=都教委を訴える会ニュース=
◆ 都教委『オリ・パラ』読本のフェイク(ウソ)記述をただす裁判が始まります。
☆ 『オリンピック・パラリンピック読本』裁判
第1回期日3月22日(木)13時15分~東京地識526号法廷
「都教委を訴える会」の会員の皆様、ぜひ、傍聴参加をお願いします!
当日は、小学生のお子さんをお持ちの原告・増山麗奈さんから「保護者の立場から」8分の陳述を行う予定です。
◆ vs都教委<五輪教材問題>訴訟について
弁護士 大ロ昭彦
1 いよいよ<五輪教材問題>訴訟が開始されます。冬季五輪の大騒ぎ・安倍の悪のり利用等々の事態に、我々の提起している問題の重要性がいよいよ明らかになってきている現在です。提訴以来、開始に時間を要した点、お詫び致します。
2 訴訟は、都教委の誤った目的への巨額の浪費について、「これを回復せよ」という、行政への作為を命ずる行政訴訟を主たるものとして提起しましたが、行政裁判所が不当にもこれを却下したため、付随させていた国家賠償請求訴訟のみが、別の部で行われることとなりました。
3 最初の「実教出版教科書、不当否認問題」訴訟では、東京地裁はこの請求類型について、「行政事件訴訟法に明文の規定は無いが、認められるべきとして提起された義務付訴訟である」<この訴訟類型が問題になった例としては、いわゆる「予防訴訟」(国歌斉唱義務不存在確認請求訴訟)があります>として、審理を行ったのですが、しかしその後の「ハイヤー代」訴訟で否定するに至り、今回も同様の扱いとされたのは、全く腹立たしく思っています。
今後、同様の事態が予想されますので、弁護団でも更に十分に検討工夫し、<都教委を絶対に許さない>という主権者の闘いを構築してゆきたいと考えます。
◎ 請求の趣旨
東京都監査委員が、「東京都教育委員会が、2016年3月31日に、自己の作成した『オリンピック・パラリンピック学習読本』・映像教材DVD・教師用指導書を、東京都内の全ての小学校・中学校・高等学校に配布したが、この配布のために金1億6285万4239円を支出した行為について、この財務会計行為が違法無効であった」と認定しなかったことが違法であることを確認せよ。
◎ 損害賠償の請求
<請求する理由>
①東京都教育委員会は、2016年3月31日に、自己の作成した「オリンピック・パラリンピック学習読本」・映像教材DVD・教師用指導書を、東京都内の全ての小学校・中学校・高等学校に配布したが、この配布のために金1億6,285万4,239円を支出した。
②ところがこの学習読本には、例えば小学校用65頁に「(五輪=オリンピック・パラリンピックでは)表彰式の国旗掲揚では、国歌が流されます。」と記載され、また中学校用89頁には、表彰式の写真の説明として「中央に1位、向かって左側に2位、右側に3位の国旗が掲揚され、1位の国の国歌が演奏される。国歌が演奏されるときには、敬意を表し、起立して脱帽する。」等と記載されている。
③しかし、読本に於けるこの記述は、以下のとおり、オリンピック憲章に明らかに違背する誤謬のものである。
ア そもそも、オリンピック憲章は、成績優秀者の顕彰のための旗の掲揚・歌の奏楽について、以下のように明記している。
「優勝者の所属する選手団の旗がセントラル・ポールに掲揚され、第2位、第3位の競技者の所属する選手団の旗も競技場に向かってセントラル・ポールの左右に並んで立つポールに掲揚される。優勝者の所属する選手団の歌(短縮したもの)が演奏される間は、メダル受賞者たちは旗の方向を向くものとする。」
イ これは、クーベルタンによって復活された近代オリンピックも、古代オリンピックの精神に立っことが理念とされていたことを、端的に示していたものである。すなわちそれは、個人の優れた能力を顕彰し、その努力に敬意を表することを旨としていた。そして、それゆえにそのような個人の人間性に、国家間の政治的対立に凌駕する価値が見出されていた。このような理念から、オリンピック開催中は全ての都市国家は戦争行為を中止することが義務づけられていたのであった。
ウ したがって、もし近代オリンピックが、いわゆるステート・アマ達による諸国家の単なる国威発揚の場に過ぎないのであるならば、わざわざ「オリンピック」の名を冠する必要もなく、また、そうしてはいけなかったのである。
しかし、オリンピックはそのようなものであってはならず、むしろ諸民族の成員・諸国家の国民達が、スポーツ祭典の機会に、人間同士としての友誼・交流を深めあい、また諸民族・諸国民にもそのような関係が促進されて、そのことによって、平和の基礎が打ち固められることが追求されるべきとの理想・理念が掲げられた。
このような理念・理想から、敢えて「国旗」「国歌」ではなく、「選手団の旗」「選手団の歌」と規定されたのである。(例えば東西統一ドイツ選手団の優勝選手の表彰に於いて、べ一トーベンの「歓喜の歌」が奏楽された事実は、まさにこの理念に適うものであった。)
(なお、憲章には若干の修正がなされているようであるが、以上は、オリンピックの根本理念であるから、オリンピックがその名に於いて開催される限り、当然それは不変の理想として堅持されているものである。)
エ すなわち、掲揚されるのは「選手団の旗」であり、演奏されるのは「選手団の歌」であって、「国旗」「国歌」とはされていないのである。そして、そのことはオリンピックの根本精神そのものであるのである。
オ 以上よりするならば、東京都教育委員会作成にかかるこの学習読本の当該記載は、明白にオリンピック憲章に違反した誤謬のものである。かつ、この誤謬・違反は、オリンピックのそもそもの基本的精神・理念にかかわるものであるから、関係教材等の全ての違法を来たすものである。
④したがって、このような違憲・違法の内容が記載された学習読本の配布のために、都民の税金から支出された金1億6,285万4,239円もの費用支出は、憲法26条に違背するものであり、更に、日本が〈国際平和主義〉〈諸民族の互恵協和〉の精神に立脚してゆくことを全世界に宣言した憲法前文にも違背する違憲違法のものであり、都財政に違法不当な損害を与えたものである。
しかるに東京都(監査委員)は、2017年4月27日付で、この請求を却下する決定を行った。
<損害賠償を請求する理由>
原告らは、前記したところの、子ども達に対する成人の責務を自覚し、何としてもそれを誠実に果たしたいと希求している者であるが、そのような立場から、「東京都教育委員会が、オリンピックについて学習教材を作成し、全学校に配布した」と聞いて、教育委員会の制度的趣旨・責務・機能等からして当然に、上記のオリンピック・オリンピック憲章の根本趣旨・理念が述べられたうえで、これに立脚した記述がなされているものと期待し、確信していた。
しかるに、後に、それら本件資料の内容に接したとき、上記とは全く相反しており、また憲法前文に於ける宣明等の趣旨に違背していることを知った。
原告らは、それによって、大きな精神的衝撃を受けた。
これではまさに、国家間の矮小で醜悪な敵対関係を解消してゆくとされた、本来のオリンピックの趣旨ではなく逆に、国家間の対立敵愾心を煽るような、誤った競争主義を子ども達に鼓吹してしまうおそれが大であるからである。
原告らは、このような事実を誤った資料に基づいた授業によって、オリンピックについて、日々このような憲法に違背した見方・考え方が子ども達に対して鼓吹されていることを想い、大きな苦痛を余儀なくされている。このような精神的苦痛を強いて金銭的損害に評価するならば、金1万円を下らないことが明らかである。
◆ 都教委『オリ・パラ』読本のフェイク(ウソ)記述をただす裁判が始まります。
☆ 『オリンピック・パラリンピック読本』裁判
第1回期日3月22日(木)13時15分~東京地識526号法廷
「都教委を訴える会」の会員の皆様、ぜひ、傍聴参加をお願いします!
当日は、小学生のお子さんをお持ちの原告・増山麗奈さんから「保護者の立場から」8分の陳述を行う予定です。
◆ vs都教委<五輪教材問題>訴訟について
弁護士 大ロ昭彦
1 いよいよ<五輪教材問題>訴訟が開始されます。冬季五輪の大騒ぎ・安倍の悪のり利用等々の事態に、我々の提起している問題の重要性がいよいよ明らかになってきている現在です。提訴以来、開始に時間を要した点、お詫び致します。
2 訴訟は、都教委の誤った目的への巨額の浪費について、「これを回復せよ」という、行政への作為を命ずる行政訴訟を主たるものとして提起しましたが、行政裁判所が不当にもこれを却下したため、付随させていた国家賠償請求訴訟のみが、別の部で行われることとなりました。
3 最初の「実教出版教科書、不当否認問題」訴訟では、東京地裁はこの請求類型について、「行政事件訴訟法に明文の規定は無いが、認められるべきとして提起された義務付訴訟である」<この訴訟類型が問題になった例としては、いわゆる「予防訴訟」(国歌斉唱義務不存在確認請求訴訟)があります>として、審理を行ったのですが、しかしその後の「ハイヤー代」訴訟で否定するに至り、今回も同様の扱いとされたのは、全く腹立たしく思っています。
今後、同様の事態が予想されますので、弁護団でも更に十分に検討工夫し、<都教委を絶対に許さない>という主権者の闘いを構築してゆきたいと考えます。
☆☆☆ 裁判、訴状の中心部分 ☆☆☆
◎ 請求の趣旨
東京都監査委員が、「東京都教育委員会が、2016年3月31日に、自己の作成した『オリンピック・パラリンピック学習読本』・映像教材DVD・教師用指導書を、東京都内の全ての小学校・中学校・高等学校に配布したが、この配布のために金1億6285万4239円を支出した行為について、この財務会計行為が違法無効であった」と認定しなかったことが違法であることを確認せよ。
◎ 損害賠償の請求
<請求する理由>
①東京都教育委員会は、2016年3月31日に、自己の作成した「オリンピック・パラリンピック学習読本」・映像教材DVD・教師用指導書を、東京都内の全ての小学校・中学校・高等学校に配布したが、この配布のために金1億6,285万4,239円を支出した。
②ところがこの学習読本には、例えば小学校用65頁に「(五輪=オリンピック・パラリンピックでは)表彰式の国旗掲揚では、国歌が流されます。」と記載され、また中学校用89頁には、表彰式の写真の説明として「中央に1位、向かって左側に2位、右側に3位の国旗が掲揚され、1位の国の国歌が演奏される。国歌が演奏されるときには、敬意を表し、起立して脱帽する。」等と記載されている。
③しかし、読本に於けるこの記述は、以下のとおり、オリンピック憲章に明らかに違背する誤謬のものである。
ア そもそも、オリンピック憲章は、成績優秀者の顕彰のための旗の掲揚・歌の奏楽について、以下のように明記している。
「優勝者の所属する選手団の旗がセントラル・ポールに掲揚され、第2位、第3位の競技者の所属する選手団の旗も競技場に向かってセントラル・ポールの左右に並んで立つポールに掲揚される。優勝者の所属する選手団の歌(短縮したもの)が演奏される間は、メダル受賞者たちは旗の方向を向くものとする。」
イ これは、クーベルタンによって復活された近代オリンピックも、古代オリンピックの精神に立っことが理念とされていたことを、端的に示していたものである。すなわちそれは、個人の優れた能力を顕彰し、その努力に敬意を表することを旨としていた。そして、それゆえにそのような個人の人間性に、国家間の政治的対立に凌駕する価値が見出されていた。このような理念から、オリンピック開催中は全ての都市国家は戦争行為を中止することが義務づけられていたのであった。
ウ したがって、もし近代オリンピックが、いわゆるステート・アマ達による諸国家の単なる国威発揚の場に過ぎないのであるならば、わざわざ「オリンピック」の名を冠する必要もなく、また、そうしてはいけなかったのである。
しかし、オリンピックはそのようなものであってはならず、むしろ諸民族の成員・諸国家の国民達が、スポーツ祭典の機会に、人間同士としての友誼・交流を深めあい、また諸民族・諸国民にもそのような関係が促進されて、そのことによって、平和の基礎が打ち固められることが追求されるべきとの理想・理念が掲げられた。
このような理念・理想から、敢えて「国旗」「国歌」ではなく、「選手団の旗」「選手団の歌」と規定されたのである。(例えば東西統一ドイツ選手団の優勝選手の表彰に於いて、べ一トーベンの「歓喜の歌」が奏楽された事実は、まさにこの理念に適うものであった。)
(なお、憲章には若干の修正がなされているようであるが、以上は、オリンピックの根本理念であるから、オリンピックがその名に於いて開催される限り、当然それは不変の理想として堅持されているものである。)
エ すなわち、掲揚されるのは「選手団の旗」であり、演奏されるのは「選手団の歌」であって、「国旗」「国歌」とはされていないのである。そして、そのことはオリンピックの根本精神そのものであるのである。
オ 以上よりするならば、東京都教育委員会作成にかかるこの学習読本の当該記載は、明白にオリンピック憲章に違反した誤謬のものである。かつ、この誤謬・違反は、オリンピックのそもそもの基本的精神・理念にかかわるものであるから、関係教材等の全ての違法を来たすものである。
④したがって、このような違憲・違法の内容が記載された学習読本の配布のために、都民の税金から支出された金1億6,285万4,239円もの費用支出は、憲法26条に違背するものであり、更に、日本が〈国際平和主義〉〈諸民族の互恵協和〉の精神に立脚してゆくことを全世界に宣言した憲法前文にも違背する違憲違法のものであり、都財政に違法不当な損害を与えたものである。
しかるに東京都(監査委員)は、2017年4月27日付で、この請求を却下する決定を行った。
<損害賠償を請求する理由>
原告らは、前記したところの、子ども達に対する成人の責務を自覚し、何としてもそれを誠実に果たしたいと希求している者であるが、そのような立場から、「東京都教育委員会が、オリンピックについて学習教材を作成し、全学校に配布した」と聞いて、教育委員会の制度的趣旨・責務・機能等からして当然に、上記のオリンピック・オリンピック憲章の根本趣旨・理念が述べられたうえで、これに立脚した記述がなされているものと期待し、確信していた。
しかるに、後に、それら本件資料の内容に接したとき、上記とは全く相反しており、また憲法前文に於ける宣明等の趣旨に違背していることを知った。
原告らは、それによって、大きな精神的衝撃を受けた。
これではまさに、国家間の矮小で醜悪な敵対関係を解消してゆくとされた、本来のオリンピックの趣旨ではなく逆に、国家間の対立敵愾心を煽るような、誤った競争主義を子ども達に鼓吹してしまうおそれが大であるからである。
原告らは、このような事実を誤った資料に基づいた授業によって、オリンピックについて、日々このような憲法に違背した見方・考え方が子ども達に対して鼓吹されていることを想い、大きな苦痛を余儀なくされている。このような精神的苦痛を強いて金銭的損害に評価するならば、金1万円を下らないことが明らかである。
実教出版教科書・五輪読本問題に関し、
違法不当な都教委を訴える会ニュース 第10号 2018.03.10.
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