けさの「折々のことば」です。
鷲田さんの解説を読むと、ああ、そうなのかと言葉の使い方の難しさを思いました。言葉表現の究極ともいえる短歌・俳句の作者なのだから、さぞかし見事な表現で声をかけることができるだろうと思ったが、だからこそ言葉にならないのだとのほろ苦さなのですね。
素敵な言葉をと、選べば選ぶほど、型にはまった、心に届かない、きれいなだけの呼びかけになってしまうのでしょうか。言葉を発する人の、本当に誠意のこもった、飾らない、真心の言葉とはどうすれば出てくるのでしょうか。
考えれば考えるだけ見つからないのかもしれませんね。
新聞んを一枚めくります。
そこには「ひと」欄があります。今日は「ボートレーサーに転身した元プロ野球投手」と題して野田省吾さんが取り上げられていました。
残念なことに、私はこの方を知りません。(ごめんなさい)
西部を戦力外となり、現役復帰を目指してテストを受けていたとのこと。
日ハムの新庄剛志監督からの言葉が背中を押してくれたと言います。
その言葉・「好きなことで生きろ」。「勝負師であり続けたい」とファンだったボートレーサーの世界へ進んだ。
厳しい養成者生活。くじけそうな毎日。妻との週一度の電話、や手紙が支えた。
その時の奥さんの言葉。「やれるだけやればダメでもいいじゃない」
「好きなことで生きろ」「やれるだけやればダメでもいいじゃない」。どちらも誰でも口にできる、普通の言葉ではないか。ピッタリ彼の胸に響いたのは、真剣に自分の道を探っていた彼と、それを見守る人の気持ちの通いであったのだろう。