パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 明けない夜はない(203)

2023年06月20日 | 「日の丸・君が代」強制反対

 ★ <「10・23通達」から20年、いま教育現場は(上)>

<転送歓迎>(重複ご容赦)・「新芽ML」・「ひのきみ全国ネット」・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」の渡部です。

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(少し長いです)

 昨日(6月18日)、「10・23通達から20年 教育現場の実態と悩みを聞き交流する会」(主催:都教委包囲首都圏ネット)が開かれました(12人参加)。講師は、宮沢弘道さん(多摩島しょ教組委員長)で、以下のようなことを話してくれました。

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<1,教員の現状>

 戦後長い間、校長・教頭以外はみんな平等といういわゆる鍋葢型の教員組織だったのが、
 現在は、

「統括校長⇒校長⇒副校長⇒主幹教諭・指導教諭⇒主任教諭⇒教諭」

 というようにピラミッド型の組織になってしまった。

 そして上に上がるには受験しなければならない。
 上に上がらなければベースアップはほとんどない
 これによって、職員室の雰囲気は変わり、教員は分断されギスギスし、ののしり合いも起きてきている。
 これでは学校がうまく回らない。

 「働き方改革」と言われるが、どんどん新しいものが入れられてきており、すべて上からのもので、下からのものはない。

 スクールスタッフが各校1名入れられたがマルつけまでもやっている。
 これは担任がやってこそそれぞれの子どもの状態が分かるものだ。

 「教員不足の原因」について報道などでは

・定額働かせ放題、
・保護者対応、
・免許更新制、
・ブラック労働問題、

 などと言われるが、本質は別のところにある。

・現場に自由がない
民主的ではない
やりがいが何も生まれてこない、
・上から一方的でクリエーティブではない、

 だから教員に魅力を感じないからだ。
 また、教職員の管理強化が強いことだ。それは

・職員室の階層化、
・人事考課制度の強化、
・職員会議の形骸化、
・減らないパワハラ、

 などに現れている、「日の丸・君が代」の問題は意見を出すことさえできず、職員会議は単なる伝達の場になり、職員会議がない学校も増えている。
 パワハラでは校長の意にそわない教員への退職強要も多い。

 「人事考課制度の強化」もひどい。
 ・ABCDの4段階と給与が繋がっており、Dになれば首になる可能性が強まる。

 ・自己申告という名の管理職申告が実際だ。

 自己申告なのに管理職が気に入らないと赤ペンで直すように強要される。
 自分はよくできたと思いAを付けても校長はCをつけ、やり直させる。

 ・校長が学校への評価を気にすれば、パワハラが起きて来る。
 ・これでは病人も増え、学校現場は疲弊している。

★ 「ブラック企業化する不採用比率」について。

 東京都教育庁発表によると、(正式採用とならなかった者の割合)は、

平成29年度は2.5%(82人)、
平成30年度は3.2%(89人)で、
令和4年度は4.49%(101人)だった。

 その半数は校長による退職強要だ。
 2005年(平成17年)までは不採用率は1%前後だった。

 「組合の弱体化」も教員不足の原因になっている。
 これにより、「指示待ち教員」が増えている。
 働き方改革すらも、トップダウンで進む現実。

 その結果、改善の機会、相談場所の喪失となり、諦めへとつながる。
 また、つまらない官製研修しか知らないことによる学ぶ意識の減退。

 教科書も酷いものになってきており、「ワークブック」(自学自習のテキスト)のようなものだ。
 「道徳」などは指定された「項目」(徳目)ごとに、結論が出るように誘導されている。

 教科書には沢山のQRコードがつき、生徒全員に配布されたタブレットで見ることができるようになっている。
 (防衛省のHPなどもみられるようだ:渡部)

 その結果、現場には疲弊と諦めが漂っている。
 それ以外にも「教員不足の原因」について、教員が自分のことを「先生」といような(特殊なカ学校文化)、も話されましたが。割愛します。


<2,憲法・人権・道徳と教育>

 ここでは、2002年「健康増進法」施行で、(現在、私たちは心も体も国家の管理下にあります)ということで、それは「道徳」の教科化により心も身体も「評価対象」になったことが大きいと話されました。
 メタボ85cm以上は校長室に呼ばれたそうです。

 その後「政治に無関心な教員」について次のようなことを話されました。

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 選挙になると管理職が職員会議でいかにも教員が選挙・政治活動をやってはいけないかのように話をする。
 しかし、教員が選挙・政治活動をやってはいけないなどということはない。
 しかし現在、職員室では政治の話ができない、政治の話は悪、というような雰囲気がある

 教室に「人権」「平和」を大事にしようと言うような言葉を掲げたら、ある若い教委員が「平和などと言っていいんですか」と聞いて来た。
 憲法に書いてあることさえ疑問を持つような教員たち、
 主権を放棄している教員たちに、どうして「主権者教育」などができるだろうか

 (憲法前文には「恒久の平和を念願し」「国際平和を誠実に希求し」などと述べてある:渡部)

 以下、「子どもと人権」「人権と道徳は別物」などについても語ってくれましたが、割愛します。

<3,教職員組合の現状>

 東京教組の人員は現在厳しい状況で、そうなるとアンテナが立たず、多くの職場でどのようなことが起きているかもわからなくなる。対応のしようも無くなる。

 組合に対する「デミリット論(メリットがない)」というのがある。
 「ますます忙しくなる」「組合費が高い」など。

 しかし、その結果みんな苦しい状況に追い込まれている。
 だから、いかに苦しんでいる仲間に寄りそい、どれだけ支えられるかが大事だ。
 そして、組合に入ったら、学習会をして、ともに闘って行けるようにすることだ。
 そうした「草の根の活動」が重要だ。

 (ちなみに、2022年の日教組の組織率は、前年比0.7ポイント減の20.1%となり、過去最低を更新した:渡部)

 以上みたように、「10・23通達」から20年、教育現場は、

・徹底した職階制による教員支配、
業績評価による教員間の分断、
・次々とトップダウンでやらされる仕事による過重労働、

 で疲弊し、教員たちは声も挙げられない状況に置かれていることがよくわかった。
 日本は「自由で民主主義な国」などと言うのは、教育現場においてはもはや死語である(労働現場も?)。

 教育現場は、「日の丸・君が代」の復活・強制・処分に典型的に現れているように、教員たちは声も挙げられず、「戦前回帰」のファシズム的な職場となっているのである。

 次回(下)に続く。

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★ 取組紹介

①「沖縄、再び戦場(いくさば)へ」(仮) スピンオフ作品(45分)上映会

<日時>2023年7月13日(木)18:45開場、19:00上映会開始
<場所>杉並区・阿佐ヶ谷地域区民センター 第1・2・3集会室(定員130名)
<上映後>
 ・映画の説明・毛利孝雄さん(沖縄大学・地域研究所特別研究員)
 ・質疑・討論
<資料代>500円
<主催>戦争をさせない杉並1000人委員会>
     連絡先:070-6477-2076(清光)

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②全国から集う!全国で闘う!

 第13回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会
   ~「新たな戦前」に向う教育の国家支配はゴメンだ!~
 日時:2023年7月23日(日)10:30~17:00(開場10:10)
 場所:日比谷図書文化館・コンベンションホール(地下階)
 講演:児美川孝一郎さん(法政大学教授)
 演題:『公教育の転覆をはかる教育DX
    ーー市場化、デジタル監視、新たな戦前ーー』
 主催:実行委員会(090-3543-8743(根津))
 資料代:500円
 ユーチューブ配信あり

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「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
     http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
       http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
       http://hinokimi.web.fc2.com/


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