(ア)    ∃y(耳ay&兎y&長a)                   9EI
1 6 (イ)    ∃y(耳ay&兎y&長a)                   67アEE
1 6 (ウ)  ∃x∃y(耳xy&兎y&長x)                   イEI
15  (エ)  ∃x∃y(耳xy&兎y&長x)                   56ウEE 
15  (〃)あるxはyの耳であって、yは兎であり、xは長い。            56ウEE
15  (〃)あるxは兎の耳であって、xは長い。                   56ウEE
15  (〃)耳が長い兎がゐる。                           56ウEE
(06)
1    (1)鼻は象長い。                             A
1    (〃)∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[~(鼻xy&象y)→~長x]} A
1    (〃)すべてのxと、すべてのyについて、(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、そのときに限って、xは長い。 A
1    (2)  ∀y{[(鼻ay&象y)→長a]&[~(鼻ay&象y)→~長a]} 1UE
1    (3)     [(鼻ab&象b)→長a]&[~(鼻ab&象b)→~長a]  2UI
1    (4)                    ~(鼻ab&象b)→~長a   3&E           
 5   (5)                      鼻ab→~象b       A
 5   (6)                     ~鼻ab∨~象b       5含意の定義
 5   (7)                    ~(鼻ab&象b)       6ド・モルガンの法則
15   (8)                              ~長a   47MPP
1    (9)                      鼻ab→~象b→~長a   58CP
  ア  (ア)兎には鼻があるが、兎は象ではない。                   A
  ア  (〃)∃x∃y(鼻xy&兎y&~象y)                    A
    ア  (〃)あるxはあるyの鼻であって、yは兎であって、象ではない。        A
   イ (イ)  ∃y(鼻ay&兎y&~象y)                    A
    ウ(ウ)     鼻ab&兎b&~象b                     A
    ウ(エ)     鼻ab               a             ウ&E
    ウ(オ)         兎b                         ウ&E
    ウ(カ)            ~象b                     ウ&E
1   ウ(キ)                          ~象b→~長a   9エMPP
1   ウ(ク)                              ~長a   カキMPP
1   ウ(ケ)     鼻ab&兎b                         エオ&I
1   ウ(コ)     鼻ab&兎b&~長a                     クケ&I
1   ウ(サ)  ∃y(鼻ay&兎y&~長a)                    ウEI
1  イ (シ)  ∃y(鼻ay&兎y&~長a)                    イウサEE
1  イ (ス)∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)                    シEI
1 ア  (セ)∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)                    アイスEE
1 ア  (〃)あるxはあるyの鼻であって、yは兎であり、xは長くない。        アイスEE
1 ア  (〃)鼻が長くない、兎がゐる。                        アイスEE
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① 象は鼻が長い=  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 鼻は象が長い=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[~(鼻xy&象y)→~長x]}。
である。
従って、
(03)(07)により、
(08)
① 象長い=  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 鼻長い=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[~(鼻xy&象y)→~長x]}。
に於ける、「右辺(の論理式)」を見れば分かる通り、
① 象長い。
② 鼻長い。
に於いて、「異なる」のは、「語順」ではなく、「論理構造」そのものである。