日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(764)「含意の定義」と「質量含意」のパラドックス。

2020-11-10 17:51:44 | 論理

(01)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1(1)~P   A
1(2)~P∨Q 1∨I
1(3) P→Q 2含意の定義
(ⅳ)
1(1)   Q A
1(2)~P∨Q 1∨I
1(3) P→Q 2含意の定義
従って、
(03)により、
(04)
含意の定義」により、
① ~P├ P→Q
②  Q├ P→Q
といふ「連式(Sequents)」は、2つとも妥当(Valid)」である。
従って、
(04)により、
(05)
① ~P├ P→Q
②  Q├ P→Q
といふ「連式(Sequents)」、すなはち、
① Pでないので、PならばQである。
② Qであるので、PならばQである。
といふ「推論」は、2つとも「妥当(Valid)」である。
然るに、
(06)
① ~P├ P→Q
であるならば、すなはち、
Pではないが、 PならばQである。
といふのであれば、
① Qであるか、Qでないかは、「不明」である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ~P├ P→Q
であるならば、すなはち、
① Pが「」であるならば、
① Qは「」であって、「」であっても、「どちらでも良い」。
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)→真
(〃)→偽
は、両方とも、「」である。
然るに、
(09)
② Q├ P→Q
であるならば、すなはち、
Qであるが、PならばQである。
といふのであれば、
② Pが「」であらうと、「」であらうと、いづれにせよ、
② Qは「」である。
従って、
(09)により、
(10)
(ⅱ)真→
(〃)偽→
は、両方とも、「」である。
従って、
(08)(10)により、
(11)
(ⅰ)→真
(〃)→偽
(ⅱ)真→
(〃)偽→
といふ「4通り」は、4つとも」である。
然るに、
(11)により、
(12)
(ⅰ)偽→真
(〃)偽→偽
(ⅱ)真→真
(〃)偽→真
に於いて、
(ⅰ)偽→真:段目
(〃)偽→真:段目
は、「同じ」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
「番号」を付け直すと、
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
といふ「3通り」は、3つとも」である。
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
(ⅳ)真→偽
に於いて、「」になり得るのは、唯一
(ⅳ)真→偽
だけである。
然るに、
(02)により、
(15)
含意の定義」により、
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
(ⅳ)真→偽
といふ「含意」は、「順番」に、
(ⅰ)~偽∨真
(ⅱ)~偽∨偽
(ⅲ)~真∨真
(ⅳ)~真∨偽
といふ「選言」に、「等しく」、さらには、
(ⅰ) 真∨真
(ⅱ) 真∨偽
(ⅲ) 偽∨真
(ⅳ) 偽∨偽
といふ「選言」に、「等しい」。
然るに、
(16)
「真理表(Truth table)」により、
(ⅰ) 真∨真
(ⅱ) 真∨偽
(ⅲ) 偽∨真
(ⅳ) 偽∨偽
といふ「選言」は、唯一
(ⅳ) 偽∨偽
だけが「」である。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
(ⅳ)真→偽
に於いて、
(ⅳ)
だけが「」である。
従って、
(17)により、
(18)
『古典論理において「含意(αならばβ)」は「α→β」と表し、その意味は「αがでありβばであるときに限り」である(大窪徳行・
田畑博俊、論理学の方法、1994年、190頁)。』といふことなり、このやうな「含意」を、「質量含意(material implication)」といふ。
従って、
(18)により、
(19)
(ⅰ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽はから昇る。
(ⅱ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽は西から昇る。
の場合は、
(ⅰ)→真
(ⅱ)→偽
であるが故に、両方とも、「(質料含意として)」である。
然るに、
(20)
(ⅰ)悪天候なので、外出しない
(ⅱ)悪天候であっても、外出する
に於いて、
(ⅰ)と(ⅱ)は「矛盾」する。
従って、
(20)により、
(21)
(ⅰ)悪天候なので、外出しない。
(ⅱ)悪天候であっても、外出する。
に於いて、
(ⅰ)が「(本当)」であるならば、
(ⅱ)は「(ウソ)」である。
然るに、
(22)
(ⅱ)悪天候であっても、外出する
(ⅲ)悪天候ならば、外出しない
に於いて、
(ⅱ)が「」である。
といふことは、
(ⅲ)が「」である。
といふことである。
従って、
(20)(21)(22)により、
(23)
「番号」を付け直すと、
(ⅰ)悪天候なので、家に居る。
(ⅱ)悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
(ⅰ)ならば、(ⅱ)である。
然るに、
(24)
(ⅰ)悪天候なので、家に居る。
といふのであれば、
(ⅰ)悪天候である。
といふことが、
(ⅰ)家に居る。
といふことの、「理由」になってゐる。
従って、
(23)(24)により、
(25)
(ⅱ)悪天候ならば、家に居る。
といふのであれば、
(ⅱ)悪天候である。
といふことが、
(ⅱ)家に居る。
といふことの、「理由」になって、ゐなければ、ならない
然るに、
(26)
(ⅰ)四角形の内角の和が180度なので、太陽はから昇る。
といふ風に、思ってゐる人間は、普通に考へれば、「一人もゐない」。
従って、
(19)(25)(26)により、
(27)
(ⅱ)悪天候ならば、家に居る。
といふ「日常言語含意」に対して、
(ⅱ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽は西から昇る。
のやうな「質量含意」は、「非常識」であると、言はざるを得ない
然るに、
(28)
例へば、
①  選挙の勝利者は(トランプか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
といふ「命題」に於いて、
①=② である。
といふことは、「当然」である。
然るに、
(29)
S=選挙の勝利者である。
T=トランプである。
B=バイデンである。
とするならば、
①  選挙の勝利者は(トランプか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
といふ「命題」は、
①  S→(T∨B)
②(S→T)∨(S→B)
といふ「命題論理式」で、表すことが、出来る。
然るに、
(30)
(ⅰ)
1        (1) S→(T∨B)    A
1        (2)~S∨(T∨B)    1含意の定義
 3   (3)~S          A
 3   (4)~S∨T        3∨I
 3   (5) S→T        4含意の定義
 3   (6)(S→T)∨(S→B) 5∨I
  7  (7)    T∨B     A
   8 (8)    T       A
   8 (9) ~S∨T       8∨I
   8 (ア)(S→T)       9含意の定義
   8 (イ)(S→T)∨(S→B) ア∨I
    ウ(ウ)      B     A
    ウ(エ)   ~S∨B     ウ∨I
    ウ(オ)    S→B     エ含意の定義
    ウ(カ)(S→T)∨(S→B) オ∨I
  7  (キ)(S→T)∨(S→B) 78イウカ∨E
1    (ク)(S→T)∨(S→B) 2367キ∨E
(ⅱ)
1   (1)(S→T)∨(S→B) A
 2  (2) S          A
  3 (3) S→T        A
 23 (4)   T        23MPP
 23 (5)   T∨B      4∨I
   6(6)       S→B  A
 2 6(7)         B  26MPP
 2 6(8)       T∨B  7∨I
12  (9)   T∨B      13568∨E
1   (ア) S→(T∨B)    29CP
従って、
(29)(30)により、
(31)
①  S→(T∨B)
②(S→T)∨(S→B)
に於いて、すなはち、
①  選挙の勝利者ならば(トランプであるか、  または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者ならば、トランプであるか)、または、(選挙の勝利者ならば、トランプである)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(30)(31)により、
(32)
含意の定義」が無ければ
①  選挙の勝利者は(トランプであるか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプであるか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「証明」することは、出来ない
従って、
(18)(27)(32)により、
(33)
例へば
(ⅱ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽は西から昇る。
といふ「命題」を、「」にせ使むる所の、「含意の定義」は、「非常識」であると、言はざるを得ないが、その一方で、
古典命題論理」に於いては、「含意の定義」が無ければ、
例へば
①  選挙の勝利者は(トランプであるか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプであるか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「証明」することは、出来ない


(763)「含意の定義」と「選言三段論法」について。

2020-11-10 13:54:18 | 論理

(01)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(02)により、
(03)
①  ~P→Q
② ~~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(03)により、
(04)
「二重否定律(DN)」により、
① ~P→Q
②  P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(04)により、
(05)
1 (1) P∨Q A
1 (2)~P→Q 1含意の定義
 2(3)~P   A
12(4)   Q 23MPP
といふ「推論」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(05)により、
(06)
② P∨Q,~P├ Q
といふ「連式(Sequent)」、すなはち、
② PかQであるが、Pではないので、Qである。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
1 (1) P∨Q A
1 (2) Q∨P 1交換法則
1 (3)~Q→P 1含意の定義
 2(3)~Q   A
12(4)   P 23MPP
といふ「推論」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(07)により、
(08)
② P∨Q,~Q├ P
といふ「連式(Sequent)」、すなはち、
② PかQであるが、Qではないので、Pである。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(09)
② PかQであるが、Pではないので、Qである。
といふ「言ひ方」が、「妥当」であるならば、
③ Pでないので、(PかQである。)といふことは、(Qである。)といふことに、等しい。
といふ「言ひ方」も、「妥当」でなければ、ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② P∨Q,~P├ Q
といふ「連式(Sequent)」だけでなく、
③ ~P├ P∨Q⇔Q
といふ「連式(Sequent)」も、「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(11)
(ⅲ)
1    (1) ~P    A
 2   (2)  P∨Q  A
  3  (3)  P    A
  3  (4)~~P    3DN
  3  (5)~~P∨Q  4∨I
  3  (6) ~P→Q  5含意の定義
1 3  (7)    Q  16MPP
   8 (8)    Q  A
   8 (9)~~P∨Q  8∨I
   8 (ア) ~P→Q  9含意の定義
1  8 (イ)    Q  1アMPP
12   (ウ)    Q  2378イ∨E
1    (エ)P∨Q→Q  2ウCP
    オ(オ)  Q    A
    オ(カ)P∨Q    Q∨I
     (キ)Q→P∨Q  オカCP
1    (ク)P∨Q→Q&
        Q→P∨Q  エキ&I
1    (ケ)P∨Q⇔Q  クDf.⇔
従って、
(11)により、
(12)
果たして、
③ ~P├ P∨Q⇔Q
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
然るに、
(13)
③ ~P├ P∨Q⇔Q
の於いて、
③ P=Q
③ Q=P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
④ ~Q├ Q∨P⇔P
然るに、
(14)
「交換法則」により、
③ Q∨P は、
④ P∨Q に、「等しい」。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
③ ~P├ P∨Q⇔Q
④ ~Q├ P∨Q⇔P
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(06)(08)(12)(15)により、
(16)
① P∨Q,~P├ Q
② P∨Q,~Q├ P
③ ~P├ P∨Q⇔Q
④ ~Q├ P∨Q⇔P
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(16)により、
(17)
① PかQであるが、Pではないので、Qである。
② PかQであるが、Qではないので、Pである。
③ Pでないので、(PかQである。)といふことは、(Qである。)といふことに、等しい。
④ Qでないので、(PかQである。)といふことは、(Pである。)といふことに、等しい。
といふ「推論」は、4つとも、「妥当」である。
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)(選挙で勝ったのは)共和党か民主党である。然るに、共和党ではない。従って、(選挙で勝ったのは)民主党である。
(ⅱ)(選挙で勝ったのは)共和党か民主党である。然るに、民主党ではない。従って、(選挙で勝ったのは)共和党である。
といふ「推論」は、2つとも、「妥当」である。
従って、
(18)により、
(19)
「推論の妥当性」は、「その事柄が、事実か、どうか」といふこととは、「一切、関係」がない。
従って、
(19)により、
(20)
(ⅰ)三角形の内角の和は360度であるか、選挙で勝ったのは共和党である。然るに、三角形の内角の和は360度ではない。従って、選挙で勝ったのは共和党である。
(ⅱ)選挙で勝ったのは民主党であるか、三角形の内角の和は360度である。然るに、三角形の内角の和は360度ではない。従って、選挙で勝ったのは民主党である。
といふ「推論」は、2つとも、「妥当」である。