―「昨日(令和02年09月02日)の記事」は削除をした上で、「明日以降」に、書き直します。―
(01)
(ⅰ)~(否定)
(ⅱ)&(連言)
(ⅲ)∨(選言)
(ⅳ)→( 条件法)
(ⅴ)⇔(双条件法)
といふ「5つの記号」は、「命題論理」に於ける、「論理結合子」である。
然るに、
(02)
① P⇔Q
②(P→Q)&(Q→P)
に於いて、
① は、② に対する、「略号(abbreviation)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~(P⇔Q)
② ~{(P→Q)&(Q→P)}
に於いて、
① は、② に対する、「略号(abbreviation)」である。
然るに、
(04)
―「ド・モルガンの法則」の「証明」―
(ⅰ)
1 (1) ~(~P&~Q) A
2 (2) ~( P∨ Q) A
3 (3) P A
3 (4) P∨ Q 3∨I
23 (5) ~( P∨ Q)&
( P∨ Q) 24&I
2 (6) ~P 35RAA
7(7) Q A
7(8) P∨ Q 7∨I
2 7(9) ~( P∨ Q)&
( P∨ Q) 28&I
2 (ア) ~Q 7RAA
2 (イ) ~P&~Q 6イ&I
12 (ウ) ~(~P&~Q)&
(~P&~Q) 1ウ&I
1 (エ)~~( P∨ Q) 2エRAA
1 (オ) P∨ Q オDN
(ⅱ)
1 (1) P∨ Q A
2 (2) ~P&~Q A
3 (3) P A
2 (4) ~P 2&E
23 (5) P&~P 34&I
3 (6)~(~P&~Q) 25RAA
7(7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7(9) Q&~Q 78&I
7(ア)~(~P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(~P&~Q) 1367ア∨E
(05)
―「含意の定義」の「証明」―
(ⅰ)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P&~Q A
2 (3) P 2&E
12 (4) Q 13MPP
2 (5) ~Q 2&E
12 (6) Q&~Q 45&I
1 (7) ~(P&~Q) 26RAA
8 (8) ~(~P∨ Q) A
9 (9) ~P A
9 (ア) ~P∨ Q 9∨I
89 (イ) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 8ア&I
8 (ウ) ~~P 9イRAA
8 (エ) P ウDN
オ(オ) Q A
オ(カ) ~P∨ Q オ&I
8 オ(キ) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 8カ&I
8 (ク) ~Q オキRAA
8 (ケ) P&~Q エク&I
1 8 (コ) ~(P&~Q)&
(P&~Q) 7ケ&I
1 (サ)~~(~P∨ Q) 8コRAA
1 (シ) ~P∨ Q サDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6) ~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア) ~(P&~Q) 29RAA
1 (イ) ~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ) ~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1) ~(P⇔Q) A
1 (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 1Df.⇔
1 (3) ~(P→Q)∨~(Q→P) 2ド・モルガンの法則
4 (4) ~(P→Q) A
4 (5)~(~P∨Q) 4含意の定義
4 (6) P&~Q 5ド・モルガンの法則
4 (7) (P&~Q)∨(~P&Q) 6∨I
8(8) ~(Q→P) A
8(9) ~(~Q∨P) 8含意の定義
8(ア) Q∨~P 8ド・モルガンの法則
8(イ) ~P∨Q ア交換法則
8(ウ) (P&~Q)∨(~P&Q) イ∨I
1 (エ) (P&~Q)∨(~P&Q) 1478ウ∨E
(ⅱ)
1 (1) (P&~Q)∨(~P&Q) A
2 (2) (P&~Q) A
2 (3)~(~P∨Q) 2ド・モルガンの法則
2 (4) ~(P→Q) 3含意の定義
2 (5) ~(P→Q)∨~(Q→P) 4∨I
6(6) (~P&Q) A
6(7) (Q&~P) 6交換法則
6(8) ~(~Q∨P) 7ド・モルガンの法則
6(9) ~(Q→P) 8含意の定義
6(ア) ~(P→Q)∨~(Q→P) 9∨I
1 (イ) ~(P→Q)∨~(Q→P) 1256ア∨E
1 (ウ)~{(P→Q)& (Q→P)} イ、ド・モルガンの法則
1 (エ) ~(P⇔Q) ウDf.⇔
従って、
(06)により、
(07)
① ~(P⇔Q)
② (P&~Q)∨(~P&Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
§4 選言命題は不十分である。選言に2種類あることが看過されているからである。
(a)弱選言(Week disjunction)
両立的(inclusive)選言ともいう。―中略―、
(b)強選言(Strong disjunction)
不両立(imcompatible)選言とか相反的(exclusive)選言といい、伝統的論理学のいう選言はこの種のものである。
(岩波全書、論理学入門、1979年、30・31頁改)
然るに、
(09)
(a)弱選言(Week disjunction) といふのは、
(〃)(Pであるか)、または、(Qであるか)、または、(Pであって、Qである)。
といふ「場合」を、言ふ。
(10)
(b)強選言(Strong disjunction) といふのは、
(〃)(Pであるか)、または、(Qである)。
といふ「場合」を、言ふ。
然るに、
(01)(02)(07)(08)により、
(11)
②(P&~Q)∨(~P&Q)
③(Pであって、Qでない)か、または、(Pでなくて、Qである)か、または、(Pであって、Qでなく、Pでなくて、Qである)。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(12)
③(Pであって、Qでなく、Pでなくて、Qである)。
といふことは「矛盾」であるため、
②(Pであって、Qでなく、Pでなくて、Qである)。
といふことは「有り得ない」。
従って、
(11)(12)により、
(13)
②(P&~Q)∨(~P&Q)
③(Pであって、Qでない)か、または、(Pでなくて、Qである)。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(14)
③(Pであって、Qでない)か、または、(Pでなくて、Qである)。
といふことは、
④(Pであるか)、または、(Qである)。
といふ、ことである。
従って、
(07)(10)(13)(14)により、
(15)
① ~(P⇔Q)
② (P&~Q)∨(~P&Q)
③ (Pであって、Qでない)か、または、(Pでなくて、Qである)。
に於いて、
①=②=③ であって、それ故、
① ~(P⇔Q)
といふ「論理式」は、
(b)強選言(Strong disjunction) である。
従って、
(01)(09)(10)(15)により、
(16)
(ⅰ) ~P
(ⅱ) P&Q
(ⅲ) P∨Q
(ⅳ) P→Q
(ⅴ) P⇔Q
(ⅵ)~(P⇔Q)
といふ「論理式」は、上から順に、
(ⅰ)否定
(ⅱ)連言
(ⅲ)弱選言
(ⅳ)条件法
(ⅴ)双条件法
(ⅵ)強選言
である。
従って、
(09)(10)(16)により、
(17)
(ⅲ) P∨Q ≡(Pであるか)、または、(Qであるか)、または、(Pであって、Qである)。
(ⅵ)~(P⇔Q)≡(Pであるか)、または、(Qであるか)、どちらか、一方である。
に於いて、
(ⅲ)は「弱選言」であって、
(ⅵ)は「強選言」である。
然るに、
(18)
(ⅲ)(Pであるか)、または、(Qであるか)、または、(Pであって、Qである)。
(ⅵ)(Pであるか)、または、(Qであるか)、どちらか、一方である。
に於いて、尚且つ、
(ⅲ) Pでない。
(ⅵ) Pでない。
とするならば、それぞれ、
(ⅲ) Qである。
(ⅵ) Qである。
従って、
(17)(18)により、
(19)
③ P∨Q ,~P├ Q
⑥ ~(P⇔Q),~P├ Q
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(20)
(ⅲ)(Pであるか)、または、(Qであるか)、または、(Pであって、Qである)。
(ⅵ)(Pであるか)、または、(Qであるか)、どちらか、一方である。
に於いて、尚且つ、
(ⅲ) Pである。
(ⅵ) Pである。
とするならば、
(ⅲ)には、(Pであって、Qである。)といふことが「真」である「可能性」と、
(〃)には、(Pであって、Qである。)といふことが「偽」である「可能性」が有る。
ものの。その一方で、
(ⅵ)には、(Pであって、Qである。)といふことが「偽」である「可能性」しかない。
従って、
(17)(20)により、
(21)
③ P∨Q ,P├ ~Q
⑥ ~(P⇔Q),P├ ~Q
といふ「推論(三段論法)」に於いて、
③ は、「妥当」ではないが、
⑥ は、「妥当」である。
従って、
(19)(21)により、
(22)
⑦(Pであるか、または、Qである。)然るに、Pでない。故に、Qである。
⑧(Pであるか、または、Qである。)然るに、Pである。故に、Qでない。
に於いて、
⑦ であれば、
⑦(Pであるか、または、Qである。)が、「弱選言」であっても、「強選言」であっても、いづれにせよ、「推論」は「妥当」であるが、
⑧ であれば、
⑧(Pであるか、または、Qである。)が、「弱選言」であっても、「強選言」であっても、いづれにせよ、「推論」は「妥当」である。
といふことには、ならない。
従って、
(18)~(22)により、
(23)
通常、「選言」という名称で呼ばれているものは、「弱選言」と呼ぶものである。
これは「PまたはQ」としたときに、「Pが真」であっても、「必ずしも、Qが偽にならない」ような「選言」のことである(数学Wiki改)。
といふ、ことになる。