◆増えるワーキングプア
年収200万円以下
ワーキングプアーという言葉は1990年代にアメリカで生まれた。「働いても働いても生活保護水準の暮らしから脱却できない人たち」のこと。
年収200万円以下の労働者で、05年統計によると世界で3700万人、日本では少なく見積もって546万860人、うち男性217万6580人、女性328万4280人。
01年に比べ男性は33万9730人、女性は23万6090人それぞれ増えている。小泉構造改革のもとで起きた現実だ。
ちなみに、生活保護は、1人世帯(男性45歳)の平均年収148万円、2人世帯(女性48歳、子ども12歳)で231万円で、全国106万6000世帯、150万1000人にのぼる。
◆『改革』=リストラを止めよう
ワーキングプアーを生んだ原因は、非正規労働者(パート、アルバイト、派遣、契約、嘱託)の増加が第一。その数は1663万人、15~34歳では600万人になる。
年収200万円以下は、パートの93・2%、アルバイトの87・3%、派遣の46・2%、契約・嘱託の42・4%。
たとえば派遣労働者の平均時給は94年に1704円だったが、06年には1327円にダウン。度重なる派遣法改正によって自由化が全業種に及ぶに従い、賃金は確実に低下した。今や、年収200万円どころか100万円以下の労働者が増えている。
ワーキングプアーは正規労働者をも蚕食している。正規の10人に1人が年収200万円以下の時代が到来している。
終身雇用と年功序列が崩壊し、45~59歳の中高年齢層の労働者400万人がその仲間入りした。原因は雇用調整という名のりストラだ。
200万円以下正規社員は01年には31万人だったが、これも小泉構造改革のもとで13倍と異常な増え方だ。転職の就職紹介件数が年々40%も増えている。
この年齢層の自殺者(05年)も3万2552人のうち1万2794人と全体の40%を記録している。
◆正社員化と最賃引き上げ
ワーキングプアー対策として、非正規の正規化と最低賃金め引上げの2つは欠かせない。
厚労省は来年の通常国会に提出予定の労働契約新法で正社員化促進規定を明記するはずだったが断念。雇用の調整弁として有期雇用は不可欠とする財界に押し切られた。
さらに、経済財政諮問会議は「労働ビッグバン」をぶち上げ、派遣期間3年の制限の撤廃と正社員の雇用・賃金の条件緩和を提言。その理由が「格差是正」とふるっている。
また、厚労省は最低賃金制度改善へ、これも来年の通常国会で最賃法改正案を提出し、地域別・産業別最低賃金を引き上げるという。だが、財界の抵抗は強く、ザル法とならないよう法令順守を監視徹底させるシステムが不可欠だ。
構造改革とは結局、「生産性向上を阻む制度的障害を除去し、日本経済を生産性の高い体質に改造すること」。生産性向上の決め手は労働コストの削減。闘う労働運動の復権が期待される。
『週刊新社会』(2006/12/26号)
年収200万円以下
ワーキングプアーという言葉は1990年代にアメリカで生まれた。「働いても働いても生活保護水準の暮らしから脱却できない人たち」のこと。
年収200万円以下の労働者で、05年統計によると世界で3700万人、日本では少なく見積もって546万860人、うち男性217万6580人、女性328万4280人。
01年に比べ男性は33万9730人、女性は23万6090人それぞれ増えている。小泉構造改革のもとで起きた現実だ。
ちなみに、生活保護は、1人世帯(男性45歳)の平均年収148万円、2人世帯(女性48歳、子ども12歳)で231万円で、全国106万6000世帯、150万1000人にのぼる。
◆『改革』=リストラを止めよう
ワーキングプアーを生んだ原因は、非正規労働者(パート、アルバイト、派遣、契約、嘱託)の増加が第一。その数は1663万人、15~34歳では600万人になる。
年収200万円以下は、パートの93・2%、アルバイトの87・3%、派遣の46・2%、契約・嘱託の42・4%。
たとえば派遣労働者の平均時給は94年に1704円だったが、06年には1327円にダウン。度重なる派遣法改正によって自由化が全業種に及ぶに従い、賃金は確実に低下した。今や、年収200万円どころか100万円以下の労働者が増えている。
ワーキングプアーは正規労働者をも蚕食している。正規の10人に1人が年収200万円以下の時代が到来している。
終身雇用と年功序列が崩壊し、45~59歳の中高年齢層の労働者400万人がその仲間入りした。原因は雇用調整という名のりストラだ。
200万円以下正規社員は01年には31万人だったが、これも小泉構造改革のもとで13倍と異常な増え方だ。転職の就職紹介件数が年々40%も増えている。
この年齢層の自殺者(05年)も3万2552人のうち1万2794人と全体の40%を記録している。
◆正社員化と最賃引き上げ
ワーキングプアー対策として、非正規の正規化と最低賃金め引上げの2つは欠かせない。
厚労省は来年の通常国会に提出予定の労働契約新法で正社員化促進規定を明記するはずだったが断念。雇用の調整弁として有期雇用は不可欠とする財界に押し切られた。
さらに、経済財政諮問会議は「労働ビッグバン」をぶち上げ、派遣期間3年の制限の撤廃と正社員の雇用・賃金の条件緩和を提言。その理由が「格差是正」とふるっている。
また、厚労省は最低賃金制度改善へ、これも来年の通常国会で最賃法改正案を提出し、地域別・産業別最低賃金を引き上げるという。だが、財界の抵抗は強く、ザル法とならないよう法令順守を監視徹底させるシステムが不可欠だ。
構造改革とは結局、「生産性向上を阻む制度的障害を除去し、日本経済を生産性の高い体質に改造すること」。生産性向上の決め手は労働コストの削減。闘う労働運動の復権が期待される。
『週刊新社会』(2006/12/26号)
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