★ <教員不足・教育破壊の原因は何か>
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・「新芽ML」・「ひのきみ全国ネット」・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」の渡部です。
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4月18日、東京都教育委員会は、年度初めの教員欠員20人、合格辞退や退職が相次いだから、と発表した。
4月24日、今度は昨年度の新任教諭の4.9%が退職、ほとんどが「自己都合」による、と発表した。
この間、このように教員不足が深刻化している。
これは教育破壊状況ともいえる。
こうした状況について、私の属する<都教委包囲首都圏ネット>では、すでに今年の2月26日、都教委に対して、「『日の丸・君が代』強制、職階制度、業績評価が東京都の公教育を破壊したので、これらは総てやめてください」という要請文を出した。
1か月経てもなかなか回答が来ないので3月に連絡を入れ、4月に入って再度連絡を入れたところ、昨日(4月24日)ようやく回答(4月23日付)が届いた。
そこには、以下のようなことが書いてあった。
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1 東京都の公教育の破壊の第一の原因となった「10・23通達」を撤回すること
(回答)
これまでに出された裁判所の判断において、都教育委員会が平成15年10月23日付で発出した、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」は、旧教育基本法大10条第1項にいう「不当な支配」には該当しないとされています。本通達を撤回する考えはありません。(所管 指導部指導企画課)
2 それによってなされた処分をすべて取り消すこと
(回答)
懲戒処分の取り消しは、考えておりません。(所管 人事部職員課)
3 教職員の職階制度を廃止し、主任制以前の民主的で風通しの良い職場に戻すこと
(回答)
主任教諭はミドルリーダーとして、主幹教諭への補佐、教諭への助言・支援という双方向のコミュニケーションの要となり、組織内のコミュニケーションを活性化する役割を担っています。
また、東京都では公立学校においても、教職員が安心できて働きやすい職場環境の構築を推進しています。(所管 人事部勤労課)
4 教職員集団をバラバラにし、競争を煽り長時間労働を助長する、業績評価を廃止すること
(回答)
人事評価の実施は地方公務員法第23条で任命権者が行うべきものと規定されており、また、人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用することが同法第23条で規定されています。
都教育委員会においても同法に基づき、職員の資質能力の向上及び学校組織の活性化を図ることを目的として人事考課制度を実施しています。(所管 人事部勤労課)
5 業者丸投げで、無責任で問題の多い英語スピーキングテストを中止すること
(回答)
本テストは業者との協定に基づき適切に実施されており、学校における様々な指導とその学習成果を確認するスピーキングテストの双方を実施することが生徒の英語力を伸ばすことにつながることから、引き続き、本テストの実施に取り組んでまいります。(所管 グローバル人材育成部国際教育企画課)
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しかし、1については、
旧教育基本法では、教育委員会の仕事は、教育条件の整備であるとなっており、教育内容にまで「10・23通達」のように事細かく(通達)することは、明らかに「不当な支配」になるのである。
2については、
そのような通達に基づき強制し、それに従わなかったからとして処分(最高6か月停職)したことは明らかに違憲・違法である。
これは戦後教育史上、民主教育を守ろうとした教職員に対する思想弾圧として歴史に刻まれるであろう。
3については、
現場の教員に聞けば、そうなっていないことがすぐわかる。
現在では職員会議での挙手採決は禁止されており、すべてはトップダウンで降りてくる。だからパワハラも増えている。
おかしいと思っても言いたいことも言えない職場では、精神的な病にかかる教員や退職者が増えるのは当然だろう。どこに「双方向のコミュニケーション」があるというのか。
4については、
「職員の資質能力の向上及び学校組織の活性化」と述べているが、
実際には、人事考課で競わされ、教員間は分断され、時間外手当も出ないまま長時間勤務になっているのである。
教員たちが見聞を広げたり、本を読む時間もないのが実態である。
戦前、多くの教員たちは社会的に無知であったので、上から言われた通りのことをやってしまったと言われている。
今また、戦争の足音が聞こえる時代に再び同じことを繰り返すのだろうか。
5については、
「明けない夜はない」(243)<公教育を私物化するお粗末な業者スピーキングテスト>に紹介したように、実際にはきわめてお粗末なテストで、とても「生徒の英語力を伸ばすことにつながる」とは思えないものである。
結局都教委は、みずから教員不足などの根本原因を作り出しておきながら、その原因には目を向けず、反省する意思も撤回する意志もなく、引き続きその危ない道を進むつもりである。
したがって、これからも教員不足は解消されず、公教育は破壊され続け、行きつくところ戦前同様の道を歩むことになるだろう。
だから私たちは、引き続き屈することなく反対の声を上げていく。
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