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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都教委は「古賀都議」だとなんで恐れ入ったかのように対策を打ち出すのか?

2018年05月10日 | 暴走する都教委
  《尾形修一の紫陽花(あじさい)通信から》
 ◆ これからの性教育ー都教委と性教育問題③


 性教育問題を2回書いた。まだ論点は残っているけれど、それは指摘するだけにしておきたい。最大の問題は「なぜ性教育を攻撃するのか」である。
 都議会で質問されたというけど、君が代処分問題とか夜間定時制廃止問題などは、いくら都議会の質問があっても何も変化がない。都教委で議論もしない。
 なんで「古賀都議」だとおそれいったかのように対策を打ち出すのか
 僕が思うに、中学歴史教科書問題などを見ても、都教委と「右翼的都議一派」は「同志的関係」にあるんだろう。お互いに相通じているというか、特別の関係があるから、むげにはできない。質問があった以上、何か「お土産」を差し上げないといけない。
 そこが野党系都議の質問と違うところなんだとと思う。そして「性教育」「歴史修正主義」には共通点がある。生徒たちに「出来るだけ真実を教えたくない」という点で共通しているわけだ。
 それにしても、今回のように「保護者の理解」を持ち出していいのだろうか。
 授業はもともと保護者に公開され、授業内容は報知されていた。それでいいのではないか。
 もちろん性教育に限らず、保護者の協力と理解は学校運営に欠かせない。だけど、「授業内容」は学校が責任を持って進めていくべきものだ。保護者全員に指導案を事前に見せるなど、「授業の検閲」になってしまわないか
 事務的な負担も考えると、都教委はできないことを要求しているとしか思えない。

 そういった問題があると思うけど、それはもうやめて、「これからの性教育」について考えてみたい。
 僕が思うには、「思いがけない妊娠をしないためには、産み育てられる状況になるまで性交を避けること」という指導の方向性でいいのだろうか。
 20世紀の段階なら、マジメに中学、高校で学校生活を送っていれば、それなりの就職先や進学先に通じていた。高卒でも大卒でも、一生勤められる正社員になれるんだったら、それまでセックスは我慢せよも通じたかもしれない。
 でも今じゃ、高卒はもちろん、大学まで行っても、なかなか安定した正社員になれないことが多い。またなれたとしても、長時間労働や不安定な労働条件が付いて回る。
 「産み育てられる状況になれるまで」と言っても、低賃金で不安定な派遣社員だったりすれば、いくつになってもセックスは我慢しないといけないのか。それとも成人にさえなっていれば、以後は自己責任で「性交可」なんだろうか。
 その場合、「思いがけない妊娠」が怖いというなら、男の場合「フーゾク」に行くのはありなのか。何しろ健康な男子なら性欲があるのが自然なんだから、この問題は大問題だ。
 「思いがけない妊娠」は避けるべきだというのは誰しも反対できない。でも、この言い方でいいのかなと思うのには、二つの理由がある。
 一つは「妊娠しなきゃいいんでしょ」とイマドキの中学生ならすぐ反論してくるだろう。
 男女のカップルには妊娠があるけど、同性愛なら中高生がセックスしてもいいの?って言い返す生徒になんて答えるか? あるいは、手や口ならいいんじゃない、ぐらいは言ってくるんじゃないか。そして実際、セックスを強く迫る男子に対して、これでガマンしてと言ってる現状があるんじゃないかと思う。
 また、今じゃ「できちゃった婚」が多いのが現実だ。生徒の親にも、若いシングルマザーがかなりいる。「思いがけない妊娠」を学校が否定すると、生徒の自己否定になってしまう可能性もある。
 そして、僕が見てきた感じでは、10代で出産する場合も「思いがけない妊娠」ばかりではないと思う。むしろ「できちゃった婚」で、居場所がない家庭と学校からの脱出を目指す場合も多いんじゃないだろうか。確かに若いカップルの場合、離婚してシングルマザーになるケースもかなりあると思う。(あの二人別れたらしいよ、っていうニュースの方が伝わりやすいので、幸せにやってるカップルもいるんだは思うけど。)
 中学3年生はもうすぐ高校生になると、半数以上は電車通学をする。中学でも「学校選択制」があるから電車通学もあるし、高校でも近くの高校へ自転車で通う場合も多い。でもやっぱり区部の周辺部からだと、電車で都心の学校へ通学することが多い。そうなるとどうなるか?女子高生はすぐに「痴漢問題」が起きるのである。
 その一方で、進学校はともかく、それ以外だと夏休み頃には多くの生徒がアルバイトを始める。バイト先で先輩には言い寄られたりするが、それがなくてもお金が出来たことでオシャレ度が違ってくる。そういう段階がもうすぐ来るのである。
 そんな時に、どのような性教育が必要なのか
 「性の商品化」「性暴力」「セクシャルマイノリティ」などの観点が必須だろう。その中で、「人間の尊厳」という意味で、いじめや自殺防止なども含めたプログラムが必要だろう。
 もちろん性的に進んだ生徒ばかりではない。男女とも、容姿や体形、運動神経などにコンプレックスを持ち、異性に関心を持ちながらも声もかけられない生徒も多い。しかし、そういう場合こそ、風俗産業に引き寄せられやすい。
 授業で取り上げるにはハードルが高いけど、タテマエ論だけで性を論じられるじだいではない。もうすぐ生徒たちは「性産業」のターゲットになるんだという視点を抜きにして、これからの性教育は成り立たない。
『尾形修一の紫陽花(あじさい)通信』(2018年04月29日)
https://blog.goo.ne.jp/kurukuru2180/e/c8afac302a19314a9de4d1d356e7ecf4
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