京都駅の階段で足を滑らせ、1,2段正座のような状態で転げた。
「キャッッ」と自分でも似つかわしくないと思うような悲鳴を上げて、ほんの一瞬宙に舞った。
寸分の間もなく、ノースリーブの私の腕を温かい手が触れた。
「だいじょぶ?」と片言の声が聞こえて、「すみません、大丈夫です」と振り返ると、タイ人らしき肌のこんがりした若い男性がいた。
正座の私をすくい上げ、タイ人らしき若者は去って行った。
ヒヤッとした後の混乱した頭で、「ありがとうございました」と言った声は届いたのだろうか。
全然大事には至らなかったけれど、足の甲が少し腫れている。
軽い捻挫だろう。
大きなユーカリの葉っぱが重すぎて、不意に触れたら花瓶がグワンとバランスを崩して倒れ、弾けた。
「うわー」という大きな声が出た。
ソファーや墨池に水が掛からなくてあぁ良かった。
あぁ良かったと思ったのはもう一点あって、比較的よく使う花瓶が割れてくれたこと。
最初は「大事な花瓶が!!」と思ったのだけれど。
こうでもならなければ失くせない、そんな風に思った。
考え物の精神性だ。
いもうとがふたり目を産気づいているらしい。
初めて姪が産まれた三年前、私は産気づいたと聞いて、会社の外に出てうろうろした。
今はそんなことはない。
がんばれ、と念は送る。
なんだかいろいろあったような、何も変わらないような、そして何かが分かったような、だからと言って何でもないような。
床に横たわって瞑想する用の布を買った。
瞑想というほどのものでもないけれど、これをするなら溶けそうなくらいに暑い方がいい。
夏が行ってしまう淋しさは、きちんと私のものだろうか。
似ていることや共感はある種の嬉しさを産む。
最大級のそれが欲しいかもしれない。
しかし、それよりももっと、ただそれだけのもの、の方が欲しい。
今日の書は、お名前の漢字一字をLINEなどのアイコンにしたいと依頼されて書いたもの。
その方は、左上が一番自分らしい感じがします、と言っていた。
ミントが、きれい。
姉になるその日に姉にサマードレス

「キャッッ」と自分でも似つかわしくないと思うような悲鳴を上げて、ほんの一瞬宙に舞った。
寸分の間もなく、ノースリーブの私の腕を温かい手が触れた。
「だいじょぶ?」と片言の声が聞こえて、「すみません、大丈夫です」と振り返ると、タイ人らしき肌のこんがりした若い男性がいた。
正座の私をすくい上げ、タイ人らしき若者は去って行った。
ヒヤッとした後の混乱した頭で、「ありがとうございました」と言った声は届いたのだろうか。
全然大事には至らなかったけれど、足の甲が少し腫れている。
軽い捻挫だろう。
大きなユーカリの葉っぱが重すぎて、不意に触れたら花瓶がグワンとバランスを崩して倒れ、弾けた。
「うわー」という大きな声が出た。
ソファーや墨池に水が掛からなくてあぁ良かった。
あぁ良かったと思ったのはもう一点あって、比較的よく使う花瓶が割れてくれたこと。
最初は「大事な花瓶が!!」と思ったのだけれど。
こうでもならなければ失くせない、そんな風に思った。
考え物の精神性だ。
いもうとがふたり目を産気づいているらしい。
初めて姪が産まれた三年前、私は産気づいたと聞いて、会社の外に出てうろうろした。
今はそんなことはない。
がんばれ、と念は送る。
なんだかいろいろあったような、何も変わらないような、そして何かが分かったような、だからと言って何でもないような。
床に横たわって瞑想する用の布を買った。
瞑想というほどのものでもないけれど、これをするなら溶けそうなくらいに暑い方がいい。
夏が行ってしまう淋しさは、きちんと私のものだろうか。
似ていることや共感はある種の嬉しさを産む。
最大級のそれが欲しいかもしれない。
しかし、それよりももっと、ただそれだけのもの、の方が欲しい。
今日の書は、お名前の漢字一字をLINEなどのアイコンにしたいと依頼されて書いたもの。
その方は、左上が一番自分らしい感じがします、と言っていた。
ミントが、きれい。
姉になるその日に姉にサマードレス

