しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

時をかけるチャイ!

2012-08-16 19:14:00 | 日記
今日は母が行きたいと言っていた林原美術館の「平家物語絵巻の世界」を一緒にみにいく。
最初はうーん、、、、県立美術館でやっているシャガール展の方がいいかなあと思いつつ。
林原美術館は後楽園や岡山城の近く、とても風光明媚な場所にある。
建物も古い。(以下、ネットより抜粋)

岡山藩の支藩・生坂藩(岡山新田藩)の武家屋敷の長屋門などの建物が移築されて
旧藩主池田家の事務所として利用されていたものが、
1945年の岡山空襲により長屋門と土蔵を残して焼失して、
焼け残った長屋門は美術館入口として、土蔵は展示室として保存・活用された、

という。まあ、とにかく情緒ある建物。

空いてるんだろうな、と思っていたら全くその予想に反して、混んでいた。
岡山では大々的に報道されたそうである。小学生~お年寄りまで大勢来ていた。
横浜美術館と同じで、中学生らしき子どもたちが美術館レポートの内容を探しに来ていて、
熱心に手元の用紙にたくさんの文字を書いていた。面白さを感じられているかな。。。

350年前に描かれたこの平清盛を中心とした平家物語絵巻全36巻のうち、約半分が展示されていた。
前期と後期で作品が入れ替わるようなので、今回みたのは前半のもの。
また、平家物語をモチーフにした能面や装飾品なども少し。
小学生も来ていたけど、一枚一枚熱心に見ていた。
というのは、解説も大人用のちょっと難しい解説と、
小・中学生でもわかるような平易な解説が2種類置いてあるから。
まるで絵本のような感覚で読める。

というかむしろ、吹き出しのないマンガみたいだった。
だって、雲とか建物のしきりがマンガの枠のような役割を果たしていて、
1枚の紙の中に時間差のある4シーンぐらいが右側から左側にかけて流れていくのだから。


それにしても、NHKの大河ドラマでやっていたとはいえ、ものすごいにぎわいだった。
物語自体が「魅せる」ものだったから、私も熱中してしまった。
800年前の、平家の栄枯盛衰の悲劇のドラマ。
絵がものすごく細かくて色美しくて、
顔を近づけすぎてガラスケースに入っているのを忘れてごちーんとやりそうになった。

たくさんの人間が描かれているのに、一人ひとりの表情まで生き生きと、全部異なる。
鮮やかな人間ドラマだった。これはすごい。。。。


感動しつつ母と岡山の街をそぞろ歩いた。
喫茶店が軒並みお盆休みだったので、仕方なく車で帰路につく。
母が思い出したように、
「昔行ってたチャイのお店に行ってみる?」というので、行ってみる。
うっすらとしか記憶にはなかった。

母いわく、小学校入学前の私がそこのチャイを飲んで、
「世の中にこんなに美味しいものがあったの!」と言って感動してたという。
・・・そういわれると、なんとなく覚えている気もした。

その同じチャイを飲んでみた。33年ぶりである。
・・・・美味しかった!素朴な味。
横浜でもときたま飲んでみるけど、あんまり美味しいと思ったことがなかった。
ここの店が私のチャイに対する味覚のスタンダードなんだろうな。
三つ子の魂百まで。

美味しい!というと、母が昔と同じね、と笑っていた。
どちらも33年も歳をとったのに、33年前と同じもので感動してるのが妙な感じがした。
ついてにターメリックの色のお米のインド式の野菜カレーも食べた。
辛くないのに、汗をかいた。たくさん香辛料が使われている本格派だった。



いろんな意味で、今、ふつふつと幸せである。
隣で父がパンツ一丁でご飯食べているのは気にしない気にしない!

仕事しないと、バチがあたるわ!
























盆休みのラフスケッチ

2012-08-16 00:12:37 | 日記
研修が終わって、急いで18時台の新幹線に。
研修、参加者は7人だった。お盆だから仕方ない。
けど、今日の研修はものすごく面白かった!
参加しなかった人、損したよ・・・(小声)。

そして実家なう。落ち着く。
買って来たお土産の“ひよこ“(まんじゅうじゃなくて、ゼリーなのだ!)が好評だった。
妹に買って来た岐阜土産のぬいぐるみでひとしきり盛り上がったし。
(かたち的に面白いから。。。)

父と母、妹と私の4人で、テーブルを囲んでコーヒーを飲んでいる。
4人でこんなに穏やかに話せるなんて・・・。
家族なんて、と思いながら家を出たのはもう20年ほども前になるのか。

父と母は教員を退職した後も教育業界に身を置いているから、
自然に『職員室』的会話に。ああ、ミニ職員室だ・・・。

母はつい最近、滋賀県大津市であった国語の研究会に参加したという。
大津市と言えば、という話題から、あのいじめの報道があった後、
父が今勤めている教育関連機関には、
激しいいじめにあっているという子どもたちや、
その保護者から毎日多くのSOSの電話が来ているという話に。

・・・父も母も、教育者としてまだまだ第一線だ。
このくらいの世代の人の真面目さや熱心さは、日本に必要だと思う。
自分たちの世代が背負っていくには、まだまだひよっこすぎる気が、どうもする。


そんな話をしている中、妹は生あくびをしながら、隣でかごバッグを編んでいる。

妹は生まれつき、脳の血管が細い。無理ができない。
最近、仕事が忙しくなってきたらしく、
今日は「目の前にチラチラ光った虫みたいなものがいっぱい見えた。」
と言っている。
早く寝た方がいいって・・・。

妹の職場は素敵で、造形作家さんが度々ワークショップを行っているという。
ちょうど私も興味ある、ガラスの切り絵フュージングのWSが先月行われていたらしい!!
勤務の時にぶつかることが多くて参加はまだしたことがないと妹は言っているけど、
とてももったいない。

明日は妹が録画してたオリンピックの開会式をフルで見せてもらうことにする。(←遅い・・。)

そんな話をしながら、家人たちはもう眠りにつく準備をしている。
私は一人の時間がしばらくないと寝られないから、いつものように文章を書いている。
帰省してほっとすると同時に、
自分のそういう、孤独に慣れてしまっているところにも気づいてはっとする。
久々のテレビの音が耳につく。

のんびりしようと思っているけど、いろいろ頭によぎる。
父母の老後のこと、妹のこと、自分の仕事のこと。
私がもっとしっかりしなきゃと思う。
長男的なこの思いが、自分には少し重たい。




広い居間、暗い夜、田舎は好きだけど、
完全にのんびりとできない自分がいて、
おじいちゃん、おばあちゃん、やっとこさただいま、と空の仏壇に手を合わせる、
送り火の晩のラフスケッチです。