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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明

2015年05月30日 | 平和憲法
 ◆ 日本の歴史団体、「慰安婦問題の歪曲中断」共同声明発表
   …韓国外交部「誠意ある対応期待」
(WoW!Korea)


 「歴史学研究会」など日本国内の16の歴史団体が25日午後、東京で慰安婦問題に対する日本政府の歪曲中断を求める共同声明を発表した。
 団体は「慰安婦問題に関して日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明」で、「日本軍が慰安婦の強制連行に深く関与し、実行したことは揺るぎない事実だ」とし、「日本政府と一部マスコミの慰安婦問題に関する不当な見解を批判する」と主張した。
 続けて「朝日新聞の記事の取り消しをきっかけに、一部政治家やマスコミが従軍慰安婦の強制連行の根拠をなくしたような言動を見せていた」とし、「記事の取り消しが、河野談話の根拠を覆すことはない」と指摘した。
 朝日新聞は昨年8月に、太平洋戦争当時、山口県にて動員部長だった吉田氏の証言をもとに済州(チェジュ)島から200名ほどの韓国人女性を慰安婦として強制動員させたという内容の記事を報道した後、取り消していた。
 また団体は「河野談話は吉田証言を根拠として作成されたのではない」とし、「安倍総理の認識は慰安婦の強制連行に対して日本軍の関与を認めた河野談話を継承するという政府の方針とは矛盾する」と強調した。
 さらに「日本軍が関与した慰安婦強制連行の事例については、資料に即した研究が幅広く行われてきた」とし、「強制連行は単純に強制的に連れて行かれた事例に確定されてはならず、甘言及び詐欺、強迫、人身売買を動員した本人の意志に反する連行事例も含めて強制連行とみなさなければならない」と規定した。
 続けて「最近の歴史研究においては動員過程の強制性だけでなく、動員された後の居住、外出、廃業に対する自由もなく、性の相手を拒否する自由もない、まさに“性奴隷”状態に置かれていた点が明らかになった。慰安婦動員過程の強制性も問題だが、性奴隷として人権を侵害された事実が問題だという点が、繰り返し強調されなければならない」と指摘した。
 今回の声明に参加した計16の団体のうち、声明発表を主導した「歴史学研究会」は、規模と知名度を基準に歴史団体上位5つに入る会員数2200名にのぼる。
 歴史学研究会の久保亨委員長は、今回の共同声明に日本の歴史学者らの総意をもりこむため、半年近くの時間をかけて準備したという。また共同声明には、日本国内の多数の歴史学関係者が一致した見解を盛り込んでいると見られ、今後も日本政府にどのような影響を与えるのか、韓国でも注目されている。
 韓国外交部当局者は「安倍総理をはじめとした日本政府関係者は、慰安婦に関する議論をするときに『歴史家に任せなければならない』と繰り返して主張してきた。日本政府が今回の声明で歴史家の見解を直視して、協議での誠意ある対応を期待する」と明らかにした。
『WoW!Korea』(5月25日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150525-00000047-wow-int
◎ 「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明

 『朝日新聞』による2014年8月の記事取り消しを契機として、日本軍「慰安婦」強制連行の事実が根拠を失ったかのような言動が、一部の政治家やメディアの間に見られる。われわれ日本の歴史学会・歴史教育者団体は、こうした不当な見解に対して、以下の3つの問題を指摘する。
 第一に、日本軍が「慰安婦」の強制連行に関与したことを認めた日本政府の見解表明(河野談話)は、当該記事やそのもととなった吉田清治による証言を根拠になされたものではない。したがって、記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない。強制連行された「慰安婦」の存在は、これまでに多くの史料と研究によって実証されてきた。強制連行は、たんに強引に連れ去る事例(インドネシア・スマラン、中国・山西省で確認、朝鮮半島にも多くの証言が存在)に限定されるべきではなく、本人の意思に反した連行の事例(朝鮮半島をはじめ広域で確認)も含むものと理解されるべきである。
 第二に、「慰安婦」とされた女性は、性奴隷として筆舌に尽くしがたい暴力を受けた。近年の歴史研究は、動員過程の強制性のみならず、動員された女性たちが、人権を蹂躙された性奴隷の状態に置かれていたことを明らかにしている。さらに、「慰安婦」制度と日常的な植民地支配・差別構造との連関も指摘されている。たとえ性売買の契約があったとしても、その背後には不平等で不公正な構造が存在したのであり、かかる政治的・社会的背景を捨象することは、問題の全体像から目を背けることに他ならない。
 第三に、一部マスメディアによる、「誤報」をことさらに強調した報道によって、「慰安婦」問題と関わる大学教員とその所属機関に、辞職や講義の中止を求める脅迫などの不当な攻撃が及んでいる。これは学問の自由に対する侵害であり、断じて認めるわけにはいかない。
 日本軍「慰安婦」問題に関し、事実から目をそらす無責任な態度を一部の政治家やメディアがとり続けるならば、それは日本が人権を尊重しないことを国際的に発信するに等しい。また、こうした態度が、過酷な被害に遭った日本軍性奴隷制度の被害者の尊厳を、さらに蹂躙することになる。今求められているのは、河野談話にもある、歴史研究・教育をとおして、かかる問題を記憶にとどめ、過ちをくり返さない姿勢である。
 当該政治家やメディアに対し、過去の加害の事実、およびその被害者と真摯に向き合うことを、あらためて求める。
 2015年5月25日
歴史学関係16団体
日本歴史学協会
大阪歴史学会
九州歴史科学研究会
専修大学歴史学会
総合女性史学会
朝鮮史研究会幹事会
東京学芸大学史学会
東京歴史科学研究会
名古屋歴史科学研究会
日本史研究会
日本史攷究会
日本思想史研究会(京都)
福島大学史学会
歴史科学協議会
歴史学研究会
歴史教育者協議会
 <英語版>
http://www.torekiken.org/trk/blog/oshirase/20150525e.html
『東京歴史科学研究会HP』
http://www.torekiken.org/trk/blog/oshirase/20150525.html
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