パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

POSTING_№30

2008年05月25日 | 平和憲法
 立川反戦ビラ弾圧救援会ニュース
 『POSTING』(№30 2008/5/8)


  最高裁が最低の判決
 「表現の自由」規制の根拠を具体的に示さず

●4月11日最高裁は最低の判決を出した

 4月11日、最高裁第2小法廷は、「最低」の判決を出した。立川反戦ビラ入れ裁判の上告棄却。つまり高裁罰金有罪判決の「確定」である。
 当日は、48席の傍聴席に100人以上の傍聴希望者が並んだ。三名の被告は法廷には入れず、なぜか傍聴席に椅子が!当事者も柵の外に追い出すなんて、全く変な裁判所である。

●わずか二分、完全な「欠陥判決」
 やけに天井の高い豪華な法廷に、三人の裁判官が入ってくる。判決読み上げ。緊張の一瞬だ。
 ところが読み上げの時間はわずかに二分。今井功裁判長は、「官舎の管理者(防衛庁)がダメと言ってんだから有罪」という中身の無さすぎる判決を堂々と披露した(2面参照)。それで「最高」名乗ってんのか!恥を知れ、恥を!こんなもの書くのに二年もかけるな!

 =====不当判決認めないキャンペーン START=====

 救援会は、このあまりに中身のない判決を「認めないキャンペーン」を始めました。
 たくさんの人が「認めない」の声をあげれば、判決は誰からも相手にされず、「そんな判決あったっけ?」「あの判決は、確か違ったでしょ」となるはずです。まずは、同封の「不当判決認めない宣言」に、ぜひご賛同ください!
 もう一頑張りお付き合いください!


●不当判決を認めないキャンペーン
 第1弾 4・19立川集会デモ⇒終了
 第2弾 「不当判決を認めない宣言」

 ※誰でも賛同できる宣言運動です!氏名の公開可能な方の名前は救援会ホームページで公開しています。同封の用紙に書いて、送ってください!メール・FAXでも送れます。
 http://www011.upp.so-net.ne.jp/tachikawatent/index.htm
 第3弾(予告)横浜事件と反戦ビラ弾圧をつなぐ集会
 ※夏に向けて計画中!


■最高裁判決の要旨と批判■

 2008年4月11日に出された最高裁判決(第2小法廷:今井功裁判長、津野修裁判官、中川了滋裁判官)は、A4わずか10ページという高裁判決以下の内容のものであった。あまりに内容がないので紹介するのも難しいが、ポイントと批判をあげてみる。

(1)「事実認定」について⇒「書かれなかった事実」がある!
 本判決の8割を占めるのが事実認定であり、おおむね高裁判決で示された内容をよりシンプルにしたものとなっている。
 ここで注目しなければならないのは、最高裁に舞台をうつしてから私たちが新たに提出した証拠が、一切無視されていることである。
 弁護団は上告趣意書補充書の中で、官舎の管理業務者が警察に被害届けをだした過程で、陸士自衛隊情報保全隊と公安警察による誘導があったことを主張した。
 被害届けの提出過程は、一審で検察側証人として出廷した自衛官が、「警察が作成した被害届けに印鑑をおしただけ」と自ら証言しているとおり、この弾圧が警察主導のものであることを証明する重大な事実である。
 にもかかわらず最高裁判決では、警察の暗躍を一切無視し、「立川宿舎の管理業務に携わっていた者により管理者の意を受けて警察に住居侵入の被害届が提出された」とだけある。

(2)法益侵害被害の程度について⇒根拠ぱ「被害届」だけ!
 高裁判決では、ポスティングによって官舎の管理者(防衛庁(当時))の管理権が侵害されたというのが、有罪の最大の理由であった。最高裁においても、同様の理由である。
 弁護団は、テント村のポスティング行為の詳細を述べて、罰するほどの「法益侵害」や「被害」が生じたとはいえない、と主張した。
 しかし、最高裁判決では「管理者から被害届が提出されていることなどに照らすと、法益侵害の程度が極めて軽微なものであるとはいうことはできない」と断じた。ここでも判断の根拠となっているのは、管理者である国の意思のみであり、被害届のみである。

(3)表現の自由の規制について⇒具体的な理由なし!
 最高裁判決では、ポスティングを「表現の自由の行使である」としている。その上で、「憲法21条1項も表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものである」として、有罪を宣告している。
 しかし、表現の自由を規制する際には、ここで書かれている「公共の福祉のため必要かつ合理的な制限の理由を厳格に、具体的に記述することが求められるのが通説である。最高裁判決には、「被害届」にしかその理由が存在しない。

(4)防衛庁の管理権について⇒住民の自衛官は関係なし!
 最高裁判決は、官舎について「防衛庁の職員及びその家族が私的生活を営む場所である集合住宅の共用部分及びその敷地であり、自衛隊・防衛庁当局がそのような場所として管理していたもの」としている。その上で「一般に人が自由に出入りすることのできる場所ではない」としている。同官舎は実際には道路に面した集合住宅であり、敷地内を通行していた一般人も多かったのが現実である。
 また最高裁は「そこで私的生活を営む者の私生活の平穏を侵害するものと言わざるを得ない」としているが、当の住人の中にはアンケートで示された「犯罪とは思わない」という人も存在していることを最高裁は意図的に無視している。
 最高裁判決は、自衛隊・防衛庁の意思のみを問題とし、そこに住む住民=自衛官の意思を極力判決に反映させないような処置をとっている。

最高裁の最低な判決に 批判続出

●「不当判決を認めない宣言」はやくも800人超が宣言者に!

 1面で紹介した「不当判決を認めない宣言」は、早くも800人を超える方が宣言に名を連ねていただきました。あなたもぜひ宣言に名を連ねてください。同封の用紙でお願いします!宣言者一覧は、救援会のWEBサイトで順次公開しています。

●「法学者声明」150人の法学者が判決を批判!
 148人の法学者が連名で発表した「立川反戦ビラ事件最高裁判決を批判する法学者声明」が4月22日に発表されました。全文を同封いたします。
 判決の問題点を分かりやすく批判した内容です。ぜひご一読ください。
 http://www011.upp.so-net.ne.jp/tachikawatent/hougaku.html

●マスコミもほとんど判決に批判的
 朝日新聞(4/12社説)「度を超した捜査や起訴をそのまま追認した最高裁には、失望」
 読売新聞(4/12社会面)「言論抑圧への危険を認識し、刑事罰の適用には慎重であるべき」
 毎日新聞(4/12・1面)「商業ビラの配布が問題にされないのに、3人を摘発した疑問のこる」
 東京新聞(4/12社説)「これでは政治について声を上げ、伝達することすらためらいが生ずる」
他、京都新聞(社説4/17)、神戸新聞(社説4/13)、北海道新距(社説4/12)、新潟日報(社説4/12)、信濃毎日新聞(社説4/12)、高知新聞(社説4/12)、神奈川新聞(社説4/12)、西日本新聞(社説4/12)などで判決が批判されています。

●アムネスティ。インターナショナル日本も「懸念」を表明
 アムネスティ・インターナショナル日本は、判決当日に声明を発表して、最高裁判決に「懸念」を表明しています。
 声明では、「政府と異なる意見を表明する自由を確保することこそが、国際人権諸基準および憲法が規定する、表現の自由の本質である。…今回の判決は、政府と異なる意見に対する弾圧そのものであり、有罪判決それ自体が、国際人権基準に対する重大な挑戦である。」と、日本の司法が国際人権基準を全く理解していないことを説得的に表明しています。

立川反戦ビラ弾圧救援会ニュース
◆立川市富士見町2-12-10-504◆042-525-9036(tel&fax)
◆tachikawa227q@yahoo.co.jp(mail)
http://wwwO11.upp.so-net.ne.jp/tachikawatent/index.htm(web)
カンパ振込先:郵便口座 00180-6-685103(口座名「立川反戦ビラ弾圧救援会」)

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