◆ 学級編制基準とは・・・
4月になり、学校では新学期を迎えます。新たに小・中学校や高等学校に入学する児童・生徒も、また次の学年に進級する児童・生徒も、入学式や始業式を待ち遠しく思っていることでしょう。その思いの大部分は、新しいクラスで一緒になる人はだれか、どんな人と巡り会えるか、担任の先生はどんな人か、などといったことではないでしょうか。
ところで、学校では、児童・生徒にとって様々な思いをつのらせる学級編成をどのようにして行っているのでしょうか。公立学校の学級編制の仕方や学校における教員数の算出については、「公立義務教育諸学校の編制及び教職員定数の標準に関する法律」に定められています。
義務教育水準の維持向上のため、学級規模と教職員配置の適正化を図ることを目指して、学級編成と教職員定数の標準について必要な事項を定めたものですが、この法律によれば、小・中学校の通常の学級における1学級の定員は40人とされています。なお、高等学校についても「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」によって、1学級の定員は小・中学校と同様に40人とされています。
従って、ある学年の児童生徒の総人数が40人以内であれば、その学年の学級数は1学級となります。一方、40人から一人増えるだけで、学級数は2学級になり、20人の学級と21人の学級の2学級になります。学級数が増えると、比例して教員の数も増えることになりますので、児童・生徒の人数は、学校にとってとても大切な数字といえます。
このように、1学級の定員数を学級編制基準と呼んでいます。昭和30年代は1学級50人でしたが、東京オリンビックが行われた1964年には45人となり、40人学級が実施されたのは80年になってからです。その後、学級編成基準は変更されていませんが、都道府県の判断により、児童生徒の実態等を考慮して40人を下回る学級編成基準の設定が可能となり、09年度は都道府県において小学校の低学年を中心に40人を下回る少人数学級が実施されています。
こうした中で文部科学省では、教員が児童・生徒と向き合え時間を確保するとともに、新しい学習指導要領を円滑に実施しながら、確かな学力の確立や豊かな心の育成を初めとした様々な教育課題に適切に対応するため、今後の学級編制及び教職員定数の在り方について検討を始めました。
11年度に向けて現行の40人から35人学級へと、学級編成基準の見直しがされるかどうかが焦点となりますが、学級集団としての最低人数を何人とするかという問題もあり、今後の議論に注目していきたいと思います。
児童・生徒にとっては、学級編成基準が何人かという量的なことよりは、自分を高めてくれる友人や担任の先生と出会えるかどうかといった質的なことのほうが重要かもしれません。
OECDの調査でも明らかなように、我が国の教育環境が少しでも国際的な水準に近づけるようになることが、私たち大人の責務ではないでしょうか。
『都政新報』(2010/4/13【教職員ノート】①)
4月になり、学校では新学期を迎えます。新たに小・中学校や高等学校に入学する児童・生徒も、また次の学年に進級する児童・生徒も、入学式や始業式を待ち遠しく思っていることでしょう。その思いの大部分は、新しいクラスで一緒になる人はだれか、どんな人と巡り会えるか、担任の先生はどんな人か、などといったことではないでしょうか。
ところで、学校では、児童・生徒にとって様々な思いをつのらせる学級編成をどのようにして行っているのでしょうか。公立学校の学級編制の仕方や学校における教員数の算出については、「公立義務教育諸学校の編制及び教職員定数の標準に関する法律」に定められています。
義務教育水準の維持向上のため、学級規模と教職員配置の適正化を図ることを目指して、学級編成と教職員定数の標準について必要な事項を定めたものですが、この法律によれば、小・中学校の通常の学級における1学級の定員は40人とされています。なお、高等学校についても「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」によって、1学級の定員は小・中学校と同様に40人とされています。
従って、ある学年の児童生徒の総人数が40人以内であれば、その学年の学級数は1学級となります。一方、40人から一人増えるだけで、学級数は2学級になり、20人の学級と21人の学級の2学級になります。学級数が増えると、比例して教員の数も増えることになりますので、児童・生徒の人数は、学校にとってとても大切な数字といえます。
このように、1学級の定員数を学級編制基準と呼んでいます。昭和30年代は1学級50人でしたが、東京オリンビックが行われた1964年には45人となり、40人学級が実施されたのは80年になってからです。その後、学級編成基準は変更されていませんが、都道府県の判断により、児童生徒の実態等を考慮して40人を下回る学級編成基準の設定が可能となり、09年度は都道府県において小学校の低学年を中心に40人を下回る少人数学級が実施されています。
こうした中で文部科学省では、教員が児童・生徒と向き合え時間を確保するとともに、新しい学習指導要領を円滑に実施しながら、確かな学力の確立や豊かな心の育成を初めとした様々な教育課題に適切に対応するため、今後の学級編制及び教職員定数の在り方について検討を始めました。
11年度に向けて現行の40人から35人学級へと、学級編成基準の見直しがされるかどうかが焦点となりますが、学級集団としての最低人数を何人とするかという問題もあり、今後の議論に注目していきたいと思います。
児童・生徒にとっては、学級編成基準が何人かという量的なことよりは、自分を高めてくれる友人や担任の先生と出会えるかどうかといった質的なことのほうが重要かもしれません。
OECDの調査でも明らかなように、我が国の教育環境が少しでも国際的な水準に近づけるようになることが、私たち大人の責務ではないでしょうか。
『都政新報』(2010/4/13【教職員ノート】①)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます