パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「鮒に思う」

2011年02月14日 | 藤田の部屋
  ★ 立川、葛飾に続く「言論表現の自由」圧殺を許すな! ★
  最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!

  ■□■ 1月28日(金)第8回最高裁要請行動を行いました ■□■

「ベニヒワ」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 ◎ 「鮒に思う」

 20年くらい前、池を作った。
 畳一畳半ほどの池である。
 近くの沼で釣って来た鮒を入れた。
 その鮒が子を作り今や50匹を超えた。
 
 鮒は日々何を思って生きているのか。
 狭い世界に生れずっとそこにいる。
 池の水を抜かない限り何十年もそこにいる。
 そうした責任はすべて私にある。

 去年の夏は異常に暑かった。
 水道水を入れなかったせいで2匹が飛び出して死んだ。
 殺した責任は私にある。
 今年の夏は冷たい水を必ず入れよう。

 鮒の一生は体長の10倍ほどの世界である。
 私で言えば17メートルの範囲の世界だ。
 そこを行ったり来たりしている。
 監獄にいるのと同じであろう。

 宇宙を見渡せる者がいるとしたら、
 私もまた鮒みたいなものだ。
 地球の小さな島の中にいてうろうろしている。
 一体何を思って行ったり来たりしているのだろうと。

 鮒は何を思って池の中にいるのか。
 鮒が生きてる限り私も生きねばならない。
 閉じ込めた責任は私にある。
 死ぬと分ったら沼に解放せねばならない。

 閉じ込めてしまったのに抗議もなければ襲撃もない。
 それをいいことに私は彼らを閉じ込めつづける。
 毎日鮒のことを思って私は生きる。
 私と鮒は同じなのだ。

 鮒は太陽を見るのだろうか。
 私は一日中2階の部屋のカーテンを通して太陽を見る。
 太陽の熱い光を浴び続ける。
 そして陽が落ちて一日が終わる。

 鮒よ、今日も一日が終わったのだ。
 鮒よ、水草は食べたか。
 明日はパンを投げ込んであげよう。
 鮒よ、もう少ししたら春が来るよ。

       2011.2.9    藤田 勝久
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