日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(574)「鼻は象が長い。ので、兎の鼻は長くない。」の「述語論理」。

2020-04-04 16:59:38 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  ~象b&鼻ab→~長a   3&E
  6   (6)                           長a   A
  6   (7)                         ~~長a   6DN
 36   (8)                ~(~象b&鼻ab)      57MTT
 36   (9)                  象b∨~鼻ab       8ド・モルガンの法則
   ア  (ア)                  象b            A
   ア  (イ)                ~~象a            アDN
   ア  (ウ)                ~~象a∨~鼻ab       イ∨I
    エ (エ)                     ~鼻ab       A
    エ (オ)                ~~象b∨~鼻ab       エ∨I
 36   (カ)                ~~象b∨~鼻ab       9アウエオ∨E
 36   (キ)                 ~象b→~鼻ab       カ含意の定義
 3    (ク)             長a→(~象b→~鼻ab)      6キCP
     ケ(ケ)             長a& ~象b            A
     ケ(コ)             長a                 ケ&E
 3   ケ(サ)                 ~象b→~鼻ab       クコMPP
     ケ(シ)                 ~象b            ケ&E
 3   ケ(ス)                     ~鼻ab       サシMPP
 3    (セ)              長a&~象b→~鼻ab       ケスCP
 3    (ソ)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  4セ&I
 3    (タ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} ソEI
1     (チ)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 23タEE
1     (ツ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} チUI
(ⅱ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  長a&~象b→~鼻ab   3&E
  6   (6)                          鼻ab   A
  6   (7)                        ~~鼻ab   6DN
 36   (8)                ~(長a&~象b)       57MTT
 36   (9)                 ~長a∨ 象b        8ド・モルガンの法則
 36   (ア)                  象a∨~長a        9交換法則
   イ  (イ)                  象a            A
   イ  (ウ)                ~~象a            イDN
   イ  (エ)                ~~象a∨~長a        ウ∨I
    オ (オ)                     ~長a        A
    オ (カ)                ~~象a∨~長a        オ∨I
 36   (キ)                ~~象a∨~長a        アイエオカ∨E
 36   (ク)                 ~象a→~長a        キ含意の定義
 3    (ケ)               鼻ab→(~象a→~長a)    6クCP
     コ(コ)              ~象b&鼻ab           A
     コ(サ)                  鼻ab           コ&E
 3   コ(シ)                    ~象a→~長a     ケサMPP
     コ(ス)              ~象b               コ&E
 3   コ(セ)                        ~長a     シスMPP
 3    (ソ)                  ~象b&鼻ab→~長a   コセCP
 3    (タ)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  4ソ&I
 3    (チ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} タEI
1     (ツ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 23チEE
1     (テ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} ツUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふことは、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない
といふ「意味」である。
(04)
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}⇔
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
といふことは、
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、耳が長い。
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、顔が長い。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
{象、兎、馬}を、{変域(ドメイン)}とすると、
① 鼻は象が長く、
② 耳は兎が長く、
③ 顔は馬が長い。
といふ「日本語」は、「正しい」。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は象が長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  A
 3   (4)                  ~象b&鼻ab→~長a   3&E
  5  (5) ∃x∃y(兎y&鼻xy&~象y)               A
   6 (6)   ∃y(兎y&鼻ay&~象y)               A
    7(7)      兎b&鼻ay&~象b                A
    7(8)      兎b                        7&E
    7(9)         鼻ab                    7&E
    7(ア)             ~象b                7&E
    7(イ)                  ~象b&鼻ab       89&I
 3  7(ウ)                          ~長a   4アMPP
 3  7(エ)      兎b&鼻ab                    78&I
 3  7(オ)      兎b&鼻ab&~長a                イウ&I
 3  7(カ)   ∃y(兎y&鼻ay&~長a)               7EI
 3 6 (キ)   ∃y(兎y&鼻ay&~長a)               67カEE
 3 6 (ク) ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)               キEI
 35  (ケ) ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)               56クEE
1 5  (コ) ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)               23ケEE
然るに、
(08)
② ∃x∃y(兎y&鼻xy&~象y)⇔
② あるxとあるyについて、yは兎であって、xはyの鼻であって、yは象ではない。
然るに、
(09)
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)⇔
③ あるxとあるyについて、yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない。
然るに、
(10)
② あるxとあるyについて、yは兎であって、xはyの鼻であって、yは象ではない。
③ あるxとあるyについて、yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない。
といふことは、
② 兎の鼻は象の鼻ではない。
③ 兎の鼻は長くない。
といふ「意味」である。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
① 鼻は象長い。然るに、
② 兎の鼻は象の鼻ではない。従って、
③ 兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
従って、
(06)(11)により、
(12)
① 鼻は、象が長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立しないのであれば、
① 鼻は象が長い。然るに、
② 兎の鼻は象の鼻ではない。従って、
③ 兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(13)
① 鼻は象長い。然るに、
② 兎の鼻は象の鼻ではない。従って、
③ 兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(12)(13)による、
(14)
「MTT(否定否定式)」により、
① 鼻は、象が長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)
① 鼻は、象長い。
といふ「日本語」には、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}。
といふ「構造(シンタックス)」が、有ることになる。
然るに、
(16)
① yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふことは、
① 象以外の動物の鼻は長くない。
といふことである。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
① 鼻は、象長い。⇔
① 鼻は、象が長く、象以外は長くない
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)(17)により、
(18)
{象、兎、馬}を、{変域(ドメイン)}とするならば、
① 鼻は象が長い。⇔ 鼻は象が長く、象以外(兎と馬)は長くない。
② 耳は兎が長い。⇔ 耳は兎が長く、兎以外(象と馬)は長くない。
③ 顔は馬が長い。⇔ 顔は馬が長く、馬以外(象と兎)は長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(19)
日本語の研究者、並びに、日本語の教師、並びに、国語の先生は、たとへ、それを知った所で、おそらくは、
① 鼻は象が長い。⇔ 鼻は象が長く、象以外(兎と馬)は長くない。
② 耳は兎が長い。⇔ 耳は兎が長く、兎以外(象と馬)は長くない。
③ 顔は馬が長い。⇔ 顔は馬が長く、馬以外(象と兎)は長くない。
といふ「等式」を、認めることはない。