「立たないとクビッ!?改悪教育基本法の実働化をとめよう!12・22全国集会」資料
新教組ニュース №13・2006年10月18日
新宿区西新宿4-35-28 新宿区教職員組合情宣部発行
▲ O小新規採用教員の自殺について。
(自殺は)「個人の責任に帰すべきことではない」「御遺族の意向を踏まえながら、公務災害の申請が認められる方向で配慮したい」と、教育委員会が議会で答弁。
9月19日から新宿区議会が開かれ、2006年6月1日自殺した新規採用教員のMさんの事件が議会の中で議論されました。民主党の久保議員、そして新社会党の山田議員により質問があり、いくつかのことが明らかになりました。(区議会中継が今回からインターネットで、いつでも好きなときに見ることができるようになりました。新宿区議会・議会中継で検索してください。)
教職員の精神疾患と自殺は、文部科学省によると、精神性疾患により休職した公立小中高などの教職員は2002年度2687人・03年度3194人、04年度3559人といずれも過去最多を更新。自殺者も警察庁の統計で03年74人、04年83人、05年87人と増加傾向にあります。
一週間に1.5人の教員が自殺していることになります。05年度採用の新人教員に限ると、精神疾患などの病気で依願退職したのは64人(04年度61人)で、自殺者は2人(04年度4人)でした。
○ B校長の独断で決めた教科担任制度
O小は昨年度「特色ある学校」として教科担任制度を導入することを決めました。
B校長の教科担任制度の導入提案に対して、学校の規模も小さく単学級等の理由で教科担任制度は無理であると、ほとんどの教職員が反対しましたが、B校長の独断で決めてしまいました。「S指導主事はこのことを絶賛した」といわれていますが、今年度から教科担任制度が導入されることになりました。(自殺事件のあとは、教科担任制度は見合わせている。)
教職員は「B校長の下では、納得できる仕事ができない」と6人いる異動対象者全員が異動希望を出しました。その結果(退職者も含め)今年度からは2名いた主幹がO名。単学級の担任6名のうち4名が異動。という通常ではありえない学校体制でスタートしました。新しく来られた4名の方の中にMさんがいました。
Mさんは新聞報道によると『子どもが好きで、大学時代には紙芝居の読み聞かせのボランティアに参加した。友人には「先生の仕事を通じて自分も成長していくのが楽しみ」と夢を語っていた。教員採用試験の結果は極めて優秀だった。面接に立ち会った教育委員会の担当者は思った「教職への情熱がある。いい先生になりそうだな」』と書かれています。
4月に採用されて2ヶ月。夢と希望を持って教職に就いたMさんに何があったのでしょうか。
単学級22人の2年1組の子供たちとの出会い。年間300時間もの初任者研修。大幅な人事異動で教職員集団がまだ集団として機能していない学校現場。新しくこられた教員にとっても自分の周りのことで頭がいっぱいの中、新規採用者に対してB校長はどんな指導をしたのでしょうか。校長の人事構想でMさんに対してどんな配慮がなされたのでしょうか。学年人事・校務分掌・新規採用者の研修体制など、Mさんはうまく仕事をこなししていたのか、教育委員会はどのように把握していたのでしょうか。
○ パワハラ・職責を果たさないB校長
B校長はA小学校の教頭時代から「教職員に信頼されていない」という情報が組合にありました。当時教育委員会にも、その情報は伝わっており、何らかの指導がなされたのだろうと考えていました。しかし、何ら改善されず、以下のような行動や言動がありました。
■人を分け隔てする
来校者に対し、茶菓の接待を禁じるが、指導主事や自分の知人に限り茶菓で接待する。
■実態に合わない学校運営を押し通す
教科担任制度は教職員の反対を押し切って実行させ、特に学級担任を疲弊させた。教材費の集金を1日で集めさせてその日のうちに業者に支払えと命じ、集まらないことがあっても一切認めない。そのため教員のほとんどが立て替え払いをしてきた。思いつきの実現のためには手段を選ばない。担当者に諮らず自分のいうことを聞くものにいわせる。うまくいかないと担当者の責任にする。手柄は自分のもの、ミスは部下の責任といった考えで職員のやる気を失わせた。
■問題が起きても気づかないふりをする
昨年度、新規採用者の学級が荒れたときも、対応を副校長や主幹だけに任せ、自分は教室に足を運ぼうとしなかった。保護者が担任への不満を言いにくると、その内容をストレートに担任に突きつける。そのための心労が重なり、休んだものもいた。副校長が学級の補佐にはいることを許さない。学級担任のSOSを無視しようとする。
■何でも副校長の責任にしようとする
毎日、長時間にわたり副校長に説教し、ほとんど怒鳴り声としか聞こえないような声で話す。来客や保護者がいても関係なく、学校への信頼度が下がってしまった。長時間にわたり縛り付けた上に、書類のやり直しを何度でも命じる。
■職責を果たさない
校長室の応接室としての機能を認めず、私室として使用。指導主事や自分の知人にのみ入室を許し、地域・保護者・ボランティア等は閉め出す。会議等で落ち着いて話を聞かない。必ず中座する。職員を信用していない。「まあ、いいわ」「ちょっとだけがんばれば」と、馬鹿にする。
その他、信じられないような行動・言動が寄せられています。
報道によると、『「思うように学級が運営できない焦りがあったのだろうか」「保護者と保身ばかり考えている校長との板挟みになったのではないか」関係者の間では様々な憶測が流れるが、自殺の真相は明らかにされないまま、学校は以前の姿を取り戻そうとしている。「教員になってよかった。そんな経験を彼女はどれだけできただろうか。」重い口を開いた同僚の一人は、絞り出すような声で言った。「忙しすぎてほかの先生に気が回らない。職員室みんながSOSを発している。」』
教育委員会は10月2日の議会答弁の中でO小新規採用教員の自殺について、自殺は「個人の責任に帰すべきことではない。」「家族の意向を踏まえながら、公務災害の申請が認められる方向で配慮したい」と答えています。
教員の自殺は今までほとんど公務災害が適用されていません。しかし、今回の事件はB校長による独善的学校運営・パワハラが大きく関わっていることが浮き彫りにされてきました。公務災害の申請が認められる方向で配慮するという新宿区教育委員会の考えは評価されます。
このような校長の下で仕事をしなければならなかったMさんは、どんな気持ちだったのでしょうか。改めて故人のご冥福をお祈りいたします。二度とこのような事件が起きないよう、今回の事件の真相究明に向けていきたいと考えています。
新教組ニュース №13・2006年10月18日
新宿区西新宿4-35-28 新宿区教職員組合情宣部発行
▲ O小新規採用教員の自殺について。
(自殺は)「個人の責任に帰すべきことではない」「御遺族の意向を踏まえながら、公務災害の申請が認められる方向で配慮したい」と、教育委員会が議会で答弁。
9月19日から新宿区議会が開かれ、2006年6月1日自殺した新規採用教員のMさんの事件が議会の中で議論されました。民主党の久保議員、そして新社会党の山田議員により質問があり、いくつかのことが明らかになりました。(区議会中継が今回からインターネットで、いつでも好きなときに見ることができるようになりました。新宿区議会・議会中継で検索してください。)
教職員の精神疾患と自殺は、文部科学省によると、精神性疾患により休職した公立小中高などの教職員は2002年度2687人・03年度3194人、04年度3559人といずれも過去最多を更新。自殺者も警察庁の統計で03年74人、04年83人、05年87人と増加傾向にあります。
一週間に1.5人の教員が自殺していることになります。05年度採用の新人教員に限ると、精神疾患などの病気で依願退職したのは64人(04年度61人)で、自殺者は2人(04年度4人)でした。
○ B校長の独断で決めた教科担任制度
O小は昨年度「特色ある学校」として教科担任制度を導入することを決めました。
B校長の教科担任制度の導入提案に対して、学校の規模も小さく単学級等の理由で教科担任制度は無理であると、ほとんどの教職員が反対しましたが、B校長の独断で決めてしまいました。「S指導主事はこのことを絶賛した」といわれていますが、今年度から教科担任制度が導入されることになりました。(自殺事件のあとは、教科担任制度は見合わせている。)
教職員は「B校長の下では、納得できる仕事ができない」と6人いる異動対象者全員が異動希望を出しました。その結果(退職者も含め)今年度からは2名いた主幹がO名。単学級の担任6名のうち4名が異動。という通常ではありえない学校体制でスタートしました。新しく来られた4名の方の中にMさんがいました。
Mさんは新聞報道によると『子どもが好きで、大学時代には紙芝居の読み聞かせのボランティアに参加した。友人には「先生の仕事を通じて自分も成長していくのが楽しみ」と夢を語っていた。教員採用試験の結果は極めて優秀だった。面接に立ち会った教育委員会の担当者は思った「教職への情熱がある。いい先生になりそうだな」』と書かれています。
4月に採用されて2ヶ月。夢と希望を持って教職に就いたMさんに何があったのでしょうか。
単学級22人の2年1組の子供たちとの出会い。年間300時間もの初任者研修。大幅な人事異動で教職員集団がまだ集団として機能していない学校現場。新しくこられた教員にとっても自分の周りのことで頭がいっぱいの中、新規採用者に対してB校長はどんな指導をしたのでしょうか。校長の人事構想でMさんに対してどんな配慮がなされたのでしょうか。学年人事・校務分掌・新規採用者の研修体制など、Mさんはうまく仕事をこなししていたのか、教育委員会はどのように把握していたのでしょうか。
○ パワハラ・職責を果たさないB校長
B校長はA小学校の教頭時代から「教職員に信頼されていない」という情報が組合にありました。当時教育委員会にも、その情報は伝わっており、何らかの指導がなされたのだろうと考えていました。しかし、何ら改善されず、以下のような行動や言動がありました。
■人を分け隔てする
来校者に対し、茶菓の接待を禁じるが、指導主事や自分の知人に限り茶菓で接待する。
■実態に合わない学校運営を押し通す
教科担任制度は教職員の反対を押し切って実行させ、特に学級担任を疲弊させた。教材費の集金を1日で集めさせてその日のうちに業者に支払えと命じ、集まらないことがあっても一切認めない。そのため教員のほとんどが立て替え払いをしてきた。思いつきの実現のためには手段を選ばない。担当者に諮らず自分のいうことを聞くものにいわせる。うまくいかないと担当者の責任にする。手柄は自分のもの、ミスは部下の責任といった考えで職員のやる気を失わせた。
■問題が起きても気づかないふりをする
昨年度、新規採用者の学級が荒れたときも、対応を副校長や主幹だけに任せ、自分は教室に足を運ぼうとしなかった。保護者が担任への不満を言いにくると、その内容をストレートに担任に突きつける。そのための心労が重なり、休んだものもいた。副校長が学級の補佐にはいることを許さない。学級担任のSOSを無視しようとする。
■何でも副校長の責任にしようとする
毎日、長時間にわたり副校長に説教し、ほとんど怒鳴り声としか聞こえないような声で話す。来客や保護者がいても関係なく、学校への信頼度が下がってしまった。長時間にわたり縛り付けた上に、書類のやり直しを何度でも命じる。
■職責を果たさない
校長室の応接室としての機能を認めず、私室として使用。指導主事や自分の知人にのみ入室を許し、地域・保護者・ボランティア等は閉め出す。会議等で落ち着いて話を聞かない。必ず中座する。職員を信用していない。「まあ、いいわ」「ちょっとだけがんばれば」と、馬鹿にする。
その他、信じられないような行動・言動が寄せられています。
報道によると、『「思うように学級が運営できない焦りがあったのだろうか」「保護者と保身ばかり考えている校長との板挟みになったのではないか」関係者の間では様々な憶測が流れるが、自殺の真相は明らかにされないまま、学校は以前の姿を取り戻そうとしている。「教員になってよかった。そんな経験を彼女はどれだけできただろうか。」重い口を開いた同僚の一人は、絞り出すような声で言った。「忙しすぎてほかの先生に気が回らない。職員室みんながSOSを発している。」』
教育委員会は10月2日の議会答弁の中でO小新規採用教員の自殺について、自殺は「個人の責任に帰すべきことではない。」「家族の意向を踏まえながら、公務災害の申請が認められる方向で配慮したい」と答えています。
教員の自殺は今までほとんど公務災害が適用されていません。しかし、今回の事件はB校長による独善的学校運営・パワハラが大きく関わっていることが浮き彫りにされてきました。公務災害の申請が認められる方向で配慮するという新宿区教育委員会の考えは評価されます。
このような校長の下で仕事をしなければならなかったMさんは、どんな気持ちだったのでしょうか。改めて故人のご冥福をお祈りいたします。二度とこのような事件が起きないよう、今回の事件の真相究明に向けていきたいと考えています。
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