予測はされていましたが、不幸な結果の方に時は流れました。
ロシアはウクライナに侵攻し、人々から幸せな生活を混乱、命の危険さえ保証できない事態へと向かわせています。
理由は何にせよ、他国に武力で攻め入り、国土を分捕るなんて暴挙は許されるはずがないと思うのですが。
ニュースでそんな事態を見ながら眠りについたからでしょうか、夢を見ました。自分が、戦場の混乱の中に身を置いているのです。爆撃の音の中、姿勢を低くして逃げています。誰だか分かりませんが同じ状態の誰かが後ろにいます。振り返る余裕すらありません。
そんな緊迫した状態の中、後ろの人のつぶやきが聞こえてきました。
「人間って愚かですよね。人を殺す爆撃に使う武器弾薬、その資金を自国の人のために使ったらどれだけ多くの人が幸せを受けられるのだろう?」
「なぜそんな簡単なことに気が付かないのだろう」
このあたりで目が覚めました。あの言葉をささやいたのは誰だったのでしょう。夢だったんだよね。でも・・・本当のことだよね。
私は戦争の場面を読んだり聞いたりすると、決まって思い出す小説の一節があります。
学生のころ読んだ「チボー家の人々」の一節です。
主人公の兄が戦場に出て命を爆撃にさらしてトーチカにうずくまっている場面です。兄はこんな事を考えているのです。
「敵兵も同じ人間だ。決して戦争を望んでいない。戦いを止めるのは簡単なことだ。双方の兵が、同時に武器を捨てさえすれば。どうしてそれができない?」
簡単な事なのに・・・