パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

葛飾ビラ配布事件

2007年08月12日 | 平和憲法
 ★ 葛飾ビラ配布事件 ★
 東京高裁第6刑事部 池田修裁判長 102号法廷
 第2回2007年9月11日(火)午前10時開廷
  検察側証人調 マンション設計士
  ※傍聴券なし、直接法廷前に並んでください。


◆ 闘いは第2ラウンドへ
                     主任弁護人 中村欧介

 2006年8月28日,東京地方裁判所刑事第12部は荒川庸生さんに対して,「無罪」判決を言い渡しました。当然の結論であるとはいえ,板橋事件や国公法堀越事件と不当判決が続く中にあって,画期的な判決であったといえます。しかし,何としてでも自由なビラ配布を許さすことなく取り締まりを強め,政府に対する批判的言論に圧力をかけ続けたいと考える検察官は,9月1日に控訴しました。東京高等裁判所に舞台を移して闘いは続くことになりました。
 今回の無罪判決は,①平穏な内容のビラをドアポストへ投函する目的で昼間の時間帯に共用廊下等に立ち入ることは,プライバシー保護や防犯意識の高まりを前提としても,刑事処罰の対象とする違法行為であると見るような社会通念は確立しておらず,②荒川さんの行為は「正当な理由がないのに」住居に侵入したとは言えないので,住居侵入罪が成立せず無罪である,と結論づけています。裁判所が,このようにマンション居住者側の事情にも配慮しつつ極めて常識的な判断に至ったのは,「ビラ配布の自由を守る」ために傍聴席を埋め尽くし,裁判所へ署名や手紙を送り続けた皆さんによって,「世の中の常識」が裁判所に伝わった成果に他なりません。

 東京高裁では,この常識ある無罪判決に「事実誤認」や住居侵入罪という「法令適用の誤り」がないかどうかが争われることになります。東京高裁にも,引き続き皆さんの力で「世の中の常識」をしっかり伝えていく必要があります。弁護団と皆さんが一致団結し,再び「ビラ配布の自由」が勝利することが出来るよう,改めて頑張って行きましょう!


 1 控訴審第1回公判 07年6月26日 公判報告
 ◆ いよいよ第2ラウンド開始

 控訴審第1回公判は6月26日午後1時半に始まった。150人近く並んだ人たちの抽選による傍聴券交付に手間取り、傍聴者の入廷が最後だったので、法廷に入るとまず20名近くの弁護団と荒川さんが目に入った。傍聴席から向かって左に弁護団、正面に3人の裁判官、右に2人の検事という配置で、すでに着席して開始を待っていた。
 最初、無罪判決に異議を申し立てた検察官側が控訴趣意書に書いていることを5分程度述べた。しかしほとんど傍聴人には聞き取れなかった。次に中村欧介主任弁護人がそれに対する答弁書の骨子を述べた。堂々として簡潔でよく分かった。
 次に控訴審でどういう証拠を取り調べてやっていくのかということが話し合われ、検察官側から住民の供述調書と、このマンションの設計者の調書が出されたが、住民の方の証人尋問は検察官から撤回したとか。
 その後裁判官3人の合議(相談)のために休憩が入った後、最終的にマンションの設計者が証人として採用になった。
 弁護側も関先生という住居侵入罪を専門に研究されている学者証人と意見書の採用を申し入れていたがそれは留保された。また弁護団側から出した無罪判決を報道した新聞記事は採用された。
 この日は、双方の主張が出て、まずは検察官側の証人採用が決まって控訴審が始まった。

次回9月11日(火)午前10時開廷、証人尋問。
更新日時: 2007/07/19

 2 控訴審第1回公判 07年6月26日 公判資料
 ◆ 葛飾ビラ配布弾圧事件 控訴審第1回公判資料

2007年6月26日
ビラ配布の自由を守る会

―本日の裁判
 昨年8月28日の東京地裁無罪判決から10ヶ月、東京高裁第6刑事部(池田修裁判長)での裁判が始まります。その控訴審第1回公判にご参加下さり、ありがとうございます。
 本日の裁判は控訴審第1回公判ですので、冒頭の手続きが行われます。①まず検察官が控訴趣意書について約10分の陳述をします。②弁護団が、検察官の控訴趣意書に対する答弁書の要旨を約20分間で陳述します。その後③検察官が証拠調べ請求を行います。④弁護団が検察官申請証拠は、必要の無いものと反論して、⑤裁判所が採否を決めます。
 なお、弁護団は①住居侵入罪について研究されている国士舘大学の関教授の意見書提出と証人申請、②東京地裁一審無罪判決を報道した「新聞報道」を証拠物として申請する予定です。
 その後、次回以降の裁判をどのように進めるか、裁判所の決定がされます。

 ◆ 控訴審第1回公判に臨むに当たって      荒川庸生
 昨年8月28日の無罪判決、そして4日後の検察官控訴から9ヶ月、この間、国民救援会や宗平協等の協力を得ながら、都内はもちろん、北海道から沖縄まで広範囲に支援要請に出かけてまいりました。そして事件の不当性、地裁での無罪判決の確信を強くする中で、今日の公判に臨む事が出来ました。みなさんの励ましとご支援に感謝いたします。
 公安警察がビラ配りを住居侵入罪や国家公務員法で弾圧する。自衛隊が国民の行動や平和運動を監視する。公安警察を特高に、情報保全隊を憲兵に置き換えれば戦前・戦中の暗黒の時代をまさに再現する今日です。この反動的流れをくい止めるためにも、なんとしても東京高裁で再び無罪判決を勝ち取らなければと強い思いでいっぱいです。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

 ◆ 3つのお願い
1、署名のお願い

 第1回公判が始まるまでの間に、東京高裁第6刑事部に5回の要請行動を行い、控訴棄却・無罪の判決を求めてきました。
 6月21日に13名の参加で、第1回公判直前の要請行動を行いました。
 個人署名6,560名(累計35,306名)、団体署名102団体(累計1,643団体)、要請はがきに記載された裁判所への「ひとこと」435人分(累計735人分)を提出しました。この「ひとこと」は、はがきの提出とは別に抜書きしたものを全裁判官用に3部印刷して提出しています。
 裁判所をして慎重・公正な裁判を行なわせるために、引き続き要請署名と高裁への「ひとこと」の取り組みをお願いいたします。
2、ビラ配布の自由を守る会に入会のお願い。
 1審勝利判決の報道や、リーフ「無辜」を全国に普及するなかで、葛飾ビラ配布弾圧事件の支援の輪は広がりました。この広がりをさらに大きくすることが一層重要となっています。
 取り組みの中心となって活動している「ビラ配布の自由を守る会」の会員は、現在750名を超えています。まだの方は是非ご入会下さいますようお願いいたします。
3、カンパのお願い
 東京高裁で再び無罪判決を勝ち取るために守る会は、リーフ「無辜」とハガキ署名を20万部印刷して全国に発送、「裁判資料集5」(検察官控訴趣意書を反論した答弁書と荒川さんの意見書を収録)の発行などに取り組んできました。さらに控訴審での学者意見書にかかる費用など、多額の資金を必要としています。これらの取り組みを成功させるために、カンパにご協力下さいますようお願いします。

 ◆ 公判報告集会
 裁判終了後、公判報告集会を行います。本日は弁護士会館5階502E~F会議室が会場です。
 第1回公判の内容と、今後の裁判の進行について報告されます。控訴審で勝利するための意思統一の場となります。お忙しいとは思いますが、ぜひご参加下さい。

『ビラ配布の自由を守る会』
http://homepage2.nifty.com/katusika-bira/index.htm

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