おせっちゃんの今日2

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ナイフとフォーク

2022-10-08 14:27:31 | わが家の話

先日、「声」にタイトルの題名で投書が載っていました。71歳の主婦の方でした。

「60年も前、年に一回ほど父が鹿児島に、洋食を食べに連れて行ってくれていました。緊張して、ナイフとフォークを使ったことを思い出します。父は養殖をいただく作法を教えておかなければと連れて行ったのだと、私は思っていました。ところが久しぶりに会った弟は、自分たちをだしに出かけたと解釈していました。どちらが真実かと思っているという家族の思い出話でした。」(おせっちゃんが適当にまとめました。お許しを)

わが家にも、洋食で思い出す話があります。地方都市で、農家暮らしをしている家族でしたから、この方と同じように洋食などほとんど経験がなく、漫画みたいな笑い話です。

週末笑ってお過ごしくだされば・・・

わが家には、妹のらい太の結婚が整っていました。私は、既に嫁いで、当時は山口からは遠く、福島で暮らしていましたから、詳しくは知らないのですが、おめでたいことには違いありません。らい太のお相手は京都の方でした。若い二人に、お相手のご両親が式、披露宴など計画してくださっていたようです。
その時、東京の披露宴会場はホテル。洋食にしたいという事だったようです。らい太が、山口の両親に伝えたら、父が難色を示しました。「洋食だと、俺は好かん。もしも是非というなら箸をつけてもらわんと」という事だったようです。らい太、「恥ずかしいったらありゃせん」とぼやいていました。
確かにナイフフォークを使いこなせるか、これは大問題でした。らい太がお相手にどう話したか知りませんが、当日確かに割りばしがついていました。

その当日。折角のご馳走をどれだけ楽しみ味わえたか覚えていませんが、どうにか問題なくコースは進んでいました。

デザートになりました。
メロンでした。その当時、田舎ではメロンなんて、よほどの高級果物で、私は食べたことがありませんでした。本か何かで見た、網目のある皮を付けた三日月形のメロンがお皿の上に載り、傍にナイフフォークが添えられていました。
家族一同、さてどうして食べたらいいものか?田舎なら、スイカは大口開けて噛みつくけれど、それはいけないのだろうな、さてさて・・・

目と小さな声で、どうしたものやらともじもじ。そうだと思いつきました。4兄がフルブライトの留学生で、何年かアメリカ暮らしをしていたのだった。Fちゃんなら、慣れたもんかもしれない。横目で見ると、ナイフで皮と実の境目辺りをカーブを付けて切り離し、
切り離した実の部分を一口大に切り分けて、フォークで口に運んでいるではないか。ははん、こうすればいいんだ、どうにか無事切り抜けたのでした。

今では品種改良も進んで、庶民でもデザートと言って食べられますが、こんな時代もあったのですよ。

披露宴の間、ひな壇にいたらい太は、まあ、そんな漫画が行われていたんかねと笑っていました。

わが家のメロン話、めでたしめでたし。