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東京「日の丸・君が代」処分取消訴訟(一次訴訟)原告団・弁護団声明

2011年03月10日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 《東京「日の丸・君が代」処分取消訴訟(一次訴訟)原告団・弁護団声明》
 ◎ 「君が代」処分取消訴訟は、原告逆転勝訴
声 明

1 本日(3月10日)、東京高等裁判所第2民事部(大橋寛明裁判長)は、都立学校の教職員168名が卒業式等の国歌斉唱時に校長の職務命令に従って起立斉唱・ピアノ伴奏しなかったために懲戒処分(1名が減給、167名が戒告)されたことに対し、処分の取消しと国家賠償を求めた事件につき、教職員らの請求を棄却した第一審東京地方裁判所判決を取消し、懲戒処分を取消す逆転勝訴判決を言い渡した。
2 本件は、東京都教育委員会(都教委)が2003年10月23日付で全都立学校の校長らに通達を発し(10・23通達)、卒業式・入学式等において国歌斉唱時に教職員らに対し、指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱すること、伴奏すること等を命じて、「日の丸・君が代」の起立斉唱強制を進める中で起きた事件である。
 都教委は、卒業式等の国歌斉唱時に起立斉唱またはピアノ伴奏せよという校長の職務命令に違反したとして、控訴人らを戒告・減給等の懲戒処分とした。
3 判決は、控訴人らの不起立行為等は、自己の個人的利益や快楽の実現を目的としたものでもなく、生徒に対し正しい教育を行いたいなどという歴史観ないし世界観又は信条及びこれに由来する社会生活上の信念等に基づく真摯な動機によるものであり、少なくとも控訴人らにとっては、やむにやまれぬ行動であったということができる、と判示した。
 さらに、「歴史的な理由から、現在でも『日の丸』・『君が代』について、控訴人らと同様の歴史観ないし世界観又は信条を有する者は、国民の中に少なからず存在しているとみられ、控訴人らの歴史観等が、独善的なものであるとはいえない。また、それらとのかかわりにおいて、国歌斉唱に際して起立する行動に抵抗を覚える者もいると考えられ、控訴人らも、1個人としてならば、起立を義務づけられることはないというべきであるから、控訴人らが起立する義務はないと考えたことにも、無理からぬところがある」と判示した。
 そして、控訴人らの行為によって卒業式等が混乱したという事実はなかったこと等も踏まえ、結論として、不起立行為などを理由として懲戒処分を科すことは、社会通念上著しく妥当を欠き、重きに失するとして、懲戒権の範囲を逸脱・濫用するものであるとして違法であるとし、控訴人らに対してなされた各懲戒処分を取り消した。
 一方で、10・23通達及び職務命令は、憲法19条及び20条に違反せず、改定前教育基本法10条の「不当な支配」にもあたらないと判断した。
 また、損害賠償請求については認めなかった。

4 私たちは、判決が、本件懲戒処分を裁量権逸脱として取り消したことを、高く評価する。
 一方で、「日の丸・君が代」を職務命令をもって強制することを憲法19条違反、改定前教育基本法10条違反と判断しなかったことについては、承服しがたい。
5 都教委は本件において下された司法判断を上告せずに受け入れ、すべての教職員に対する懲戒処分を撤回するとともに、直ちに10・23通達を撤回し、教育現場での「日の丸・君が代」の強制をやめるべきである
 この判決を機会に、教育現場での「日の丸・君が代」の強制に反対するわたしたちの訴えに対し、皆様のご支援をぜひともいただきたく、広く呼びかける次第である。
 2011年3月10日
東京「日の丸・君が代」処分取消訴訟(一次訴訟)原告団・弁護団

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