☆ ILO・ユネスコ調査団の訪日(4/21~28)歓迎
~これを機に「人事考課」反対闘争の一層の強化を
いよいよ人事考課制度と「指導力不足教員」問題に関して、「ILO・ユネスコ共同専門家委員会」(※1)の事情調査団が来日し、4月21日から調査が行われようとしています。
人事考課制度が導入された2000年に、私たち5名は全国の教職員とともに、ジュネーブのILOやパリのユネスコ本部を訪問して、人事考課制度の問題点や高校現場の実情を報告し、今回訪日するILOの担当者ビノレ・ラットリー氏やユネスコの教員政策担当のハープラン氏らと意見交換を行ってきました。
このなかで、ラットリー氏は「(東京の人事考課について)正式なアリゲーションがあれば、私は全力で調査したい」。ハープラン氏は、事態を正常に戻すために「教員の地位に関する勧告」を、「武器として使って欲しい」と述べました。
9年目を迎える人事考課・業績評価は、ますます学校現場に”猛威”を振るい、教職員の尊厳を踏みにじり、「教育破壊」の一因となっています。
ようやく実現した調査団の訪日を大いに歓迎します。同時に、この機会に都高教が人事考課のこの8年の総決算を明らかにし、人事考課の抜本的見直し、撤廃をめざす運動を一層強化することを強く望むものです。
※1 略称:CEARTくセアート>。
ILO、ユネスコのそれぞれ6名の委員で構成された「教員の地位に関する勧告」の監視・促進機構。
各国の労働組合などからの「勧告」違反についての申立て(Allegathion:アリゲーション)を調査し、ILO理事会、ユネスコ執行委員会の承認を経て、各国政府、関係者に勧告などを行う。
チェコの教員賃金、イギリスの人事考課で勧告などが行われ、それぞれ一定の是正が実現している。
◎ ILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」と調査団の来日
1966年に「教員の地位に関する勧告」(※2)が採択され、その監視・促進機構である共同専門家委員会(CEART)が活動し、さまざまな成果をあげてきましたが、調査団を派遣するのは、世界で初めてのことです。
この種の調査団では、1965年のILOドライヤー委員会の訪日調査・勧告が有名です。
今回の調査団の来日は、02年6月の人事考課などについて全教が申し立て(アリゲーション)を行なったことに始まります。
CEARTは、東京都などの「人事考課制度」が1966年の「教員の地位勧告」に「抵触している」とし、二度(02年12月、06年1月)にわたって「勧告」をおこないました。ところが、文科省などが改善の努力を放棄しているため、調査団の派遣を決定したものです。
調査団の目的は、日本の人事考課の実情と66年の基本勧告やこれまでの勧告の遵守状況、勧告が実施されない原因がどこにあるかを調査、検証することにあります。
※2 ILO・ユネスコ勧告ともいう。
1966年フランスのパリでひらかれた特別政府間会議で日本政府も賛成し採択された。教員の専門性の尊重をはじめ労働条件の改善から教育活動における教職員組合の役割などを積極的に位置づけている。
◎ 都高教も関係団体として、積極的な対応を
調査団による文科省、全教、日教組、都教組など関係団体への事情聴取が行われる予定です。この機会を都高教も積極的に生かし、教職員の尊厳を傷つけている人事考課の実態を余すところなく、国際機関に明らかにすべきです。
都教委は、制度目的として「教職員の資質能力の向上」「学校組織の活性化」をあげてきましたが、現実の姿が全く異なっていることは、都高教がまとめてきた「黒書」に明らかです。
三回目の黒書「6年目を迎えた人事考課制度を考える(人事考課制度黒書皿)」(06年6月回答1960人)を見ると、人事考課で「学校運営・教育活動にマイナスの影響が出た」が86.5%(01年の第一回、75.5%03年第二回、83.O%)に達しています。
どういう点がマイナスかの答え(複数回答)で顕著なのは、「教職員の『士気』が減退したと思う」が74.1%(01年、64.6%03年、72.5%)、「のびのびとした雰囲気がなくなり、学校に活気がなくなったと思う」が74.5%(01年、66.4% 03年、69.1%)となっており、数値はすべて上昇しています。
◎ 全教職員組合の取り組みとして
43年前のドライヤー委員会の勧告は、日本の公務員労働者の団結権など労働基本権の確立に劇的な役割を果たしました。
調査団は、訪日後この秋にも再勧告を出すと思われます。組織の枠を超えて、日教組、全教、都高教、都教組が調査に対し積極的に取り組み、国際標準に照らして東京の人事考課制度が失格であることを明確にする絶好の機会です。
こうした取り組みに参加するなかで、人事考課制度の抜本見直し、撤廃に向けた闘いを一層発展させようではありませんか。
調査団についての集会などを予定しています。ご意見などをお寄せください。
~これを機に「人事考課」反対闘争の一層の強化を
いよいよ人事考課制度と「指導力不足教員」問題に関して、「ILO・ユネスコ共同専門家委員会」(※1)の事情調査団が来日し、4月21日から調査が行われようとしています。
人事考課制度が導入された2000年に、私たち5名は全国の教職員とともに、ジュネーブのILOやパリのユネスコ本部を訪問して、人事考課制度の問題点や高校現場の実情を報告し、今回訪日するILOの担当者ビノレ・ラットリー氏やユネスコの教員政策担当のハープラン氏らと意見交換を行ってきました。
このなかで、ラットリー氏は「(東京の人事考課について)正式なアリゲーションがあれば、私は全力で調査したい」。ハープラン氏は、事態を正常に戻すために「教員の地位に関する勧告」を、「武器として使って欲しい」と述べました。
9年目を迎える人事考課・業績評価は、ますます学校現場に”猛威”を振るい、教職員の尊厳を踏みにじり、「教育破壊」の一因となっています。
ようやく実現した調査団の訪日を大いに歓迎します。同時に、この機会に都高教が人事考課のこの8年の総決算を明らかにし、人事考課の抜本的見直し、撤廃をめざす運動を一層強化することを強く望むものです。
※1 略称:CEARTくセアート>。
ILO、ユネスコのそれぞれ6名の委員で構成された「教員の地位に関する勧告」の監視・促進機構。
各国の労働組合などからの「勧告」違反についての申立て(Allegathion:アリゲーション)を調査し、ILO理事会、ユネスコ執行委員会の承認を経て、各国政府、関係者に勧告などを行う。
チェコの教員賃金、イギリスの人事考課で勧告などが行われ、それぞれ一定の是正が実現している。
◎ ILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」と調査団の来日
1966年に「教員の地位に関する勧告」(※2)が採択され、その監視・促進機構である共同専門家委員会(CEART)が活動し、さまざまな成果をあげてきましたが、調査団を派遣するのは、世界で初めてのことです。
この種の調査団では、1965年のILOドライヤー委員会の訪日調査・勧告が有名です。
今回の調査団の来日は、02年6月の人事考課などについて全教が申し立て(アリゲーション)を行なったことに始まります。
CEARTは、東京都などの「人事考課制度」が1966年の「教員の地位勧告」に「抵触している」とし、二度(02年12月、06年1月)にわたって「勧告」をおこないました。ところが、文科省などが改善の努力を放棄しているため、調査団の派遣を決定したものです。
調査団の目的は、日本の人事考課の実情と66年の基本勧告やこれまでの勧告の遵守状況、勧告が実施されない原因がどこにあるかを調査、検証することにあります。
※2 ILO・ユネスコ勧告ともいう。
1966年フランスのパリでひらかれた特別政府間会議で日本政府も賛成し採択された。教員の専門性の尊重をはじめ労働条件の改善から教育活動における教職員組合の役割などを積極的に位置づけている。
《 是正勧告の内容 》
全教の申し立てを受けた02年12月の「第8回CEART勧告」で、以下の点を「教員の地位に関する勧告」に「抵触している」としました。
① 「人事考課制度」の導入に当たって、教職員組合との協議・交渉を欠いていた。(12項)
管理運営事項として、「聞き置く」にとどまり、強行されたのは、周知の事実です。
②勤務評定については、その客観性、公開性、透明性が欠如している。(31項)
主観的評価などを問題にしています。この時点では、評定結果の公開も苦情制度もありませんでした。
③「指導力不足教員」問題では、認定手続き、不服申し立てに適正手続きがない(18、20項)としています。
◎ 都高教も関係団体として、積極的な対応を
調査団による文科省、全教、日教組、都教組など関係団体への事情聴取が行われる予定です。この機会を都高教も積極的に生かし、教職員の尊厳を傷つけている人事考課の実態を余すところなく、国際機関に明らかにすべきです。
都教委は、制度目的として「教職員の資質能力の向上」「学校組織の活性化」をあげてきましたが、現実の姿が全く異なっていることは、都高教がまとめてきた「黒書」に明らかです。
三回目の黒書「6年目を迎えた人事考課制度を考える(人事考課制度黒書皿)」(06年6月回答1960人)を見ると、人事考課で「学校運営・教育活動にマイナスの影響が出た」が86.5%(01年の第一回、75.5%03年第二回、83.O%)に達しています。
どういう点がマイナスかの答え(複数回答)で顕著なのは、「教職員の『士気』が減退したと思う」が74.1%(01年、64.6%03年、72.5%)、「のびのびとした雰囲気がなくなり、学校に活気がなくなったと思う」が74.5%(01年、66.4% 03年、69.1%)となっており、数値はすべて上昇しています。
◎ 全教職員組合の取り組みとして
43年前のドライヤー委員会の勧告は、日本の公務員労働者の団結権など労働基本権の確立に劇的な役割を果たしました。
調査団は、訪日後この秋にも再勧告を出すと思われます。組織の枠を超えて、日教組、全教、都高教、都教組が調査に対し積極的に取り組み、国際標準に照らして東京の人事考課制度が失格であることを明確にする絶好の機会です。
こうした取り組みに参加するなかで、人事考課制度の抜本見直し、撤廃に向けた闘いを一層発展させようではありませんか。
調査団についての集会などを予定しています。ご意見などをお寄せください。
2008年4月
青木茂雄(元蒲田)大能清子(本所工定)小川博司(八潮全)小菅博史(葛西工)鈴木敏夫(日本橋)
青木茂雄(元蒲田)大能清子(本所工定)小川博司(八潮全)小菅博史(葛西工)鈴木敏夫(日本橋)
《 教員の地位に関する勧告 》
64項・教員の仕事を直接評価することが必要な場合には、その評価は客観的でなければならず、またその評価は当該教員に知らされなければならない。
・教員は、不当と思われる評価がなされた場合に、それに対して異議を申し立てる権利をもたなければならない。
124項・給与決定を目的としたいかなる勤務評定制度も、関係団体との事前協議およびその承認なしに採用し、あるいは適用されてはならない。
《 第8回共同専門家委員会勧告 》
22項 ……誰から見ても透明性の高い公正な運用制度を確立することにある。適切な構成員からなる独立した機関に審査を請求し、不服を申し立てることのできる実効的権利など、恣意に対する適切な防禦の保障はその一部である。(下線部は引用者)
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