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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

第7回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会<資料4>

2017年07月27日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ ビラまき交流実行委員会から
都教委包囲首都圏ネット・渡部秀清

 1、ビラまき交流実行委員会ができるまで
 (1)東京における卒業式でのビラまき

  ・2003年の「10・23通達」による段階を画した「日の丸・君が代」強制と処分(これまで延べ480名)
  ・卒・入学式業式での「日の丸・君が代」強制反対のビラまきが都内のいくつかの団体で始まる。
  ・ビラまきに対し、当初、警察の弾圧があり、それに具え弁護士の支援を受けた(大田区ではいまでも)
  ・ビラまきはその後も続けられたが、先細りの感も出てきた。
 (2)交流会の開催
 ・ビラまきを持続するために、包囲ネットが交流会を提起、2015年11月に「ビラまき交流会」を開く
 ・そこには10団体弱が参加、以下のようなことが話された
  ①学校によりビラまきに対する対応がまちまちに(まだ「生徒にまかないでください」はある)
  ②「進学校」の生徒たちのビラの受け取りが悪くなった
  ③教職員のビラの受け取りが非常に悪くなった
  ④保護者のビラの受け取りは概して良いが、中には毒づいてくる保護者もいる
  ⑤警察の対応は全体としては緩やかになってきたが、警察を呼び執拗に妨害する学校もあった。(これについては、包囲ネットは「公道でのビラまきは合法」判決を武器に学校と警察に強く抗議)
  ⑥ビラまきは、卒・入学式の時だけではなく、日常的に追求していく必要がある
  ⑦いかに取りやすくわかりやすいビラを作るかが大事だ

 2、日常的なビラまきの開始
 ・2015年9月、「戦争法」が強行、2016年夏の参院選から「18歳選挙権」が開始、高校での「政治教育」が課題になってきた。しかし、「教育の政治的中立性」の名による教員への抑圧強まる。
 ・そこで、2015年12月から、有志で高校生向けビラ<民主主義って何だ?これだ!>をまく(5校)。N 高では社会科教員が「学5校校で政治教育をやっているからビラをまくな」と言ってきた。
 3、日常的なビラまきとしての参院選に向けたビラまき(2016年3月以降)
 ①2016年3月に行われた<卒に向けた業式ビラまき>には、「ビラまき交流会」に参加した団体すべてが参加し、例年同様、約60校の都立高校と4つの特別支援学校で、約1万5000枚がまかれた。
 ②参院選に向けた高校生向けビラまき
 ・4月に開かれた「卒業式ビラまき報告集会」で、参院選に向けて<高校生向けビラまき>をやる。そのために、高校生の政治活動支援のために<高校生ホットライン>を設けることが確認される。
 ・発行主体は「ビラまき交流実行委員会」とした。
 ・ビラは5月末に完成、ビラの柱は
   <高校生の政治活動にも「届け出」は必要ない>
   <「政治的中立」ってなに?その基準は憲法>
   <声を上げ始めた青年たち>
 というもの。
 ・ビラまきは5月末から6月にかけて約30校で行われた。6月「産経新聞」に<校門前でビラ、署名…公選法すり抜け 狙われる子供たち【18歳選挙権】>という記事が出た。
 4、日常的なビラまきとしてのオリンピック教育批判ビラまき(2016年9月以降)
 ①第一弾ビラ
  4月から都教委がオリンピック教育を大々的に始めた。「ビラまき交流実行委員会」で、二学期から「オリンピック教育批判ビラ」を配布することになった。8月第一弾ビラ
   (オリンピックってなんだ!<世界で一番になること?メダルをたくさんとること?>)
を完成、9月からビラまき開始。延べ16校でまく。(この間アメリカでアメフト選手のキャパニックが国歌斉唱時の不起立問題が起き、有志でビラにしてまく)
 ②第二弾ビラ
 その後情勢はさらに進み、東京では豊洲問題やオリンピック会場問題が表面化してきた。第二弾ビラ
   (オリンピックってなんだ!<勝利至上主義?商業主義?ナショナリズム?>)
 を作り、11月末から12月初めにかけて8校でまかれる。また、地域の駅頭や集会でもまかれるようになった。
③第三弾ビラ
 2017年になり、オリンピック会場問題についてビラを作ろうということになった。第三弾ビラ
   (<オリンピックは誰のためにやるの?―「学習読本」は、長野五輪の問題点をなぜ書かない?>)
 は1月末に完成、2月中に、10校弱でまいた。街頭・集会でもまかれた。(3月の卒業式ビラまきはほぼ昨年度同様だった)
 ④第四弾ビラ
 3月に「共謀罪」が国会に上程された。また森友学園問題が浮上してきた。4月に入り、第四弾ビラ
   (<「共謀罪」(テロ等準備罪)がないとオリンピックができない? ><教育勅語はすばらしい?>)
 を作成、4月から5月にかけてまいた。10数校と街頭・集会などでまかれた。
 ⑤第五弾ビラ
 5月3日(憲法記念日)安倍首相は突然独自の改憲案を出した。6月15日、安倍内閣は「共謀罪」を強行し、安倍首相は「2020年東京五輪には改正憲法を施行する」、「秋の国会に改憲案を出す」とまで述べた。そこで急遽、第五弾ビラ
   (<「平和の祭典」(オリンピック)を利用して「平和憲法」を「改正」?><森友・加計学園は安倍首相による政治の私物化じゃないの?>)
 を作成、7月からまき始めた(夏休み前にということで)。
 ところが、7月2日の都議選で、自民党は57議席から23議席になるという大敗北を喫した。追い込まれた安倍を叩くために、夏休み明けにも第六弾ビラを作る予定である。
 最初は、ビラはどこまで続くか分からなかったが、たえず情勢の発展が新しいビラを要求した。生徒の受け取りはいまいちで、ビラまき人数もなかなか増えないが、続けていきたい。ビラまきで、生きた情勢をつかむことができる。
 5、まとめ
 ①この間、急速に国家主義教育が強まっている。処分を伴う「日の丸・君が代」の強制、「学習指導要領」の法的拘束性の強化。「授業案」「シラバス」や「業績評価」による教育監視。また「教育の政治的中立性」の名による個々の教員の教育活動への脅しと介入。さらには「愛国心」を核心とする「道徳教育」の教科化や「教育勅語」の容認。そして教科書は政府の広報誌のようなものになってしまった。
 ②そのため、学校の中での自由な教育活動は窒息状態になっており、「洗脳教育」とも言える教育が幅を利かすようになっている。ただただ「無批判で従順な国民」を育てる機関になっている。
 ③こうした教育で、子どもたちが戦前のように「洗脳」されていく傾向にある。その典型は、「君が代」に見られる。すでに多くの児童・生徒はその正しい意味も知らされないまま、「君が代」を歌わされ、疑問も持たなくなっているのである。それは若い教員も同じである。日本の社会や世界情勢についても、一方的に政府の見解が押し付けられている。戦前の修身科教科書では「日本よい国、強い国。世界に輝く 偉い国」と書かれていたが、今も日本の大国意識を煽っている。子どもの6人に一人は貧困にあえいでいるのに。
 ④こうした中で、私たちが直接子どもたちに、「日の丸・君が代」強制の意味や、現在起きていることの本当の意味を知らせ、疑問を抱かせ、批判的に物事をみることの大切さを知らせることは、きわめて重要な課題になってきている。北村小夜さんは、「戦争は教室から始まる」と述べているが、同じことが繰り返されつつある。今こそ、私たちは、様々な手段で子どもたちに真実を伝えることが求められている。ビラまき活動はその一つの手段である。声を出せなくなっている学校に呼びかけるのであり、静まり返った古池に新たな石を投げ込むようなものである。
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