入学式処分

　◆ 君が代斉唱不起立：都教委、２人懲戒
　　　処分教職員延べ４１０人に　／東京

　◇国旗・国歌徹底を通達
　都教育委員会は２３日、今春の入学式で「君が代」の斉唱時に起立しなかったとして、都立学校の教員２人を懲戒処分にした。都教委が国旗・国歌の指導徹底を通達した０３年１０月以降、懲戒処分を受けた教職員は延べ４１０人となった。
　都教育庁職員課によると、処分の内訳は減給（１０分の１）１カ月と戒告が各１人。今春の卒業式でも２０人が処分されており、今夏は現職を対象に再発防止研修を実施する。
　この日処分された２人は、処分の取り消しを求めて都人事委員会に審査請求を行った。減給処分を受けた女性教諭（５１）は「通達は撤廃されて当然。日本の民主主義の行方にもかかわる問題だということを分かってほしい」と話した。【木村健二】

【毎日新聞】（2008年5月24日　地方版）


　◆ 君が代斉唱不起立：女性教諭が担任外される
　　　台東区の都立高、内定人事を変更　／東京

　台東区の都立高校の女性教諭（５３）が、卒業式の「君が代」斉唱時の不起立を理由に、内定していた１年生のクラス担任を外されていたことが分かった。不起立などを理由に処分を受けた教諭らでつくる「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」によると、内定していた人事が不起立を理由に変更されるのは異例という。
　関係者によると、女性教諭は３月にあった卒業式で、校長の職務命令に従わず起立しなかった。これが２回目の不起立で、都教育委員会から減給（１０分の１）１カ月の処分を受けた。教諭は昨年１２月、今年度から１年生の担任になることが内定していたが、別の教諭に交代させられた。
　女性教諭は「式で何をしたわけでもないのに、自分を否定されたようだ」と憤っている。校長は「入学式は１年生にとって大事な行事で、混乱を避けたかった。学校運営を円滑にするため総合的に考えた」と説明している。【木村健二】

【毎日新聞】（2008年5月24日　地方版）