パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

原子力発電所を可能な限り長く稼働させ、可能な限り稼がせるというビジネスモデル

2016年05月08日 | フクシマ原発震災
 ▼ 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実.5 | 星の金貨プロジェクト
   フェアウィンズ 4月5日
○今やウォール街は、新しい原子力発電所建設に資金提供を行うつもりは全く無い
○原子力発電所を可能な限り長く稼働させ、可能な限り稼がせるというビジネスモデルにしがみつく電力各社
○安倍政権が5年に渡り続けてきた福島第一に関する虚偽の報告、いかに事実と異るかを明らかにしていく必要がある
 ●ハリントン:原子力産業に大きな利害関係を持っている人間たちにとっての利益とは何なのか、教えていただけますか?
 ○ガンダーセン:ウォール街は新しく原子力発電所を建設することに資金提供を行うつもりは、もはや全くありません
 原子力産業は斜陽産業であり、追い詰められつつあります。
 しかし国内にはまだ100基以上の原子炉があり、そのほとんどが60年間の操業許可を持っています。
 そして現在、その全部の原子力発電所が稼働80年間の許可の延長を申請しています。
 もともとこれらの原子力発電所は40年間の操業を念頭に設計されたはずなのですが、20年間の稼働延長が認められた結果、100基もの原子炉がアメリカ国内で稼働することになりました。
 そして現在さらに20年間の稼働延長を求めているのです。

 その中で最大の企業がエンタジー社ですが、アメリカ南部に拠点を置く同社は今、ヒラリー・クリントンの大統領キャンペーンに積極的に資金を献金しています。
 言うまでも無くクリントン候補は南部の出身です。
 次に大きいのがエクセロン社で、同社はバラク・オバマの大統領選キャンペーンに積極的に献金を行いました。
 そしてこの2社に加え、もっと小規模な電力企業が各地で原子力発電所を経営していますが、100基中35基がエンタジー、エクセロンの所有になり、この2社は突出して大きな企業なのです。
 2社とも原子炉の稼働が可能な限り、電気を大量生産し続けたいと考えています。
 エンタジーもエクセロンも、何ほどの費用も支払ってはいません。
 ヴァーモント・ヤンキー原発の建設費用は2億ドル(約220億円)未満でした。
 もし今新たに原発建設を行なえば、その費用は200億ドル(2兆2,000億円)を下らないでしょう。
 60年稼働させた原子炉の20年延長が認められれば、経営する側にとっては格安のバーゲン品を手に入れたも同然です。このため、アメリカ中の原子炉が我も我もと延長を申請しているのです。
 電力各社は原子力発電所を可能な限り長く稼働させ、可能な限り稼がせるというビジネスモデルの継続を望んでいます。
 そしてウォール街も圧力をかけています。

 新しい原発を建設しようなどとは思うな。

 もしどうしても新しい原子力発電所を建設したかったらどうすればいいでしょうか。
 これからも原子力発電を続けたいと思っていれば、彼らは何らかの突破口を見つけ出すかもしれません。
 しかし作られてから80年が過ぎた自動車を想像してみてください。
 きちんとメンテナンスされていると解っていたとしても、あなたはこの車を高速道路で全速力で走らせる勇気がありますか?
 多分誰もイエスとは言わないでしょう。
 しかしアメリカの原子力規制委員会はそれでも大丈夫だと言って、許可しているのです。
 ●ハリントン:ガンダーセンさん、これまであなたはたびたび原子力産業には国民が納めた税金の中から多額の補助金が交付されていると指摘して来られましたね。
 ○ガンダーセン:米国会計検査院が調査を行った結果、これまでの70年間に米国エネルギー省が支出した補助金の総額のうち、実に半分が原子力産業の手に渡っていたことが明らかになりました。
 そして石油産業とガス業界、そして送電網整備や太陽光発電などの再生可能エネルギーその他すべてを含めた事業がそれぞれ4分の1ずつ受け取っています。
 70年間支給し続けた助成金の半分が直接原子力産業の手に渡っていた訳です。

 そして今度は米国原子力規制委員会は原子力規制委員会の稼働延長を認めようとしています。
 これは「89号線(ワイオミング州~ユタ州の丘陵地帯を走る国道)を時速100マイル(約161km/h)で突っ走っても大丈夫か?」という質問に対し、
 原子力規制委員会が「どうぞどうぞ」と答えているようなものです。
 「時速160キロ?大丈夫、かまいませんよ!」

 そんなことは原則ルール違反であり、危険な行為です。
 つまり安全基準を無視して、原子力産業が何でも望む通りを認めようとしているのです。
 原発の安全性がどれ程損なわれるかの影響を真摯に検証する事無く、とにかく安上がりで構わないという態度です。
 安全性を確保するため必要なだけの投資を改めて行うとすれば、いずれの原子力発電所も閉鎖せざるを得なくなります。
 そうしなくても良いように、アメリカ原子力規制委員会は本来クリアすべき安全基準を骨抜きにすることによって、原子力産業界を陰で支えているのです。
 ●ハリントン:アーニー、それでは番組をここで終了し、あなたが福島で制作した番組の放映に移ることにしましょう。
 これからもあなたの素晴らしい調査研究成果の発表をお続けください。そしてこの番組にもまたお出でください。
 視聴者の皆さんも引き続き、ガンダーセン氏が制作した番組をご覧ください。
 大いに学び、大いに啓発されることと思います。

 ○ガンダーセン:安倍首相は4~5年前、フクシマはもう問題ではないと発言しました。
 そしてオリンピックを東京に招致しました。
 こうして日本政府は人々の視界からフクシマの問題を消してしまったのです。
 しかしフクシマの問題は終わりませんでした。
 私たちは福島第一原発について伝えるここ2週間の新聞報道を詳細に確認しました。
 その結果わかったことは、福島第一原発からの各種の放射性物質の漏出は続いていることは明白であるという事実でした。
 日本にオリンピックを招致するため安倍政権が5年に渡り続けてきた福島第一原発に関する虚偽の報告について、私たちは協力しながら検証し、いかに事実と異なっていたかを明らかにしていく必要があります。
 フクシマの現実と正しく向かい合うためには、日本はオリンピックの開催地に選ばれるべきではありませんでした
 日本の国土、特に福島第一原発の北側の汚染は未だに続いているのです。

 ●ハリントン:ガンダーセンさん、ありがとうございました。あなたが今回お話になったことは、大手マスコミが決して取り上げない問題です。その意味でも大変貴重なお話でした。改めてお礼申し上げます。
- 《6・ガンダーセン氏のフクシマ・レポート》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
『星の金貨プロジェクト』
http://kobajun.chips.jp/?p=27645
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