◆ 大阪における人事査定システムとの闘い
大阪府の公立学校現場に,人事査定システムが導入されて5年近く経ちました。その5年間に、大阪府の教育行政のあり方は大きく変化しました。残念ながら、教職員と子どもたちにとってマイナスの方向へと舵取りがされたのです。
この人事査定システムは,「評価・育成システム」と呼ばれる教職員評価制度の評価結果を昇給や勤勉手当に反映させるものです。
「評価・育成システム」は,教職員による自己申告票の提出を柱とするものですが,他と大きく異なる点があります。それは,自己申告票不提出者については「総合評価なし」として,それが2年続けば「昇給なし」「勤勉手当の成績率は最下位ランク」とするという点です。
人事査定システムに反対する闘いは,裁判闘争をはじめ,苦情審査会への苦情申し立て,府教委・市教委交渉,職場でのとりくみなどさまざまな角度から取り組まれてきました。それらは,将来的にはシステムそのものの撤廃を視野に入れつつ,おおむね2つの分野に分けることができます。
第1に,出されてきた評価結果の恣意性,不当性を問う闘い,第2には自己申告票不提出者への賃金反映上の差別を問う闘いです。
職場でのとりくみの多くや苦情審査会への苦情申し立て,教育合同が取り組んだ「教職員エコ訴訟」は第1の分野での闘いですし,日教組系の組合員を中心に進められてきた「新勤評訴訟」や教育合同の他に大阪学校事務労働者組合,高槻学労ネットの組合員も参加している「不提出訴訟」は第2の分野での闘いです。
「新勤評訴訟」がいわば教育裁判として展開されてきたのに対して,私も原告となっている「不提出訴訟」は賃金裁判としての性格を持っています。つまり,自己申告票不提出を理由とする「総合評価なし」は地方公務員法40条違反であることを軸に,賃金反映の違法性を主張して裁判闘争を闘っているのです。大阪地裁では敗訴し,来る1月26日に大阪高裁での控訴審判決を控えている状況です。
残念ながら「教職員エコ訴訟」は一審で敗訴し,そのまま終結。「新勤評訴訟」も高裁での敗訴の後,最高裁に上告している段階です。
大阪府教委は今年になって,この人事査定システムについて教職員アンケートを実施しました。恣意的な質問項目にもかかわらず,校長や市町村教委の教育長の74%が「給与への反映は教職員の意欲や資質の向上にっながらない」と考えでいることが明らかになりました。
このアンケート結果もあって,府教委は当初は10月中に提案すると言っていた新たな賃金反映案をいまだに提案できずにいます。先日組合に示された文書では,勤勉手当への反映は引き続いて行うが,昇給への反映については「是非」も含めて検討していくとしています。
私たちは,不提出訴訟控訴審の判決がどうであれ,人事査定システムの撤廃,空洞化をめざして,引き続いて闘いを作り出していく決意です。
『ほっととーく 96』より
「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会
〒176-0012 練馬区豊玉北5-17-7-303 サポートねりまねりま全労協気付
郵便振替:00140-6-517545 加入者名:声をあげる市民の会
大阪府の公立学校現場に,人事査定システムが導入されて5年近く経ちました。その5年間に、大阪府の教育行政のあり方は大きく変化しました。残念ながら、教職員と子どもたちにとってマイナスの方向へと舵取りがされたのです。
この人事査定システムは,「評価・育成システム」と呼ばれる教職員評価制度の評価結果を昇給や勤勉手当に反映させるものです。
「評価・育成システム」は,教職員による自己申告票の提出を柱とするものですが,他と大きく異なる点があります。それは,自己申告票不提出者については「総合評価なし」として,それが2年続けば「昇給なし」「勤勉手当の成績率は最下位ランク」とするという点です。
人事査定システムに反対する闘いは,裁判闘争をはじめ,苦情審査会への苦情申し立て,府教委・市教委交渉,職場でのとりくみなどさまざまな角度から取り組まれてきました。それらは,将来的にはシステムそのものの撤廃を視野に入れつつ,おおむね2つの分野に分けることができます。
第1に,出されてきた評価結果の恣意性,不当性を問う闘い,第2には自己申告票不提出者への賃金反映上の差別を問う闘いです。
職場でのとりくみの多くや苦情審査会への苦情申し立て,教育合同が取り組んだ「教職員エコ訴訟」は第1の分野での闘いですし,日教組系の組合員を中心に進められてきた「新勤評訴訟」や教育合同の他に大阪学校事務労働者組合,高槻学労ネットの組合員も参加している「不提出訴訟」は第2の分野での闘いです。
「新勤評訴訟」がいわば教育裁判として展開されてきたのに対して,私も原告となっている「不提出訴訟」は賃金裁判としての性格を持っています。つまり,自己申告票不提出を理由とする「総合評価なし」は地方公務員法40条違反であることを軸に,賃金反映の違法性を主張して裁判闘争を闘っているのです。大阪地裁では敗訴し,来る1月26日に大阪高裁での控訴審判決を控えている状況です。
残念ながら「教職員エコ訴訟」は一審で敗訴し,そのまま終結。「新勤評訴訟」も高裁での敗訴の後,最高裁に上告している段階です。
大阪府教委は今年になって,この人事査定システムについて教職員アンケートを実施しました。恣意的な質問項目にもかかわらず,校長や市町村教委の教育長の74%が「給与への反映は教職員の意欲や資質の向上にっながらない」と考えでいることが明らかになりました。
このアンケート結果もあって,府教委は当初は10月中に提案すると言っていた新たな賃金反映案をいまだに提案できずにいます。先日組合に示された文書では,勤勉手当への反映は引き続いて行うが,昇給への反映については「是非」も含めて検討していくとしています。
私たちは,不提出訴訟控訴審の判決がどうであれ,人事査定システムの撤廃,空洞化をめざして,引き続いて闘いを作り出していく決意です。
(大阪教育合同労働組合執行委員 寺本 勉)
『ほっととーく 96』より
「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会
〒176-0012 練馬区豊玉北5-17-7-303 サポートねりまねりま全労協気付
郵便振替:00140-6-517545 加入者名:声をあげる市民の会
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