《9・24「君が代」強制大阪府条例はいらん!全国集会・資料》
◇ 広島県における「日の丸・君が代」実施状況について
1998年4月1日、参議院予算委員会で、自民党議員は広島県の市立中学校の教員を参考人として福山市の中学校の学級崩壊などの状況について証言をさせ、4月27,28日に福山市と広島県教育委員会に対して実態調査と是正を行う、いわゆる文部省是正指導を開始した。全く自民党議員と文部省による茶番のやらせ調査であった。
そのターゲットは広教組及び高教組と部落解放同盟であり、目的はこれらの組織による広島県教育への影響力の遮断である。
広教組・高教組は部落解放同盟と連携関係を持ち、差別の現実から学び、しんどい子どもに寄り添い、仲間づくりを通して学力を育て進路を保障するとりくみを進めてきた。
また、被爆地ヒロシマの被爆教師を中心に平和教育研究所を立ち上げ、平和教育を発信してきた。
そして、県教委とは正式な交渉を通して着実に多くの勤務条件の改善や教育の方向性の確認をしてきた。
しかし、自民党議員は文部省と結託し、暴力的な政治介入である「是正指導」を盾にして、有無を言わせず「愛国心」「道徳」「国家主義」を広島県の教育に押しつけ、教職員組合と部落解放同盟を排除してきたのである。
そして1999年県教委・自民党は教職員組合が世羅高校校長を自死に追い込んだとのキャンペーンを張り「国旗国歌法」を成立させ、国会では「強制しない」と回答しながら、広島県教委は処分を前提とした職務命令を出すことで学校現場で君が代斉唱起立を強制してきた。
このような政治介入に対して、教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしまでは2003年から「公教育の名において児童・生徒の「内心の自由」を侵害しないよう求める要請文」を毎年、県内の教育委員会に送付し、『「日の丸」「君が代」「元号」押しつけないで!何でも相談ホットライン・ひろしま』を開設して市民からの声に対応してきた。
2010年度卒業式の実施状況について教科書ネット・ひろしまが得た情報を整理してみると次のようであった。
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●正面形式12%、途中で卒業生が在校生・保護者の方を振り向き、呼びかけをしたり歌ったりする一部対面形式88%が若干増えている。今後、一部対面する場面で、子どもたちのメッセージを表現するなど各校のとりくみを進めていく必要がある。
●「仰げば尊し」が33%に増えている。また、議会や経済界からの要望を受け呉市歌を歌う学校が増えている。また式の直前に校長独断で三原市歌を歌う学校が1校あった。
●全県的に、音楽専科がピアノ伴奏をすることが当たり前の雰囲気になっている。音楽専科がいない学校では、校長が担任に直接依頼する場合が多いので、断ることができない。また、校内の適当な教員に頼めない場合は市費や「特色ある学校活動」の名目の公費で非常勤講師に伴奏を依頼するケースがある。また、保護者に伴奏を依頼した学校があった。
●「日の丸・君が代」が侵略戦争に果たした役割など歴史的事実について教材化をした学校は16%となっているが、学校として共通認識を持って授業化することができていない状況がある。事実は事実として教えていく必要がある。
●「黒の式服(礼服)革靴で式に参加」の指導が増えている。より厳粛な式にさせたいという学校外部からの意向が反映されているのではないかと考えられる。
●特別支援学級在籍の卒業生の座席について、「交流学級で出席順番の位置」が79.2%に対して、「交流学級の最後の位置」が21%ある。また、交流学級担任の呼名が76%に対して特別支援学級担任の呼名が24%ある。両方の担任が声を合わせて特別支援学級卒業生を呼名する例も1件あった。
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今夏、中学校社会科教科書採択で呉市は歴史・公民とも育鵬社を採択したが、卒業式の状況を見ると「呉市歌」「仰げば尊し」「式服(礼服)着用」「特別支援学級児童生徒は交流学級の最後の位置」「男女別座席」などが実施されており、教育委員会や学校外部からの強い圧力(政治介入)があるように思われる。
広島市教委は2000年の市議会(文教委員会)で議員から「卒業式のフロア形式の学校は、指導要領で示されている『国旗を正面に仰いでいない』から、違反だ」との意見を受け、「市教委としてはステージ形式で行うことを方針として持っている」との見解を出し、以後校長会で強力に伝え多くの学校でフロア式からステージ式に変更を余儀なくされたのである。学校行事への政治介入である。
このように、広島県では1998年の是正指導がぬぐい去ることができない「呪い」のように教職員を縛り付けている。しかし、「呪い」は呪いであって合法的な根拠のない「教育への政治介入」という違法な呪いである。今夏の「育鵬社」教科書採択も「政治介入」の可能性がある。
今後、私たちは「日の丸・君が代・元号」の強制に反対するのはもとより、教育に関するあらゆる場面での「政治介入」をさせないとりくみを市民ネットワークを張り巡らして監視し、防いで行かなくてはならないと考えている。
◇ 広島県における「日の丸・君が代」実施状況について
教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま 山川滋
1998年4月1日、参議院予算委員会で、自民党議員は広島県の市立中学校の教員を参考人として福山市の中学校の学級崩壊などの状況について証言をさせ、4月27,28日に福山市と広島県教育委員会に対して実態調査と是正を行う、いわゆる文部省是正指導を開始した。全く自民党議員と文部省による茶番のやらせ調査であった。
そのターゲットは広教組及び高教組と部落解放同盟であり、目的はこれらの組織による広島県教育への影響力の遮断である。
広教組・高教組は部落解放同盟と連携関係を持ち、差別の現実から学び、しんどい子どもに寄り添い、仲間づくりを通して学力を育て進路を保障するとりくみを進めてきた。
また、被爆地ヒロシマの被爆教師を中心に平和教育研究所を立ち上げ、平和教育を発信してきた。
そして、県教委とは正式な交渉を通して着実に多くの勤務条件の改善や教育の方向性の確認をしてきた。
しかし、自民党議員は文部省と結託し、暴力的な政治介入である「是正指導」を盾にして、有無を言わせず「愛国心」「道徳」「国家主義」を広島県の教育に押しつけ、教職員組合と部落解放同盟を排除してきたのである。
そして1999年県教委・自民党は教職員組合が世羅高校校長を自死に追い込んだとのキャンペーンを張り「国旗国歌法」を成立させ、国会では「強制しない」と回答しながら、広島県教委は処分を前提とした職務命令を出すことで学校現場で君が代斉唱起立を強制してきた。
このような政治介入に対して、教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしまでは2003年から「公教育の名において児童・生徒の「内心の自由」を侵害しないよう求める要請文」を毎年、県内の教育委員会に送付し、『「日の丸」「君が代」「元号」押しつけないで!何でも相談ホットライン・ひろしま』を開設して市民からの声に対応してきた。
2010年度卒業式の実施状況について教科書ネット・ひろしまが得た情報を整理してみると次のようであった。
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●正面形式12%、途中で卒業生が在校生・保護者の方を振り向き、呼びかけをしたり歌ったりする一部対面形式88%が若干増えている。今後、一部対面する場面で、子どもたちのメッセージを表現するなど各校のとりくみを進めていく必要がある。
●「仰げば尊し」が33%に増えている。また、議会や経済界からの要望を受け呉市歌を歌う学校が増えている。また式の直前に校長独断で三原市歌を歌う学校が1校あった。
●全県的に、音楽専科がピアノ伴奏をすることが当たり前の雰囲気になっている。音楽専科がいない学校では、校長が担任に直接依頼する場合が多いので、断ることができない。また、校内の適当な教員に頼めない場合は市費や「特色ある学校活動」の名目の公費で非常勤講師に伴奏を依頼するケースがある。また、保護者に伴奏を依頼した学校があった。
●「日の丸・君が代」が侵略戦争に果たした役割など歴史的事実について教材化をした学校は16%となっているが、学校として共通認識を持って授業化することができていない状況がある。事実は事実として教えていく必要がある。
●「黒の式服(礼服)革靴で式に参加」の指導が増えている。より厳粛な式にさせたいという学校外部からの意向が反映されているのではないかと考えられる。
●特別支援学級在籍の卒業生の座席について、「交流学級で出席順番の位置」が79.2%に対して、「交流学級の最後の位置」が21%ある。また、交流学級担任の呼名が76%に対して特別支援学級担任の呼名が24%ある。両方の担任が声を合わせて特別支援学級卒業生を呼名する例も1件あった。
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今夏、中学校社会科教科書採択で呉市は歴史・公民とも育鵬社を採択したが、卒業式の状況を見ると「呉市歌」「仰げば尊し」「式服(礼服)着用」「特別支援学級児童生徒は交流学級の最後の位置」「男女別座席」などが実施されており、教育委員会や学校外部からの強い圧力(政治介入)があるように思われる。
広島市教委は2000年の市議会(文教委員会)で議員から「卒業式のフロア形式の学校は、指導要領で示されている『国旗を正面に仰いでいない』から、違反だ」との意見を受け、「市教委としてはステージ形式で行うことを方針として持っている」との見解を出し、以後校長会で強力に伝え多くの学校でフロア式からステージ式に変更を余儀なくされたのである。学校行事への政治介入である。
このように、広島県では1998年の是正指導がぬぐい去ることができない「呪い」のように教職員を縛り付けている。しかし、「呪い」は呪いであって合法的な根拠のない「教育への政治介入」という違法な呪いである。今夏の「育鵬社」教科書採択も「政治介入」の可能性がある。
今後、私たちは「日の丸・君が代・元号」の強制に反対するのはもとより、教育に関するあらゆる場面での「政治介入」をさせないとりくみを市民ネットワークを張り巡らして監視し、防いで行かなくてはならないと考えている。
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