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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「学校に言論の自由を!」裁判 控訴審第三回(証人尋問)報告<その1>

2012年09月19日 | 暴走する都教委
 9月11日、第三回控訴審口頭弁論(東京高裁)で、土肥先生側の証人は、都教委の主張を全面否定。
 (都教委の主張
  ①土肥校長は定時制の職員会議で名前を呼んで個別的職務命令を出した。
  ②土肥校長は日常の教職員とのコミュニケーションが悪く、教職員の意向を把握していないため、職員会議で意向を確認することを主張している。
  ③土肥校長の業績はオール「C」で、非常勤教員試験受験者790人中790番である、等)
 ■ 9月11日(控訴審)証人尋問 証人は都教委の主張を全面否定!!
 2012年9月11日火曜日2時半より、東京高等裁判所第511号法廷(市村陽典裁判長)にて、土肥先生の「学校に言論の自由を!」控訴審第三回口頭弁論で証人尋問が行われました。当日は、9月とはいえまだまだ暑い中、60名近い方々が支援の傍聴においでくださり、傍聴席42席は今回も満席となりました。
 今回は、土肥先生側から、早稲田大学の西原先生の書いてくださった鑑定意見書と、都の主張(準備書面)に対する土肥先生側の反論をまとめた準備書面が提出されたあと、土肥先生側の証人として、三鷹高校定時制の元教員で、今も都立高校の非常勤教員をつとめておられる先生が、貴重な、勇気ある証言をしてくださいました。
 以下、その概略を、問答の様子も含めて、ごく簡単に、ご報告いたします。

 1.主尋問(土肥先生側の高橋弁護士からの質問に答えての証言の内容)

 ○個別的職務命令の発出の有無について
 まず、高橋弁護士が、土肥校長は、着任初年度の平成18年3月と翌年の平成19年3月の三鷹高校定時制の卒業式においては、口頭と文書の両方で君が代の起立斉唱に関する職務命令を発出したこと、これに対して本訴訟で問題となっている平成20年3月の卒業式では、口頭だけであったことを証人に確認しました。
高橋弁護士:その際、個々の教職員に対して個別に職務命令書を読み上げたり、個人名を挙げたことは?
証人:いっさいありませんでした

高橋弁護士:平成20年3月当時「個別的職務命令」という言葉の意味をどのように認識していましたか?
証人:個別的に各教職員ごとに文書で配布される職務命令だと認識していました。

高橋弁護士:証人は、その当時「包括的職務命令」という言葉の意味をどのように認識していましたか?
証人:校長が教職員全体に対して口頭で話をする職務命令だと認識していました。

高橋弁護士:この訴訟において、被控訴人の東京都は、個人名を挙げて口頭で発出する職務命令も「個別的職務命令」であると主張しているのですが、これは、平成20年3月当時の教職員一般の認識とは全然違っていますか?
証人:まるっきり違います

 証人は、この件についてさらに、着任後3年を経て、土肥先生との信頼関係の積み重ねがあったので、職務命令は口頭で言われるだけで十分であったこと、事前の土肥先生による起立の意思確認に対しても日ごろからの信頼関係があったのでプレッシャーは感じなかったこと、文書で個別的職務命令を出されると、「まず不起立ありき」で、教員は信頼されていないように感じて不愉快なこと、などを高橋弁護士の問いに答えつつ証言してくださいました。
 ○米長教育委員の来校について
 平成18年10月26日の職員会議の冒頭で、前日の25日に都教委に言われたとして、土肥先生が米長氏が三鷹高校に来るという話をされたこと、そのときの校長は、いつもはニコニコしているのに、血相を変え青筋を立てて話をしていたこと、そのためすぐに来るという印象を受けたことを証言してくださいました。
 ○土肥先生が密告された件について
 平成18年9月21の東京地裁判決、いわゆる難波判決についての土肥校長の言動が都教委に密告されたことに関して、密告したと思われる定時制副校長の言動が、普段から信頼されていなかったことを自らの体験に触れつつ次のように証言されました。
高橋弁護士: 甲第152号証の陳述書の7頁には、平成18年9月21日の東京地裁の判決に関連して、土肥校長の言動が都教委に密告されたことが述べられています。その中に「定時制の教員の間では,この密告を行ったのは副校長であるという話になっていました。」との記載がありますが、定時制の教員が密告したのではないのですか?
証人:違います。定時制の全教員は土肥校長をものすごく強く信頼しているので、都教委に密告するなんてことはあり得ません。
高橋弁護士:証人が直接見聞きしたり、あるいは、同僚の定時制の教職員に確認した範囲では、土肥校長が判決を喜んでいた事実は認められましたか?
証人:土肥校長が喜んでいた事実は認められませんでした

高橋弁護士:なぜ、密告を行ったのが、副校長ということになったのでしょうか?何か心当たりはありますか?
証人:定時制の〇〇副校長は「うそつきの〇〇」と呼ばれていた

高橋弁護士:この訴訟で、都教委側の主張として、平成20年3月の卒業式に際して、○○副校長が土肥校長が職務命令を発出する際に一人一人の名前を言ったと述べていることを個別的職務命令があったことの一つの根拠としているのですが、○○副校長は、三鷹高校定時制の教職員の間でそんなにその言動が信用できない人物と思われていたのですか?
証人:はい。

高橋弁護士:何かエピソードを教えていただけますか?

証人:土肥校長と○○副校長は平成17年4月に同時に着任したのですが、その5月に職員室で、教員と生徒がトラブルになった際に、私は生徒部主任だったので、間近で目撃していた○○副校長に事情を聞いたら、自分(副校長)は見ていないと嘘をつき通した
高橋弁護士:後日、そのことで○○副校長が嘘をついていたと証人が確信した出来事は何かありましたか?
証人:後日、○○副校長から、実はあの時見ていたんだけど、嘘ついていたと謝罪あった。
 ○職員会議について
 証人の38年間に及ぶ教員生活の中で、12名の校長の下でお仕事をされたこと、その経験からすれば、普段は校長は職員室に顔を出さないので、職員会議以外で、職員会議で議題となる問題についてあらかじめ各教員の意見を把握することは困難であったこと、現在の制度では、校長との面談の機会が学期に1回くらいあるが、そこで職員会議で議題になるような問題についての意向確認はなかったことが、まず、証言されました。
高橋弁護士:この訴訟では、被控訴人側(東京都側)は「校長と教員との日々のコミュニケーションで、校長は各教員がどのような意見を持っているか把握できる」だから、いちいち職員会議で職員の意向を聞く挙手採決を行わなくても良いというような主張をしているのですが、土肥校長以外の校長に関して、そのように意見を把握している校長がいるということは、事実ですか?
証人:全くでたらめです

高橋弁護士:また、この訴訟で、被控訴人側(東京都側)は、あたかも土肥校長の教職員との日常的なコミュニケーションが不十分であったかのような主張をしているのですが、過去に証人が接した12名の校長のなかで、土肥先生がその他の校長に比べて教職員とのコミュニケーションが不十分であったという事実はありましたか?
証人:ありません。むしろ土肥校長はコミュニケーションを取ることにかけてはピカイチでした
 ○土肥先生の定時制での教育実践について
 証人は、定時制の卒業式で、土肥先生が生徒に対して、アイコンタクトをとって一人一人の名前を呼んで、語りかけるようにして式辞を読み上げたことを挙げ、「なかなかありえない」ことだと証言されました。また土肥先生は、5時を過ぎても学校に残り、定時制の生徒と一緒に給食室で給食を食べていたことも証言されました。
 試験前勉強時間の導入は、職員会議での国語科の先生の提案を、土肥先生が、「それはいい案だね」ということで取り入れて導入したもので、留年する生徒が減少するなど、かなり成果があったこと、職員会議で教員がこうした提案をするのも、土肥校長のもとでの自由な発言を許容する雰囲気と関係があり、土肥校長が教室をまわって毎日のように生徒に声をかけている姿を見れば、我々もなんとかしよう、という気持になったと証言してくださいました。
 また、中途退学の割合の減少も、土肥校長が生徒一人一人の名前を覚えて、毎日のように「卒業しろよ」と声をかけたことと関連があると思われること、特に在任中の最後の一年間は中途退学がゼロで、4年生全員が卒業したことを証言されました。
 また当時問題だった学内での生徒の携帯電話の使用についても、土肥校長は校内を毎日のように巡回しているなかで問題を把握し、職員会議で問題提起して、紙にマナーを大書きして掲示することにした結果、かなり改善されたこと、さらに、三鷹高校定時制は、バスケ部が強かったのだが、土肥校長は勤務時間外の土日に行われたバスケの対外試合や全国大会出場時の応援にも駆けつけて、目立つ大きな声で応援していたことも証言されました。そして、「定時制の生徒にとっては、校長先生に応援に来てもらい、名前を覚えてもらい、声をかけてもらったら、最高です」と話されました。
 ○最後に

高橋弁護士:土肥校長の非常勤教員採用選考の不合格の理由に「担当職務の意義や上司の指示を理解し適切な判断に基づき職務を遂行する能力、組織への協力・調整を行い円滑な職務遂行を行う能力に欠け、非常勤教員の職務を十分理解し学校教育の充実に貢献できるとは言い難く、非常勤教員として推薦できない」、とありますが、証人のご経験に照らして、土肥校長がこのような人物であったという事実はありましたか?
証人:とても考えられません。

高橋弁護士:土肥先生の業績評価はオールCで790人中790番ですが、これについてどう思いますか?
証人:どういう判断でやったらそうなるのか知りたい。ありえない

高橋弁護士:推薦しない理由書には、「都立学校に対する生徒・保護者・都民の信頼を著しく貶め、適切な情報の発信という校長として果たすべき職務を遂行できていない。」との記載もあるのですが、土肥校長の言動により都立学校に対する生徒・保護者・都民の信頼が貶められたという状況は事実としてありましたか?ありませんでしたか?
証人:ありませんでした。まったく逆です。校長は、生徒からも保護者からも、地域からも信頼されていました
高橋弁護士:最後に、土肥校長は、非常勤教員採用選考の面接の際に、新人教員を論破するといった発言をしたか否かがこの訴訟での争点の一つにもなっていますが、証人は、土肥校長が教員を論破してやりこめていたのを見聞きしたことはありましたか?
証人:まったくありません。異なる意見の教員に対しても、よく意見を聞いて対応していました。
 (続)

『土肥元校長の裁判を支援する会』(2012/9/16)
http://dohi-shien.com/html/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=53
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