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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

安倍教育再生機構の実験場だった武蔵村山市が変わる

2020年12月27日 | こども危機
  《教科書ネット21ニュースから》
 ◆ 努力して続ければ山は動く
   -9年間のとりくみで「育鵬社」不採択

板谷質重(いたや・もとしげ 武蔵村山子どもの教育と文化を育てる会)

 今年の武蔵村山の教科書採択では、みなさんのご協力で、9年間使い続けてきた育鵬社教科書を不採択にさせる事ができました。
 「良かったね。9年間の長い闘いだったけど今までの取り組みの成果だ」と、長い闘いの成果をみんなで喜び合いました。
 当初、市教委は傍聴者20名ほどの会場を用意しました。「今年は、武蔵村山は注目されている。都内や近隣市からも傍聴者は来る。全員入る部屋を用意しろ」と何度も要求しました。採択日10日前の8月7日に、ようやく千人も入る市民会館大ホールを用意したのです。
 もっと傍聴者を集めようと、電話をかけ、猛暑の中一週間、市内全域を宣伝カーで駆け回り一生懸命傍聴参加を訴え、当日は88名の傍聴者が駆けつけてくれました。
 M教育長のときは、育鵬社を採択させようと強引に会議を進め、各教育委員も緊張して意見を言っていましたが、今回はどの委員ものびのびと教科書のどこが良いのかを発言し、全員一致で帝国書院に決定しました。
 ◆ 武蔵村山は安倍教育再生機構の実験場にされた

 前教育長、M氏は2000年に国立市の小・中学校に「日の丸」掲揚を強行し、2004年からは都教委の「君が代」処分で、かなり中心に座っていた人物と聞いています。そのM氏が都教委から2008年に武蔵村山の教育長として派遣されてきました。
 M氏は武蔵村山を安倍教育再生機構の実験場として教育行政を進めてきました。
 上意下達の指示命令で動く教育行政・学校体制にし、学校選択制2学期制道徳の文科省指定校引き受け、学力テスト漢字検定などの選別競争教育、小中学生に文科省より先に、領土問題礼儀作法パンフ等の作成、指導強要をしました。
 また、2015年採択も育鵬社をねらい「日本がもっと好きになるという」育鵬社宣伝パンフを全中学生に配布し、2015年も強引に育鵬社教科書採択をしたのです。
 ◆ ビラ15万枚以上を全戸配布

 育てる会はこれらのことに抗議し、何度も要請をしました。それまでの年一回の教育市民集会の取り組みから、2~3ケ月に一度、例会を開き、教科書のこと・学校での子どもの様子、指導要領のことなど、講師を呼び学習しました。
 教育市民集会と例会は9年間で約40回開き、延べ人数は約2000人以上になります。
 毎月出している約2千部の「育てる会ニュース」の他に、教育問題や戦争法反対などを訴えるビラを教科書採択時や市民集会のお知らせとして合計7回出し、15万枚以上を全戸配布しました。これは、都教組各支部や三多摩法律事務所など子どもと教育を守る市民・民主団体などの応援で出来たことです。
 また、育てる会は様々な教育問題の要望書を市教委に提出し、市教委も要望を受け入れるようになってきました。
 市長選で教育行政の批判をおそれた市長は、M氏を辞めさせ教育長を替えたのです。
 私たちの運動の成果が、今実ったのです。「努力して続ければ山は動く」です。
 これからも指導要領改善・少人数学級実現・教員の大幅増員・変形労働時間制反対等の取り組みを進めていくつもりです。
『子どもと教科書全国ネット21NEWS 134号』(2020年10月15日)

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