(01)
1 (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
2 (2)∃x(~Tx&~Bx) A
1 (3) Pa→(Ta∨Ba) 1UE
4 (4) Ta∨Ba A
5 (5) ~Ta&~Ba A
6 (6) Ta A
5 (7) ~Ta 5&E
56 (8) Ta&~Ta 67&I
6 (9) ~(~Ta&~Ba) 58RAA
ア (ア) Ba A
5 (イ) ~Ba 5&E
5 ア (ウ) Ba&~Ba アイ&I
ア (エ) ~(~Ta&~Ba) 5ウRAA
4 (オ) ~(~Ta&~Ba) 469アエ∨E
45 (カ) (~Ta&~Ba)&
~(~Ta&~Ba) 5オ&I
5 (キ) ~(Ta∨Ba) 4カRAA
1 5 (ク) ~Pa 3キMTT
1 (ケ) ~Ta&~Ba→~Pa 5クCP
コ(コ) ~Ta&~Ba A
1 コ(サ) ~Pa ケコMPP
1 コ(シ) ∃x(~Px) サEI
12 (ス) ∃x(~Px) 2コシEE
然るに、
(02)
P=大統領である。
T=トランプである。
B=バイデンである。
とする。 従って、
(02)により、
(03)
(1)∀x{Px→(Tx∨Bx)}
(2)∃x(~Tx&~Bx)
(ス)∃(~Px)
といふ「述語論理式」は、
(1)すべてのxについて{xが大統領であるならば(xはトランプか、または、バイデンである)}。
(2)あるxは(トランプではないし、バイデンでもない)。
(ス)あるxは(大統領ではない)。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(1)大統領は、トランプか、または、バイデンである。 然るに、
(2)ある人は、トランプではないし、バイデンでもない。従って、
(ス)ある人は、大統領ではない。
といふ「推論」は、言ふまでもなく、「妥当」である。
然るに、
(05)
1 (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
2 (2)∃x(~Tx) A
1 (3) Pa→(Ta∨Ba) A
4 (4) Ta∨Ba A
5 (5) ~Ta&~Ba A
6 (6) Ta A
5 (7) ~Ta 5&E
56 (8) Ta&~Ta 67&I
6 (9) ~(~Ta&~Ba) 58RAA
ア (ア) Ba A
5 (イ) ~Ba 5&E
5 ア (ウ) Ba&~Ba アイ&I
ア (エ) ~(~Ta&~Ba) 5ウRAA
4 (オ) ~(~Ta&~Ba) 469アエ∨E
45 (カ) (~Ta&~Ba)&
~(~Ta&~Ba) 5オ&I
5 (キ) ~(Ta∨Ba) 4カRAA
1 5 (ク) ~Pa 3キMTT
1 (ケ) ~Ta&~Ba→~Pa 5クCP
コ(コ) ~Ta A
コ(サ) ~Ta&~Ba &Iは、「デタラメ」である。
1 コ(シ) ~Pa ケコMPP
1 コ(ス) ∃x(~Px) サEI
12 (セ) ∃x(~Px) 2コスEE
といふ「計算」は、「妥当」ではない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(2)ある人は、バイデンではない。 従って、
(ス)ある人は、大統領ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
(07)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。 然るに、
(2)ある人は、バイデンではないが(トランプであるかも知れない)。従って、
(ス)ある人は、大統領ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(08)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
といふのであれば、
(1)どちらか一方は、大統領ではない。
といふ風に、考へるのが、「普通」である。
然るに、
(09)
「含意(material implication )の定義」により、
① ∀x{ Px→(Tx∨Bx)}
② ∀x{~Px∨(Tx∨Bx)}
に於いて、
①=② であって、
この「等式」は、
①「大統領」が存在しても、
②「大統領」が存在しなくとも、「真」になる。
といふことを、示してゐる。
従って、
(08)(09)により、
(10)
「述語論理(古典論理)」の「解釈」に従ふ限り、
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
といふのであれば、それだけで、
(1)どちらか一方は、大統領ではない。
のだから、それだけで、
(セ)ある人は、大統領ではない。
といふことには、ならない。
(11)
例へば、
1 (1)∀x(象x→動物x) A
2 (2)∃x(象x) A
1 (3) 象a→動物a 1UE
3(4) 象a A
1 3(5) 動物a 34MPP
1 3(6) 象a&動物a 45&I
1 3(7)∃x(象x&動物x) 6EI
12 (8)∃x(象x&動物x) 237EE
といふ「計算」は、
(1)象は動物であって、
(2)象がゐて、初めて、
(8)象といふ動物が存在する。
といふことを、示してゐる。
(01)
(ⅰ)
1 (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
2 (2)∀x(Fx→~Px) A
3 (3)∃x(Bx&Fx) A
1 (4) Pa→(Ta∨Ba) 1UE
2 (5) Fa→~Pa 1UE
6 (6) Ba&Fa A
7(7) Pa A
1 7(8) Ta∨Ba 47MPP
1 7(9) Ba∨Ta 8交換法則
1 7(ア) ~~Ba∨Ta 9DN
1 7(イ) ~Ba→Ta ア含意の定義
6 (ウ) Fa 6&E
2 6 (エ) ~Pa 5ウMPP
2 67(オ) Pa&~Pa 7エ&I
2 7(カ) ~(Ba& Fa) 6オRAA
2 7(キ) ~Ba∨~Fa カ、ド・モルガンの法則
2 7(ク) ~Fa∨~Ba キ交換法則
2 7(ケ) Fa→~Ba ク含意の定義
2 67(コ) ~Ba ウケMPP
23 7(サ) ~Ba 36コEE
123 7(シ) Ta イサMPP
123 (ス) Pa→Ta 7シCP
123 (セ)∀x(Px→Tx) スUI
といふ「計算」を、「計算(01)」とする。
(02)
(ⅱ)
1 (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
2 (2)∀x(Fx→~Px) A
3 (3)∃x(Bx&Fx) A
1 (4) Pa→(Ta∨Ba) 1UE
2 (5) Fa→~Pa 1UE
6 (6) Ba&Fa A
7(7) Pa A
1 7(8) Ta∨Ba 47MPP
1 7(9) Ba∨Ta 8交換法則
1 7(ア) ~~Ba∨Ta 9DN
1 7(イ) ~Ba→Ta ア含意の定義
6 (ウ) Fa 6&E
2 6 (エ) ~Pa 5ウMPP
2 67(オ) Pa&~Pa 7エ&I
2 7(カ) ~(Ba& Fa) 6オRAA
2 7(キ) ~Ba∨~Fa カ、ド・モルガンの法則
2 7(ク) Ba→~Fa キ含意の定義
6 (ケ) Ba 6&E
2 67(コ) ~Fa クケMPP
2 67(サ) ∃x(~Fx) コEI
23 7(シ) ∃x(~Fx) 26サEE
23 (ス)Pa→∃x(~Fx) 7シCP
といふ「計算」を、「計算(02)」とする。
(03)
(ⅲ)
1 (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
2 (2)∀x(Fx→~Px) A
3 (3)∃x(Bx&Fx) A
1 (4) Pa→(Ta∨Ba) 1UE
2 (5) Fa→~Pa 1UE
6 (6) Ba&Fa A
7(7) Pa A
1 7(8) Ta∨Ba 47MPP
1 7(9) Ba∨Ta 8交換法則
1 7(ア) ~~Ba∨Ta 9DN
1 7(イ) ~Ba→Ta ア含意の定義
6 (ウ) Fa 6&E
2 6 (エ) ~Pa 5ウMPP
2 67(オ) Pa&~Pa 7エ&I
2 7(カ) ~(Ba& Fa) 6オRAA
2 7(キ) ~Ba∨~Fa カ、ド・モルガンの法則
2 7(ク) Ba→~Fa キ含意の定義
6 (ケ) Ba 6&E
2 67(コ) ~Fa クケMPP
2 67(サ) Fa&~Fa ウコ&I
2 6 (シ) ~Pa 7サRAA
2 6 (ス)∃x(~Px) シEI
23 (セ)∃x(~Px) 36スEE
といふ「計算」を、「計算(03)」とする。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①「計算(01)」
②「計算(02)」
③「計算(03)」は、それぞれ、
① ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ ∀x(Px→Tx)
② ∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ Pa→∃x(~Fx)
② ∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ ∃x(~Px)
といふ「連式(推論)」に相当する。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①「計算(01)」
②「計算(02)」
③「計算(03)」に於ける、
① ├ ∀x(Px→Tx)
② ├ Pa→∃x(~Fx)
③ ├ ∃x(~Px)
といふ「結論」の「違ひ」は、
① Fa→~Ba
② Ba→~Fa
③ Ba→~Fa
といふ「違ひ」を「原因」とする。
然るに、
(06)
P=大統領である。
F=不正を行ふ。
T=トランプである。
B=バイデンである。
とすると、
(1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
(2)∀x(Fx→~Px) A
(3)∃x(Bx&Fx) A
といふ「3つの仮定」は、
(1)すべてのxについて{xが大統領であるならば(xはトランプか、または、バイデンである)}。然るに、
(2)すべてのxについて(xが不正を行ったのであれば、xは大統領ではない)。然るに、
(3)あるxは(バイデンであって、不正を行った)。従って、
といふ「意味」である。
従って、
(06)により、
(07)
(1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
(2)∀x(Fx→~Px) A
(3)∃x(Bx&Fx) A
といふ「3つの仮定」は、
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。
(3)バイデンは、不正を行った。
といふ「意味」である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
①「計算(01)」は、
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。
(3)バイデンは、不正を行った。
といふ「3つの仮定」の内の「3つ」を用ひてゐるのに対して、
②「計算(02)」と、
③「計算(03)」の場合は、
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。
(3)バイデンは、不正を行った。
といふ「2つの仮定」しか、用ひてゐない。
然るに、
(06)(07)により、
(09)
①├ ∀x(Px→Tx)
②├ Pa→∃x(~Fx)
②├ ∃x(~Px)
といふ「3つの結論」は、それぞれ、
① 大統領はトランプである。
② 任意のaが大統領であるならば、不正を行はなかった人物が存在する。
③ 大統領ではない人物が存在する。
といふ「意味」である。
従って、
(05)(07)(09)により、
(10)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。然るに、
(3)バイデンは、不正を行った。従って、
(セ)大統領はトランプである。
といふ「推論」の「妥当性」を示そうとすのであれば、
① Fa→~Ba
といふ「仮言命題」を、その「対偶」である所の、
② Ba→~Fa
③ Ba→~Fa
といふ「仮言命題」に、「書き換へ」ては、ならない。