日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(761)「断定記号(├ )」と「条件的証明(CP)」。

2020-11-08 12:58:15 | 論理

(01)
① AなのでBである(A├ B)。
といふ風に、「言へる」のであれば、「その前に」、
② AならばBである(A→ B)。
といふ「決まり(ルール)」や、「習慣」が、無ければならない。
然るに、
(02)
1(1)P     A
1(2)P∨Q   1∨I
 (3)P→P∨Q 12CP
といふ「計算」、すなはち、
P(1)P     A
P(2)P∨Q   1∨I
 (3)P→P∨Q 12CP
といふ「計算」は、
① Pなので、P∨Qである(P├ P∨Q)。何故ならば
①「選言導入(∨I)」といふ「決まり(ルール)」が有るからであって、
①「選言導入(∨I)」といいふのは、
② Pならば、P∨Qである(P→P∨Q)。
といふ「決まり(ルール)」である。
といふ風に、解することが、出来る。
然るに、
(03)
  1(1)P&Q   A
  1(2)P     1&E
   (3)P&Q→P 12CP
といふ「計算」、すなはち、
P&Q(1)P&Q   A
P&Q(2)P     1&E
   (3)P&Q→P 12CP
といふ「計算」は、
① P&Qなので、Pである(P&Q├ P)。何故なら
①「連言除去(&E)」といふ「決まり(ルール)」が有るからであって、
①「連言除去(&E)」といふのは、
② P&Qならば、Pである(P&Q→ P)。
といふ「決まり(ルール)」である。
といふ風に、解することが、出来る。
然るに、
(04)
    1 (1) P→ Q A
     2(2)   ~Q A
    12(3)~P    12MTT
    1 (4)~Q→~P 23CP
といふ「計算」、すなはち、
P→Q   (1) P→ Q A
P→Q,~Q(2)   ~Q A
P→Q,~Q(3)~P    12MTT
P→Q   (4)~Q→~P 23CP
といふ「計算」は、
① P→Q,~Qなので、~Pである(P→Q,~Q├ ~Q)。何故ならば
①「否定否定式(MTT)」といふ「決まり(ルール)」が有るからであって、
①「否定否定式(MTT)」といふのは、
② P→Q,~Qならば、~P((P→Q,~Q)→~P)。
といふ「決まり(ルール)」である。
といふ風に、解することが、出来る。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(3)P→P∨Q 12CP
(3)P&Q→P 12CP
(4)~Q→~P 23CP
といふ、3つの「条件的証明(CP)」は、上から順に、
(ⅰ)選言導入(∨I)
(ⅱ)連言除去(&E)
(ⅲ)否定否定式(MTT)
といふ、「決まり(ルール)」を、示してゐる。
従って、
(01)(05)により、
(06)
(ⅰ)今日、明日は物忌なれば、蔀もまゐらぬぞ(枕草子)。
(〃)今日、明日は物忌なので、蔀も開けないのです。
といふのであれば、
(ⅱ)その日が物忌みであるならば、蔀も開けない。
といふ「決まり習慣)」が有った。
といふ、ことになる。


(760)「断定記号(├ )」と「同一律(P→P)」。

2020-11-08 10:30:12 | 論理

(01)
① 悪天候なので、外出しない
② 悪天候であっても、外出する
に於いて、
①と② は「矛盾」する。
従って、
(01)により、
(02)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候であっても、外出する。
に於いて、
① が「(本当)」であるならば、
② は「(ウソ)」である。
然るに、
(03)
② 悪天候であっても、外出する
③ 悪天候ならば、外出しない
に於いて、
② が「」である。
といふことは、
③ が「」である。
といふことである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「番号」を付け直すと、
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(04)により、
(05)
① Pなので、Pである。
② Pならば、Pである。
に於いても、
① ならば、② である。
然るに、
(06)
29 P├ P
    P(1)P A
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、44頁)
然るに、
(07)
証明の各行の左側に仮定数字であげる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、序ⅲ)
従って、
(06)(07)により、
(08)
(1)P A
といふ「計算」は、
(1)P A
といふ「計算」に「等しい」。
然るに、
(09)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、16頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
(1)P A
といふ「計算」、すなはち、
(1)P A
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(11)
38 ├ P→P(連式29を参照)
   P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、64頁)
従って、
(06)(10)(11)により、
(12)
P(1)P   A(仮定の規則)
 (2)P→P 11CP(条件法)
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(13)
 ―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅱ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅲ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(13)により、
(14)
②  P→Q
③ ~P∨Q
に於いて、
②=③ は、「含意の定義」である。
従って、
(14)により、
(15)
②  P→P(同一律)
③ ~P∨P(排中律)
に於いても、
②=③ である。
従って、
(12)(15)により、
(16)
①  P├ P(Pなので、Pである。)
②  P→ P(Pならば、Pである。)
③ ~P∨ P(Pでないか、または、Pである。)
に於いて、
①⇒② であって、尚且つ、
②=③ である。
然るに、
(16)により、
(17)
①   P├ P(Pなので、Pである。)
③ ~P∨ P(Pでないか、または、Pである。)
に於いて、
③ ならば、① である。
とは、言へない
従って、
(12)(16)(17)により、
(18)
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
(19)
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふ「指摘」は、あるいは、「奇異」に思はれるやも、知れない。
然るに、
(06)(11)により、
(20)
もう一度、確認すると、
29  P├ P
  P(1)P A
これ以上短い連式は証明できないし、またその証明は可能な最も短い証明である。
38 ├ P→P(連式29を参照)
  P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、44・64頁改)
従って、
(09)(20)により、
(21)
明らかに、
38 ├ P→P(連式29を参照)
  P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「証明」してゐる。


(759)「ルカジェヴィッツの公理(1)」の「証明(計算)」について。

2020-11-06 14:50:49 | 論理

(01)
① 悪天候なので、外出しない
② 悪天候であっても、外出する
に於いて、
①と② は「矛盾」する。
従って、
(01)により、
(02)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候であっても、外出する。
に於いて、
① が「(本当)」であるならば、
② は「(ウソ)」である。
然るに、
(03)
② 悪天候であっても、外出する
③ 悪天候ならば、外出しない
に於いて、
② が「」である。
といふことは、
③ が「」である。
といふことである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「番号」を付け直すと、
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(04)により、
(05)
① Pなので、Qである。
② Pならば、Qである。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(06)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① P Q(Pなので、Qである。)
② P Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(07)により、
(08)
① P├ Q
② P→ Q
だけでなく、
① P├(Q→P)
② P→(Q→P)
に於いても、
① ならば、② である。
然るに、
(09)
1     (1)     P   A
1     (2)  ~Q∨P   1∨I
 3    (3)  ~P&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~P&Q)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)  ~P     3&E
 3 8  (ア)  ~P&P   89&I
   8  (イ)~(~P&Q)  3アRAA
1     (ウ)~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~P     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~P&Q   エオ&I
1   エオ(キ)~(~P&Q)&
          (~P&Q)  ウカ&I
1    オ(ク)   ~~P   オキRAA
1    オ(ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   オケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
然るに、
(10)
証明の各行の左側に仮定数字であげる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、序ⅲ)
従って、
(09)(10)により、
(11)
     (1)     P     A
といふことは、
     (1)     P     A
といふことであって、
は「真」。(1)     Pは「真」。A
といふことである。
従って、
(09)(11)により、
(12)
「計算(09)」は、
P     (1)     P   A
P     (2)  ~Q∨P   1∨I
 3    (3)  ~P&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~P&Q)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)  ~P     3&E
 3 8  (ア)  ~P&P   89&I
   8  (イ)~(~P&Q)  3アRAA
P     (ウ)~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~P     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~P&Q   エオ&I
P   エオ(キ)~(~P&Q)&
          (~P&Q)  ウカ&I
P    オ(ク)   ~~P   オキRAA
P    オ(ケ)     P   クDN
P     (コ)   Q→P   オケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
といふ「計算」と、「同じ」である。
然るに、
(13)
① P     (コ)   Q→P   オケCP
②       (サ)P→(Q→P)  1コCP
といふ「2行」は、
① P├(Q→P)
② P→(Q→P)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「意味」してゐる。
(08)(13)により、
(14)
① P├(Q→P)
② P→(Q→P)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことは、E.J.レモン先生も、認めてゐる。
然るに、
(15)
系Ⅰ:命題計算のすべての定理はトートロジー的である。
系Ⅱ:命題計算は無矛盾である。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、102頁)
従って、
(10)~(15)により、
(16)
① P     (コ)   Q→P   オケCP
②       (サ)P→(Q→P)  1コCP
に於いて、
③   P は「」であり、
④ Q→P も「」である。
然るに、
(17)
② P→(Q→P)
に於いて、
③   P は「真」であり、
④ Q→P も「」である。
といふことは、
② が、「」である。
といふ、ことである。
従って、
(17)により、
(18)
② P→(Q→P)
② 真→(Q→真)
であるものの、この場合は、「真理表(Truth table)」により、
② P→(→P) であっても、
② P→(→P) であっても、両方とも、「真」である。
従って、
(09)(18)により、
(19)
は「(True)」であるが、
Q は「真・偽不明」であるとして、「計算(09)」は、
T     (1)     T   A
T     (2)  ~Q∨T   1∨I
 3    (3)  ~T&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~T&Q)  36RAA
   8  (8)     T   A
 3    (9)  ~T     3&E
 3 8  (ア)  ~T&T   89&I
   8  (イ)~(~T&Q)  3アRAA
T     (ウ)~(~T&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~T     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~T&Q   エオ&I
T   エオ(キ)~(~T&Q)&
          (~T&Q)  ウカ&I
T    オ(ク)   ~~T   オキRAA
T    オ(ケ)     T   クDN
T     (コ)   Q→T   オケCT
      (サ)T→(Q→T)  1コCT
といふ風に、書くことが、出来る。
然るに、
(20)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2){P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
(3)(~P→~Q)→(Q→P)
(これはフレーゲが提出した6つの公理をより簡単にしたものである。)
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(19)(20)により、
(21)
(1)P→(Q→P)
といふ「ルカジェヴィッツによる公理(1)」は、昨日も書いたものの、
(1)Pであるならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pである。)
といふ「意味」になる。
然るに、
(22)
は「(False)」であるが、
Q は「真・偽 不明」 であるとして、「計算(09)」が、
F     (1)     F   A
F     (2)  ~Q∨F   1∨I
 3    (3)  ~F&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~F&Q)  36RAA
   8  (8)     F   A
 3    (9)  ~F     3&E
 3 8  (ア)  ~F&F   89&I
   8  (イ)~(~F&Q)  3アRAA
F     (ウ)~(~F&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~F     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~F&Q   エオ&I
F   エオ(キ)~(~F&Q)&
          (~F&Q)  ウカ&I
F    オ(ク)   ~~F   オキRAA
F    オ(ケ)     F   クDN
F     (コ)   Q→F   オケCP
      (サ)F→(Q→F)  1コCP
といふ風に、書くことが、出来る。
といふ風に、「仮定」する。
然るに、
(23)
は「(False)」であるが、
Q は「真・偽 不明」であるとしても、
(1)F→(Q→F)
といふ「式」は、「」である。
然るに、
(24)
F     (1)     F   
に於ける、「仮定の規則)」は、「なる命題」の「仮定を許さない
従って、
(22)(23)(24)により、
(25)
「計算(22)」は、「マチガイ」であって、次に示す、
「計算(26)」が、「正しい」。
(26)
~F     (1)      ~F   A
~F     (2)   ~Q∨~F   1∨I
  3    (3)   ~~F&Q   A
   4   (4)   ~Q      A
  3    (5)       Q   3&E
  34   (6)   ~Q& Q   45&I
  4    (7) ~(~~F&Q)  36RAA
    8  (8)      ~F   A
  3    (9)   ~~F     3&E
  3 8  (ア)   ~~F&~F  89&I
    8  (イ) ~(~~F&Q)  3アRAA
~F     (ウ) ~(~~F&Q)  2478イ∨E
     エ (エ)   ~~F     A
      オ(オ)       Q   A
     エオ(カ)   ~~F&Q   エオ&I
~F   エオ(キ) ~(~~F&Q)&
            (~~F&Q)  ウカ&I
~F    オ(ク)    ~~~F   オキRAA
~F    オ(ケ)      ~F   クDN
~F     (コ)    Q→~F   オケCP
       (サ)~F→(Q→~F)  1コCP
従って、
(22)(26)により、
(27)
       (サ) F→(Q→ F)  1コCP
といふ「結論」は、「マチガイ」であって、
       (サ)~F→(Q→~F)  1コCP
といふ「結論」こそが、「正しい」。
従って、
(09)(19)(27)により、
(28)
1     (1)     P   A
1     (2)  ~Q∨P   1∨I
 3    (3)  ~P&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~P&Q)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)  ~P     3&E
 3 8  (ア)  ~P&P   89&I
   8  (イ)~(~P&Q)  3アRAA
1     (ウ)~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~P     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~P&Q   エオ&I
1   エオ(キ)~(~P&Q)&
          (~P&Q)  ウカ&I
1    オ(ク)   ~~P   オキRAA
1    オ(ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   オケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
といふ「計算」が「証明」してゐるのは、
      (サ)→(Q→) といふ「恒真式」であって、
      (〃)→(Q→) といふ「恒真式」ではない


(758)「ルカジェヴィッツの公理(1)」と「実質含意のパラドックス」。

2020-11-05 19:00:53 | 論理

(01)
①  P
② ~P&Q
に於いて、すなはち、
① Pである
② Pでないが、Qである。
に於いて、
①と② は「矛盾」する。
従って、
(01)により、
(02)
①  P
② ~P&Q
に於いて、
① が「真(本当)」であるならば、
② は「偽(ウソ)」であって、
② が「偽(ウソ)」であるといふことは、
② の「否定」、すなはち、
② ~(~P&Q) が「(本当)」である。
といふことである。
然るに、
(03)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① P├ ~(~P&Q)
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1   (1)     P  A
1   (2)  ~Q∨P  1∨I
 3  (3)  ~P&Q  A
  4 (4)  ~Q    A
 3  (5)     Q  3&E
 34 (6)  ~Q&Q  45&I
  4 (7)~(~P&Q) 36RAA
   8(8)     P  A
 3  (9)  ~P    3&E
 3 8(ア)  ~P&P  89&I
   8(イ)~(~P&Q) 3アRAA
1   (ウ)~(~P&Q) 2478イ∨E
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
「命題計算」の「結果」からも、
① P├ ~(~P&Q)
といふ「連式(Sequent)」は、すなはち、
① Pなので、(Pでなくて、Qである)といふことはない。
といふ「言ひ方」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1      (1)        P   A
(ⅲ)
1      (2)     ~Q∨P   1∨I
(ⅳ)
 3     (3)     ~P&Q   A
  4    (4)     ~Q     A
 3     (5)        Q   3&E
 34    (6)     ~Q&Q   45&I
  4    (7)   ~(~P&Q)  36RAA
   8   (8)        P   A
 3     (9)     ~P     3&E
 3 8   (ア)     ~P&P   89&I
   8   (イ)   ~(~P&Q)  3アRAA
1      (ウ)   ~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ  (エ)     ~P     A
     オ (オ)        Q   A
    エオ (カ)     ~P&Q   エオ&I
1   エオ (キ)   ~(~P&Q)&
              (~P&Q)  ウカ&I
1   エ  (ク)       ~Q   オキRAA
1      (ケ)    ~P→~Q   エクCP
(ⅴ)
       (コ) P→(~P→~Q)  1ケCP
      サ(サ) P& ~P      A
      サ(シ) P          サ&E
      サ(ス)    ~P→~Q   コシMPP
      サ(セ)    ~P      サ&E
      サ(ソ)       ~Q   スセMPP
       (タ)(P&~P)→~Q   サソCP
従って、
(07)により、
(08)
② P├  P
③ P├ ~Q∨P
④ P├ ~P→~Q
⑤  ├ (P&~P)→~Q
といふ「連式(Sequents)」は、3つとも、「妥当」である。
従って、
(03)(08)により、
(09)
②  Pなので、Pである。
③  Pなので、Qでないか、または、Pである。
④  Pなので、 Pでない ならば、Qでない。
⑤(Pであって、Pでない)ならば、Qでない。
といふ「言ひ方」は、4つとも、「妥当」である。
然るに、
(09)により、
(10)
③ Pなので、Qでないか、または、Pである。
といふ「言ひ方」は、「奇異」である。
然るに、
(09)により、
(11)
② Pなので、Pである。
といふことからするれば、
③ Pなので、Qでないか、または、Pである。
に於いて、
② P の「真・偽」は、「」として「確定」であるが、
② Q の「真・偽」は、「不明」である。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
③ P├ ~Q∨P
③ Pなので、Qでないか、または、Pである。
といふことは、実際には、
③ Pであるが、Qでないか、Qであるかは、分からない
といふ「意味」になる。
(13)
④ Pなので、Pでないならば、Qでない。
といふ「言ひ方」も、「奇異」である。
然るに、
(09)(12)(13)により、
(14)
③  Pであるが、Qでないか、Qであるかは、分からない
⑤(Pであって、Pでない)ならば、Qでない。
といふことからすると、
④ Pなので、Pでないならば、Qでない。
といふ「言ひ方」は、
④「P&~P(矛盾)」を認めるならば、「任意の命題」が、「」になってしまふ。
が故に、
④「P&~P(矛盾)」を認めるべきではない
といふ「意味」に、解することが出来る。
(15)
(ⅴ)
1     (1)     P   A
1     (2)  ~Q∨P   1∨I
 3    (3)  ~P&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~P&Q)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)  ~P     3&E
 3 8  (ア)  ~P&P   89&I
   8  (イ)~(~P&Q)  3アRAA
1     (ウ)~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~P     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~P&Q   エオ&I
1   エオ(キ)~(~P&Q)&
          (~P&Q)  ウカ&I
1    オ(ク)   ~~P   オキRAA
1    オ(ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   オケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
従って、
(11)(12)(15)により、
(16)
⑤├ P→(Q→P)
といふ「連式」と、
⑤ Pであるならば(Qであるか、Qでないかは、不明であるが、いづれにせよ、Pである。)
といふ「言ひ方」は、「妥当」である。
然るに、
(17)
⑤ Pであるならば(Qであるか、Qでないかは、不明であるが、いづれにせよ、Pである。)
といふことは。
⑤ Pであるならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pである。)
といふ、ことである。
従って、
(16)(17)により、
(18)
⑤├ P→(Q→P)
といふ「連式」は、
⑤ Pであるならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pである。)
といふ「意味」になる。
然るに、
(19)
例えば以下の二つの条件文は全て「古典論理」においてはであるが、我々はであるとは考えない
「1+1=」ならば「雪は白い」
「1+1=」ならば「雪は白い」
この我々が普段使用する「ならば」と「古典論理」における実質含意(質料含意ともいふ)の乖離が「実質含意のパラドクス」である。
(ウィキペディア改)
然るに、
(18)(19)により、
(20)
⑤├ P→(Q→P)
⑤├ Pであるならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pである。)
である所の、「ルカジェヴィッツによる公理(1)」からすると、
⑤「雪が白い」ならば(「1+1=」であらうと、「1+1=」であらうと、いづれにせよ、「雪は白い」。)
は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(21)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2){P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
(3)(~P→~Q)→(Q→P)
(これはフレーゲが提出した6つの公理をより簡単にしたものである。)
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
といふ「ルカジェヴィッツによる公理」は、「古典論理」である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
⑤├ P→(Q→P)
⑤├ Pであるならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pである。)
である所の、「古典論理の公理」からしても、
⑤「雪が白い」ならば(「1+1=」であらうと、「1+1=」であらうと、いづれにせよ、「雪は白い」。)
といふ「命題」は「真」になるため、
「1+1=」ならば「雪は白い」
「1+1=」ならば「雪は白い」
といふ「二つの条件文」が「同時に、真」であることは、「パラドックス」であるとは、言へない
然るに、
(23)
1     (1)     ~P   A
1     (2)  ~Q∨~P   1∨I
 3    (3)  ~~P&Q   A
  4   (4)   ~Q     A
 3    (5)      Q   3&E
 34   (6)   ~Q&Q   45&I
  4   (7) ~(~~P&Q) 36RAA
   8  (8)     ~P   A
 3    (9)   ~~P    3&E
 3 8  (ア)   ~~P&~P 89&I
   8  (イ) ~(~~P&Q) 3アRAA
1     (ウ) ~(~~P&Q) 2478イ∨E
    エ (エ)   ~~P    A
     オ(オ)      Q   A
    エオ(カ)   ~~P&Q  エオ&I
1   エオ(キ) ~(~~P&Q)&
           (~~P&Q) ウカ&I
1    オ(ク)    ~~~P  オキRAA
1    オ(ケ)      ~P  クDN
1     (コ)    Q→~P  オケC~P
      (サ)~P→(Q→~P) 1コC~P
従って、
(22)(23)により、
(24)
⑤├  P→(Q→P)
⑤├  Pであるならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pである。)
が、「公理(恒真式)」である以上、
⑥├ ~P→(Q→~P)
⑥├  Pでないならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pでない。)
も、「公理(恒真式)」である。
従って、
(22)(24)により、
(25)
⑤「雪が白い  」ならば(「1+1=」であらうと、「1+1=」であらうと、いづれにせよ、「雪は白い  」。)
⑥「雪が白くない」ならば(「1+1=」であらうと、「1+1=」であらうと、いづれにせよ、「雪は白くない」。)
といふ「仮言命題」は、2つとも「」であるため、
「1+1=5」ならば「雪は白い」
「1+1=2」ならば「雪は白い」
「1+1=5」ならば「雪は黒い
といふ「三つの条件文」が「同時に、真」であることは、「パラドックス」であるとは、言へない


(757)「PなのでQ(十分条件)」⇔「PならばQ(必要条件)」(Ⅱ)。

2020-11-05 13:35:29 | 論理

 ―「昨日(令和02年11月04日)の記事」を書き直します。―
(01)
① 悪天候なので、外出しない
② 悪天候であっても、外出する
に於いて、
①と② は「矛盾」する。
従って、
(01)により、
(02)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候であっても、外出する。
に於いて、
① が「(本当)」であるならば、
② は「(ウソ)」である。
然るに、
(03)
② 悪天候であっても、外出する
③ 悪天候ならば、外出しない
に於いて、
② が「」である。
といふことは、
③ が「」である。
といふことである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「番号」を付け直すと、
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1  (1)① であるならば、② である。 仮定
 2 (2)         ② でない。 仮定
  3(3)① である。         仮定
1 3(4)         ② である。 13肯定肯定式
123(5)② ではないが、 ② である。 24連言導入
12 (6)① ではない。        35背理法
1  (7)② でないならば、① でない。 26条件法
(ⅱ)
1  (1)② でないならば、① でない。 仮定
 2 (2)         ① である。 仮定
  3(3)② でない。         仮定
1 3(4)         ① でない。 13肯定肯定式
123(5)① であるのに、 ① でない。 24連言導入
12 (6)② でない。ではない。    35背理法
12 (7)② である。         6二重否定
1  (8)① であるならば、② である。 27条件法
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)① であるならば、② である
(ⅱ)② でないならば、① でない
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) であるものの、この「等式」を、「対偶(Contraposition)」といふ。
然るに、
(07)
(ⅰ)① であるならば、② である。
(ⅱ)② でないならば、① でない。
であるが故に、
(ⅰ)① であるならば、② である。
に於いて、
(ⅰ)① を「② であるための、十分条件」といひ、
(ⅱ)② を「① であるための、必要条件」といふ。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① ならば、② である。
であるが故に、
① は、「② の、十分条件」であって、
② は、「① の、必要条件」である。
然るに、
(09)
① ならば、② である。
であって、尚且つ、
② ならば、① である。
であるならば、
①=② であるものの、
①=② であるならば、
① は、「② の、必要十分条件」であって、
② は、「① の、必要十分条件」である。
然るに、
(10)
② 悪天候ならば、家に居る。
としても、「仮定未定」であるため、
① 悪天候なので、家に居る。
といふことには、ならない。
従って、
(10)により、
(11)
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
② ならば、① である。
といふことには、ならない。
従って、
(04)(11)により、
(12)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない。
従って、
(08)(09)(12)
(13)
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① ならば、② である。
であるが故に、
① は、「② の、十分条件」であって、
② は、「① の、必要条件」である。
としても、
① は、「② の、必要十分条件」ではないので、
② も、「① の、必要十分条件」ではない。
然るに、
(14)
1 (1)P→Q A
 2(2)P   A
12(3)  Q 12MPP
であるものの、
12(3)  Q 12MPP
であることを、
① P→Q,P├ Q
といふ「連式(Sequent)」で、表現する。
然るに、
(15)
① P=悪天候である。
① Q=家に居る。
であるとして、
① P→Q,P├ Q
といふことは、
① 悪天候ならば、家に居る。悪天候である。├ 家に居る。
といふことである。
然るに、
(16)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
従って、
(15)(16)により、
(17)
② P=悪天候である。
② Q=家に居る。
であるとして、
② P→Q,P
といふことは、
② 悪天候ならば、家に居るが、悪天候なので、家に居る。
といふことである。
従って、
(17)により、
(18)
①              悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居るが、悪天候なので、家に居る。
に於ける、
② 悪天候ならば、家に居る。
を「省略」した「形」が、
① 悪天候なので、家に居る。
といふ「表現」である。
といふことになる。
従って、
(18)により、
(19)
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① は、② を「含意」するものの、このことは、
① ならば、② である。
といふことに、他ならない。
従って、
(12)(17)(18)(19)により、
(20)
一般的に言って、
① P├ Q
② P→ Q
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない


(756)「PなのでQ(十分条件)」⇔「PならばQ(必要条件)」。

2020-11-04 11:19:10 | 論理

(01)
1  (1) A→B  仮定
 2 (2)  ~B  仮定
  3(3) A    仮定
1 3(4)   B  13肯定肯定式
123(5)~B&B  24連言導入
12 (6)~A    35条件法
1  (7)~B→~A 26条件法
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」として、その上、
(ⅱ)「Bでない。」とすると、
(ⅲ)「Aでない。」
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」として、その上、
(ⅱ)「Aである。」といふのであれば、
(ⅲ)「Bでない。」ではなく、
(ⅳ)「Bである。」といふことを、「必要」とする。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」ならば、
(ⅱ)「Bである。」といふことは、
(ⅲ)「Aである。」といふことの、「必要条件」である。
(05)
1 (1)A→B 仮定
 2(2)A   仮定
12(3)  B 12肯定肯定式
1 (4)A→B 23条件法
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」として、その上、
(ⅱ)「Aである。」といふのであれば、そのまま
(ⅲ)「Bである。」
従って、
(07)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」ならば、
(ⅱ)「Aである。」といふことは、
(ⅲ)「Bである。」といふことの、「十分条件」である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① A→B(Aならば、Bである。)
に於いて、
① B は、「Aであるための、必要条件」であって、
① A は、「Bであるための、十分条件」である。
従って、
(08)により、
(09)
言ふ迄もなく、
② B→A(Bならば、Aである。)
に於いて、
② A は、「Bであるための、必要条件」であって、
② B は、「Aであるための、十分条件」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
③(A→B)&(B→A)
に於いて、
③ A は、「Bであるための、必要十分条件」であって、
③ B も、「Aであるための、必要十分条件」である。
然るに、
(11)
1 (1)P→Q 仮定
 2(2)P   仮定
12(3)  Q 12肯定肯定式
であるならば、すなはち、
1 (1)Pならば、Qである。 仮定
 2(2)Pである。      仮定
12(3)     Qである。 12肯定肯定式
であるため、
① P→Q,P├ Q
① PならばQである。Pである。├ Qである。
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(12)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
  
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① P→Q,P├ Q
① PならばQであるが、Pなので、 Qである。
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(13)により、
(14)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② が「無けれ」ば、① ではない
従って、
(14)により、
(15)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② は、① であるための、「必要条件」である。
従って、
(08)(15)により、
(16)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」である。
然るに、
(17)
② Pならば、Qである(P→ Q)。
としても、それだけでは
① Pなので、Qである(P├ Q)。
といふことには、ならない
然るに、
(18)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② Pならば、Qである(P→ Q)。
としても、それだけでは
① Pなので、Qである(P├ Q)。
といふことには、ならない
といふことは、
② は、① であるための、「十分条件」ではない
といふことである。
従って、
(15)(17)(18)により、
(19)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② は、① であるための、「必要条件」であるとしても、
② は、① であるための、「十分条件」ではない。
従って、
(19)により、
(20)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② は、① であるための、「必要条件」であるとしても、
② は、① であるための、「必要十分条件」ではない。
従って、
(10)(16)(20)により、
(21)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であるとしても、
① は、② であるための、「必要十分条件」ではない。
cf.
 ①=② であるならば、そのときに限って
(① ならば ②である。)&(② ならば ① である。)
 であって、
(① ならば ②である。)&(② ならば ① である。)
 であるならば、「① は、② の、必要十分である。」
 といふ点に、「注意」せよ。
従って、
(04)(07)(19)(21)により、
(22)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
従って、
(23)
例へば、
① 悪天候なので、家に居る(P├ Q)。
② 悪天候ならば、家に居る(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
然るに、
(24)
① 悪天候なので、外出しない。
といふことが「言へる」のであれば、
② 悪天候ならば、外出しない。
といふ「命題」も、「」でなければならない。
従って、
(24)により、
(25)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① が「」であるならば、② も「」である。
従って、
(07)(25)により、
(26)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① は、確かに、② であるための、「十分条件」である。
然るに、
(27)
② 悪天候ならば、外出しない
ではなく
② 悪天候であっとしても、外出する
といふのであれば、
① 悪天候なので、外出しない
といふ風には、「言へない」。
従って、
(27)により、
(28)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
② が「」であることは、① が「」であるための、「必要条件」である。
然るに、
(29)
② 悪天候ならば、外出しない。
としても、
① 悪天候。
ではない段階」に於いては、
① 悪天候なので、外出しない。
とは、「言へない」。
従って、
(07)(29)により、
(30)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
② が「」であることは、① が「」であるための、「十分条件」ではない
従って、
(22)(26)(28)(30)により、
(31)
例へば、
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
従って、
(05)(12)(22)(31)により、
(32)
1 (1)P→Q A
 2(2)P   A
12(3)  Q 12MPP
といふ「計算」が、「妥当」であるが故に、
(3)P→Q,P├ Q
といふ「連式」は、「妥当」であり、それ故、
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
といふ、ことになる。


(755)ルカジェヴィッツによる公理1:[Pなので(QでなくともPである)]。

2020-11-03 14:03:09 | 論理

(01)
① 悪天候なので、外出しない。
といふことが「言へる」のであれば、
② 悪天候ならば、外出しない。
といふ「命題」が、「でなければならない
従って、
(02)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(03)
② 悪天候ならば、外出しない。
としても、
② 悪天候。
に至ってゐない段階」では、
① 悪天候なので、外出しない。
といふことには、ならない
従って、
(03)により、
(04)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
② ならば、① である。とは限らない
従って、
(02)(04)により、
(05)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
従って、
(05)により、
(06)
「当然」ではあるものの、
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
①=② ではない
従って、
(05)(06)により、
(07)
① PなのでQである(P├ Q)。
② PならばQである(P→ Q)。
に於いて、
①⇒② であるが、
①=② ではない
然るに、
(08)
① 1(1)P A
と書くならば、
① P(1)P A
と「同じこと」であって、
① P(1)P A
といふことは、
① Pなので、Pである(P├ P)。
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2){P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
(3)(~P→~Q)→(Q→P)
(これはフレーゲが提出した6つの公理をより簡単にしたものである。)
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
然るに、
(10)
(ⅰ)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
(ⅱ)
1  (1)    P→(Q→R)  A
 2 (2)    P→ Q     A
  3(3)    P        A
1 3(4)       Q→R   13MPP
 23(5)       Q     23MPP
123(6)         R   45MPP
12 (7)       P→R   36CP
1  (8)(P→Q)→(P→R)  27CP
   (9){P→(Q→R)}→
     {(P→Q)→(P→R)} 18CP
(ⅲ)
1  (1) ~P→~Q        A
 2 (2)     Q        A
  3(3) ~P           A
1 3(4)    ~Q        13MPP
123(5)  Q&~Q        24&I
12 (6)~~P           35RAA
12 (7)  P           6DN
1  (8)  Q→ P        27CP
   (9)(~P→~Q)→(Q→P) 18CP
従って、
(09)(10)により、
(11)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2){P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
(3)(~P→~Q)→(Q→P)
といふ「3つの公理」は、当然、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(08)(10)により、
(12)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
といふ「計算」は、
P(1)     P  A
P(2)  ~Q∨P  1∨I
P(3)   Q→P  2含意の定義
といふ「計算」と、「同じこと」であって、
(1)Pなので「Pである。」
(2)Pなので「Qでないか、または、Pである。」
(3)Pなので「Qならば、Pである。」
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
(1)Pなので「Pである。」
(2)Pなので「Qでないか、または、Pである。」
(3)Pなので「Qならば、Pである。」
といふのであれば、
(1)Pは「」。
(2)Pは「」。
(3)Pは「」。
でなければ、ならない。
従って、
(13)により、
(14)
(1)P(真)なので「P(真)である。」
(2)P(真)なので「Qでないか、または、P(真)である。」
(3)P(真)なので「Qならば、P(真)である。」
然るに、
(15)
真理表(Truth table)」により、
(3)「Q()ならば、P(真)である。」
(〃)「Q()ならば、P(真)である。」
の場合は、両方とも、「」である。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
1(1)   P A
1(2)~Q∨P 1∨I
1(3) Q→P 2含意の定義
に於ける、
1(3) Q→P 2含意の定義
といふ「行」は、
 (3)P(が真)なので「Q(の真・偽に拘らず)、P(は真)である。」
といふ「意味」になる。
従って、
(10)(16)により、
(17)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
に於ける、
 (4)P→(Q→P) 13CP
といふ「行」は、
 (4)P(が真)ならば「Q(の真・偽に拘らず)、P(は真)である。」
といふ「意味」になる。
従って、
(09)(10)(16)(17)により、
(18)
(1)P→(Q→P)
(〃)Pであるならば(QであるならばPである)。
といふ「ルカジェヴィッツによる公理1」は、
(1)P(が真)ならば「Q(の真・偽に拘らず)、P(は真)である。」
といふ「意味」になる。
然るに、
(18)により、
(19)
(1)Pであるならば(QであるならばPである)。
といふ「言ひ方」は、「奇異」であるが、
(1)P(が真)ならば「Q(の真・偽に拘らず)、P(は真)である。」
といふことは、「極めて、まともである」。
従って、
(10)(19)により、
(20)
(ⅰ)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
といふ「計算」の「結果」としての、
(1)Pであるならば(QであるならばPである)。
といふ「ルカジェヴィッツによる公理1」は、「極めて、当然である」。
然るに、
(21)
証明の各行の左側に仮定数字であげる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、序ⅲ)
従って、
(07)(19)(20)(21)により、
(22)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
のやうな、『証明の各行の左側に仮定数字であげる方法』と、
① PなのでQである(P├ Q)。
② PならばQである(P→ Q)。
に於いて、
① ならば、② である。
といふことからすれば、
からすれば、
(1)Pであるならば(QであるならばPである)。
(〃)P(が真)ならば「Q(の真・偽に拘らず)、P(は真)である。」
といふ「ルカジェヴィッツによる公理1」は、「極めて、当然である」。


(754)「∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)」の説明。

2020-11-02 16:11:51 | 論理

(01)
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)              A
1 (3) Fa→Ga                  1&E
1 (4)         Fb→Gb          1&E
1 (5)                 Fc→Gc  1&E
 2(6) Fa                     2&E
12(7)    Ga                  36MPP
 2(8)         Fb             2&E
12(9)            Gb          48MPP
 2(ア)                 Fc     2&E
12(イ)                    Gc  5アMPP
12(ウ) Ga&Gb                  79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc               イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   2エCP
従って、
(01)により、
(02)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
に於いて、
② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1   (1)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   A
 2  (2) Fa                     A
  3 (3)    Fb                  A
   4(4)       Fc               A
 23 (5) Fa&Fb                  23&I
 234(6)(Fa&Fb&Fc)              45&イ
1234(7)           (Ga&Gb&Gc)   16MPP
123 (8)        Fc→(Ga&Gb&Gc)   47CP
12  (9)    Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]  38CP
1   (ア)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} 29CP
(ⅲ)
1 (1)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)              A
 2(3) Fa                     2&E
 2(4)     Fb                 2&E
 2(5)       Fc               2&E
12(6)    Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]  13MPP
12(7)        Fc→(Ga&Gb&Gc)   46MPP
12(8)           (Ga&Gb&Gc)   57MPP
1 (9)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   28CP
従って、
(03)により、
(04)
②(Fa&Fb&Fc) →(Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→ (Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
② であって、
②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
 2(2) Fa                     A
1 (3) Fa→Ga                  1&E
12(4)    Ga                  23MPP
(ⅱ)
1 (1) Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} A
 2(2) Fa                      A
12(3)    {Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} 12MPP
従って、
(06)により、
(07)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc), FaGa
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]},Fa├ Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]
従って、
(07)により、
(08)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
① の場合は、その上、「Fa(aはFである)」ならば、そのまま、直ちに、「Ga(aはGである)」が、
③ の場合は、その上、「Fa(aはFである)」であったとしても、直ちに、「Ga(aはGである)」といふことには、ならない
従って、
(08)により、
(09)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
①=③ ではない
従って、
(05)(09)により、
(10)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc) →(Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
①⇒② であって、
②=③ であるが、
①=③ ではない
従って、
(10)により、
(11)
①⇒② であるが、
①=② ではない
従って、
(10)(11)により、
(12)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
に於いて、
①⇒②(①ならば②である)が、逆に
②⇒①(②ならば①である)ではない
然るに、
(13)
{a,b,c}の3つが「変域(ドメイン)」であるならば、
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、
① ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「述語論理式」に「相当」する。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1 (1)    ∀x(Fx→Gx) A
 2(2)    ∀x(Fx)    A
1 (3)       Fa→Ga  1UE
 2(4)       Fa     2UE
12(5)          Ga  34MPP
12(6)       ∀x(Gx) 5UI
1 (7)∀x(Fx)→∀x(Gx) 26CP
(ⅱ)
1 (1)∀x(Fx)→∀x(Gx) A
 2(2)   Fa         A
 2(3)∀x(Fx)        2UI
12(4)       ∀x(Gx) 13MPP
12(5)          Ga  4UE
1 (6)   Fa→Ga      25CP
1 (7)∀x(Fx→Gx)     6UI
然るに、
(14)により、
(15)
 )   F         A
 2(3)∀x(Fx)        2UI
に関しては、「UI」の「規則」に対する、「違反」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
述語計算」としても、当然、
① ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)→∀x(Gx)
に於いて、
①⇒②(①ならば②である)が、逆に
②⇒①(②ならば①である)ではない
従って、
(12)(16)により、
(17)
述語計算」と「同じ結果」になるのだから、
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)              A
1 (3) Fa→Ga                  1&E
1 (4)         Fb→Gb          1&E
1 (5)                 Fc→Gc  1&E
 2(6) Fa                     2&E
12(7)    Ga                  36MPP
 2(8)         Fb             2&E
12(9)            Gb          48MPP
 2(ア)                 Fc     2&E
12(イ)                    Gc  5アMPP
12(ウ) Ga&Gb                  79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc               イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   2エCP
(ⅱ)
1   (1)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   A
 2  (2) Fa                     A
  3 (3)    Fb                  A
   4(4)       Fc               A
 23 (5) Fa&Fb                  23&I
 234(6)(Fa&Fb&Fc)              45&イ
1234(7)           (Ga&Gb&Gc)   16MPP
123 (8)        Fc→(Ga&Gb&Gc)   47CP
12  (9)    Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]  38CP
1   (ア)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} 29CP
(ⅲ)
1 (1)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)              A
 2(3) Fa                     2&E
 2(4)     Fb                 2&E
 2(5)       Fc               2&E
12(6)    Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]  13MPP
12(7)        Fc→(Ga&Gb&Gc)   46MPP
12(8)           (Ga&Gb&Gc)   57MPP
1 (9)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   28CP
といふ「計算」は、「不要」であると言へば、「不要」である。
しかしながら、
(18)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc) →(Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
といふ風に、「書くこと」によって、
②=③ であることが、「明確」になり、その「結果」として、
①⇒② であることが、「明確」になり、
②⇒① でないことが、「明確」になる。
(19)
① ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」は、幾らか「抽象的」であって、
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→ (Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、十分に「具体的」であって、「分り易い」。
ただし、
(20)
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)              A
1 (3) Fa→Ga                  1&E
1 (4)         Fb→Gb          1&E
1 (5)                 Fc→Gc  1&E
 2(6) Fa                     2&E
12(7)    Ga                  36MPP
 2(8)         Fb             2&E
12(9)            Gb          48MPP
 2(ア)                 Fc     2&E
12(イ)                    Gc  5アMPP
12(ウ) Ga&Gb                  79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc               イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   2エCP
といふ「計算」より、
(ⅰ)
1 (1)    ∀x(Fx→Gx) A
 2(2)    ∀x(Fx)    A
1 (3)       Fa→Ga  1UE
 2(4)       Fa     2UE
12(5)          Ga  34MPP
12(6)       ∀x(Gx) 5UI
1 (7)∀x(Fx)→∀x(Gx) 26CP
といふ「述語計算」の方が、「手間が掛からない」。
従って、
(20)により、
(21)
分り易い」からと言って、「毎回毎回」、
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)              A
1 (3) Fa→Ga                  1&E
1 (4)         Fb→Gb          1&E
1 (5)                 Fc→Gc  1&E
 2(6) Fa                     2&E
12(7)    Ga                  36MPP
 2(8)         Fb             2&E
12(9)            Gb          48MPP
 2(ア)                 Fc     2&E
12(イ)                    Gc  5アMPP
12(ウ) Ga&Gb                  79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc               イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   2エCP
といふ「計算」を、するわけにはいかない


(753)ロ(様相論理)と∀(述語論理)。

2020-11-02 10:05:34 | 論理

(01)
① □(α→β)├ □α→□β
といふ「式」は、「様相論理の式」であって(?)、
①(αならばβであること)は「必然」である。故に、(αであることが「必然」である)あるならば、(βであることも「必然」である)。
といふ「意味」である(?)。
従って、
(01)により、
(02)
① □(Fx→Gx)├ □Fx→□Gx
といふ「様相論理の式」が、有るのであれば、
①(FxならばGxであること)は「必然」である。故に、(Fxであることが「必然」である)あるならば、(Gxであることも「必然」である)。
といふ「意味」に、なるはずである(?)。
然るに、
(03)
①(FxならばGxであること)は「必然」である。故に、(Fxであることが「必然」である)あるならば、(Gxであることも「必然」である)。
といふことは、
すべてのxについて(xがFであるならば、xはGである)。故に、すべてのxについて(xがFである)ならば、すべてのxについて(xがFである)。
といふことに、他ならない。
然るに、
(04)
すべてのxについて(xがFであるならば、xはGである)。故に。すべてのxについて(xがFである)ならば、すべてのxについて(xがFである)。
といふことは、「述語論理の式」としては、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」になる。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1 (1)    ∀x(Fx→Gx) A
 2(2)    ∀x(Fx)    A
1 (3)       Fa→Ga  1UE
 2(4)       Fa     2UE
12(5)          Ga  34MPP
12(6)       ∀x(Gx) 5UI
1 (7)∀x(Fx)→∀x(Gx) 26CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」は、「述語論理の式」として、「妥当」である。
然るに、
(07)
{a,b,c}の3つが「変域(ドメイン)」であるならば、
② ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)
といふ「式」は、
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(08)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
 2(2)(Fa&Fb&Fc)              A
1 (3) Fa→Ga                  1&E
1 (4)         Fb→Gb          1&E
1 (5)                 Fc→Gc  1&E
 2(6) Fa                     2&E
12(7)    Ga                  36MPP
 2(8)         Fb             2&E
12(9)            Gb          48MPP
 2(ア)                 Fc     2&E
12(イ)                    Gc  5アMPP
12(ウ) Ga&Gb                  79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc               イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)   2エCP
従って、
(08)により、
(09)
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、「妥当」である。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
{a,b,c}の3つが「変域(ドメイン)」であるならば、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」は、
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」に「等しく」、尚且つ、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、2つとも、「妥当」である。
然るに、
(11)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、「含意の定義」と「ド・モルガンの法則」により、
③(~Fa∨~Fb∨~Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(12)
③(~Fa∨~Fb∨~Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、
③(~Fa)だけが(本当)」であって、
③(Ga&Gb&Gc)が「偽(ウソ)」であっても「」である。
然るに、
(12)により、
(13)
(ⅲ)
1(1)~Fa    A
1(2)~Fa∨Ga 1∨I
1(3) Fa→Ga 2含意の定義
従って、
(13)により、
(14)
③(~Fa)  だけが」であるならば、
③(Fa→Ga)だけが」であって、
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
といふ「3つ」が「3つとも真」になる。といふことは、無い
従って、
(09)~(14)により、
(15)
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
③(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)├(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
に於いて、
② は「妥当」であるが、その「」である、
③ は「妥当」ではない
従って、
(10)(15)により、
(16)
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
③ ∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
に於いて、
② は「妥当」であるが、その「」である、
③ は「妥当」ではない
然るに、
(17)
(ⅲ)
1 (1)∀x(Fx)→∀x(Gx) A
 2(2)   Fa         A
 2(3)∀x(Fx)        2UI
12(4)       ∀x(Gx) 13MPP
12(5)          Ga  4UE
1 (6)   Fa→Ga      25CP
1 (7)∀x(Fx→Gx)     6UI
然るに、
(17)により、
(18)
 )   F         A
 2(3)∀x(Fx)        2UI
に関しては、「UI」の「規則」に対する、「違反」である。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
いづれにせよ、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
③ ∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
に於いて、
② は「妥当」であるが、その「」である、
③ は「妥当」ではない
然るに、
(20)
〈公理〉
A3.□(α⊃β)⊃ (□Fx⊃□Gx)
(大窪徳行・田畑博敏、論理学の方法、1994年、192頁改)
然るに、
(21)
A3.□(α⊃β)⊃ (□Fx⊃□Gx)
といふ「表記」は、
A3.□(α→β)├ (□α⊃□β)
といふ風に書いても、「同じこと」である。
従って、
(02)(19)(20)(21)により、
(22)
①  □(Fx→Gx)├    □Fx→□Gx
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
に於いて、
① は「様相論理の式」であって、「は、成立せず」、
② は「述語論理の式」であって、「は、成立しない」。
従って、
(20)により、
(21)
①  □(Fx→Gx)├    □Fx→□Gx
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
に於ける、
①「様相論理の、□(必然的)」といふ「記号」は、
②「述語論理の、∀(全ての)」といふ「記号」の、「仲間」であると、思はれる。