すっかり秋めいてしまって、今年は夏が過ぎ去ってしまう言い知れない淋しさや寒くなることの拒否感を感じることが格段に少なかったように思う。
それはそれでいいことだなあと思う。
変えられないものやどうしようもないことに対しての憂いや怒りは消化も昇華もされなくて、だとしたらそういうものは感じずに済ませたい。
随分と若い子とランチをした。
今の私は随分と偉そうな物言いをするものだから、偉そうにしたいわけでも何かを悟っていると主張したいわけでもないと自分の発言を自分で聞きながら行き過ぎを戻したりする。
自分が21歳のときのことなんて、私は考え方も感じ方も人生観についても、思い出してもあまり参考にならないしもはや正しく思い出せもしない。
かと言って悩める21歳の若い子に、脱皮の最中の私が偏り過ぎた意見も言えまい。
恥ずかしそうに「DIR EN GREYなんですよ」と若い子は言った。
「ちょっと前までバンド組んで、コピーしてボーカルやってたんです」
私はDIR EN GREYについてはヘビメタビジュアル系のイメージしかないし歌声や音も思い浮かばないけれど、それが心を鷲掴みにするものなのであれば、それはその若い子にとって芯であり真だ。
誰の見方も関係ない、だから恥ずかしいことなんて一つもない。
と、こういう話をするとついまた相手に言っているのか自分に言っているのかもわからず行き過ぎてしまって、ふと我に返ると、身体が驚くほど火照っているのをよく感じる。
「久しぶりにロックな話ができて嬉しかったです」
誰の見方も関係ない、それは確かなことだけれどやっぱり誰かが理解を示してくれるということは嬉しい。
誰かが一緒にそう思ってくれたらもっと嬉しい。
誰かが同じ興奮を持っていたらもっともっと嬉しい。
何が好きだっていい。
何が響いたっていい。
それが表出されたのが新しくても古くても、今も昔も有名でも無名でも。
自分にとってはそれを知ったときが最も旬で最も新鮮、有名無名なんて所詮他人の評価以外の何物でもない。
身体がびくんと反応するくらいの、あるいは身体が感動で固まってしまうくらいの、そんな体験がたくさん積み重なれば、私は私に生まれて良かったと思える気がする。
この身体でなかったら体験できなかったあれこれ。
確かな労力を、確かな負荷でかけながら。
それはそれでいいことだなあと思う。
変えられないものやどうしようもないことに対しての憂いや怒りは消化も昇華もされなくて、だとしたらそういうものは感じずに済ませたい。
随分と若い子とランチをした。
今の私は随分と偉そうな物言いをするものだから、偉そうにしたいわけでも何かを悟っていると主張したいわけでもないと自分の発言を自分で聞きながら行き過ぎを戻したりする。
自分が21歳のときのことなんて、私は考え方も感じ方も人生観についても、思い出してもあまり参考にならないしもはや正しく思い出せもしない。
かと言って悩める21歳の若い子に、脱皮の最中の私が偏り過ぎた意見も言えまい。
恥ずかしそうに「DIR EN GREYなんですよ」と若い子は言った。
「ちょっと前までバンド組んで、コピーしてボーカルやってたんです」
私はDIR EN GREYについてはヘビメタビジュアル系のイメージしかないし歌声や音も思い浮かばないけれど、それが心を鷲掴みにするものなのであれば、それはその若い子にとって芯であり真だ。
誰の見方も関係ない、だから恥ずかしいことなんて一つもない。
と、こういう話をするとついまた相手に言っているのか自分に言っているのかもわからず行き過ぎてしまって、ふと我に返ると、身体が驚くほど火照っているのをよく感じる。
「久しぶりにロックな話ができて嬉しかったです」
誰の見方も関係ない、それは確かなことだけれどやっぱり誰かが理解を示してくれるということは嬉しい。
誰かが一緒にそう思ってくれたらもっと嬉しい。
誰かが同じ興奮を持っていたらもっともっと嬉しい。
何が好きだっていい。
何が響いたっていい。
それが表出されたのが新しくても古くても、今も昔も有名でも無名でも。
自分にとってはそれを知ったときが最も旬で最も新鮮、有名無名なんて所詮他人の評価以外の何物でもない。
身体がびくんと反応するくらいの、あるいは身体が感動で固まってしまうくらいの、そんな体験がたくさん積み重なれば、私は私に生まれて良かったと思える気がする。
この身体でなかったら体験できなかったあれこれ。
確かな労力を、確かな負荷でかけながら。
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