報道関係者各位
2004年12月3日
本日12月3日,東京地方検察庁公安部は,都立板橋高校元教員の藤田勝久さん(63歳)を威力業務妨害罪で起訴した。これまでも,警視庁板橋警察署は,藤田さんの自宅への捜索・押収,度重なる呼び出しを繰り返し,日の丸君が代強制問題に異議を唱えた者に対して,捜査に名を借りた制裁1嫌がらせを行ってきた。今回の不当起訴に対して,私たち弁護団は強く抗議するとともに,今後,司法の場で藤田さんの無実を明らかにしていく。
本年3月11日,藤田さんは,東京都板橋区にある都立板橋高校の卒業式に来賓として出席した。卒業式の開始前に,藤田さんは,日の丸君が代問題を特集した週刊誌「サンデー毎日」の記事を保護者に配布して,これから行われる卒業式の状況を簡単に説明した。その直後,学校の教頭,校長からそれぞれ「止めろ」「退去せよ」と言われたことから,藤田さんはまったく混乱を生じさせることなく校長の指示に従い,卒業式会場から退出した。
もっとも,卒業式会場から退出する際に混乱が生じたとして,板橋高校と東京都教育委員会は警察に被害届を出し,これに呼応する形で板橋警察署による不当捜査が始まった。
この事件の背景には,昨年の東京都教育委員会からの日の丸君が代強制の通達問題がある。すなわち,都教育委員会は,2003年10月23日,卒業式などで日の丸を掲げ,君が代を斉唱するように「指導」する通達を出し,教職員の思想良心の自由を侵害してきたのであった。この通達に異議を唱えた多くの教職員は,懲戒処分,不利益処分を受けている。
本件において,藤田さんはまったく「威力」を用いていないし,卒業式は「妨害」されてもいない。むしろ,藤田さんは,卒業生から慕われてきた教員であった。それにもかかわらず,警察が強制捜査を始めたのは,日の丸君が代問題に異議を唱えた者に対して制裁を科し,東京都教育委員会からの通達に従わせるためである。
日の丸君が代の押し付けによって,学校現場ではすでに教員や児童・生徒の良心の自由が侵害されている。今回の不当起訴を見過ごしていては,今後は,藤田さんのように一般市民にまで被害が広がっていきかねない。教育現場に対する刑事権力の不当な介入を私たち弁護団は許すことはできない。
私たち弁護団は,不当な弾圧をはねかえすことで,教育現場に自由を取り戻していきたいと考える。司法の場において,藤田さんの無実を明らかにし,日の丸君が代強制問題でさらなる犠牲者をださないよう,国民世論とともに戦っていく。
以上
2004年12月3日
本日12月3日,東京地方検察庁公安部は,都立板橋高校元教員の藤田勝久さん(63歳)を威力業務妨害罪で起訴した。これまでも,警視庁板橋警察署は,藤田さんの自宅への捜索・押収,度重なる呼び出しを繰り返し,日の丸君が代強制問題に異議を唱えた者に対して,捜査に名を借りた制裁1嫌がらせを行ってきた。今回の不当起訴に対して,私たち弁護団は強く抗議するとともに,今後,司法の場で藤田さんの無実を明らかにしていく。
本年3月11日,藤田さんは,東京都板橋区にある都立板橋高校の卒業式に来賓として出席した。卒業式の開始前に,藤田さんは,日の丸君が代問題を特集した週刊誌「サンデー毎日」の記事を保護者に配布して,これから行われる卒業式の状況を簡単に説明した。その直後,学校の教頭,校長からそれぞれ「止めろ」「退去せよ」と言われたことから,藤田さんはまったく混乱を生じさせることなく校長の指示に従い,卒業式会場から退出した。
もっとも,卒業式会場から退出する際に混乱が生じたとして,板橋高校と東京都教育委員会は警察に被害届を出し,これに呼応する形で板橋警察署による不当捜査が始まった。
この事件の背景には,昨年の東京都教育委員会からの日の丸君が代強制の通達問題がある。すなわち,都教育委員会は,2003年10月23日,卒業式などで日の丸を掲げ,君が代を斉唱するように「指導」する通達を出し,教職員の思想良心の自由を侵害してきたのであった。この通達に異議を唱えた多くの教職員は,懲戒処分,不利益処分を受けている。
本件において,藤田さんはまったく「威力」を用いていないし,卒業式は「妨害」されてもいない。むしろ,藤田さんは,卒業生から慕われてきた教員であった。それにもかかわらず,警察が強制捜査を始めたのは,日の丸君が代問題に異議を唱えた者に対して制裁を科し,東京都教育委員会からの通達に従わせるためである。
日の丸君が代の押し付けによって,学校現場ではすでに教員や児童・生徒の良心の自由が侵害されている。今回の不当起訴を見過ごしていては,今後は,藤田さんのように一般市民にまで被害が広がっていきかねない。教育現場に対する刑事権力の不当な介入を私たち弁護団は許すことはできない。
私たち弁護団は,不当な弾圧をはねかえすことで,教育現場に自由を取り戻していきたいと考える。司法の場において,藤田さんの無実を明らかにし,日の丸君が代強制問題でさらなる犠牲者をださないよう,国民世論とともに戦っていく。
以上
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