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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ 国際人権活動日本委員会(JWCHR)人権デー省庁要請①法務省

2022年12月14日 | 人権

法務大臣 齋藤 健殿

◎ 要 請 書

 2020年から続くコロナ禍の影響により国連の自由権規約委員会を始めとして、人権条約関係の各委員会は開催が大幅に遅れていましたが、この8月に開催された障害者権利委員会に続いて、10月には自由権規約委員会の日本政府報告についての審査が行われました。また来年1月にはUPR審査での日本審査が行われる予定になっています。

 この間に開催された各委員会の日本審査では、日本政府に対しての委員からの質問に対する政府関係者の回答には従来行われた答弁を再度繰り返す場面も少なくなく、その姿勢に疑問を感じたものでした。障害者権利委員会及び自由権規約委員会から出された総括所見では厳しい内容の勧告が示されました。さらに加えてILOユネスコ合同委員会からは国内の教育現場で長年行われている国旗、国歌の強制問題について2度に亘ってその改善を求める勧告も一方で出されています。
 しかし、これまでも人権問題について国連の人権関係の各委員会から度々の勧告が出されていますが、残念ながら日本政府、各関係省庁におかれましては勧告内容を真摯に受け止め、誠意をもって対応するという姿勢が乏しく、また「法的拘束力がない」などを理由として、その内容が実現するに至っていません。
 現在も国連人権理事会に理事国の一員として代表を送っている日本政府、関係各省庁におかれては、これらの勧告に対し、また以下に示す私たちの要望に対して是非とも前向きな姿勢、対応を強く要請するものです。

1.自由権規約第一選択議定書(個人通報制度)の早期の批准を求めます。
 日本では自由権規約を1979年に批准して以来、自由権規約委員会から個人通報制度を規定する第一選択議定書の批准を求める勧告を何度も受けています。さらには、この11月に出された自由権規約委員会での日本審査の総括所見においても、再度にわたって「締約国は第一選択議定書への加入の見地から措置を講じなければならない」という、強い口調での勧告が示されました。これまで日本政府は「個人通報制度」について、国内の司法・立法制度との関係でその整合性などを問題として、他国の状況などを踏まえて検討する必要がある、などとして実現のための努力の様子も残念ながら見えません。国際的にはすでに自由権規約で116か国、女性差別撤廃条約でも109か国(2019年・日弁連資料より)で受け入れられている現状があり、「他国の状況を踏まえて検討する」という政府の見解は成り立ちません。人権理事国を務める日本の政府として、ぜひとも早期に個人通報制度の実現に向けて、選択議定書の批准に取り組んでいただくよう要求します。

2.死刑制度について、自由権規約委員会第7回総括所見に従い死刑の廃止を検討し、死刑廃止に向けた世論喚起をはじめること。再審請求中の死刑確定者について死刑を執行しないこと。

3.自由権規約に適合しないことが明白となった秘密保護法と共謀罪を廃止すること。

4.国際的な批判を浴びている「人質司法」(長期勾留や弁護人立会いのない取調べ)を直ちに中止すること。

5.本年ジュネーブでの自由権規約第7回日本審査の場で、10月14日ゴメス委員からの「公共の福祉」に関する質問に対して、法務省の担当者が答えられていました。その中で憲法の「公共の福祉(public welfare)」と自由権規約の「公の秩序(public order)」は、 同じ概念だと説明されていましたが、それは日本政府見解と理解して間違いありませんか。

6. 同じ法務省担当者の回答の中で、「異なった利益を調整するためのもの」の例として、経済的自由権である憲法22条(居住・移転・職業選択の自由」)を挙げておられましたが、自由権審査で第3回以来繰り返し勧告されているのは「表現の自由」など精神的自由権に対する公権力による抑圧の問題であるという認識はありませんか。
 第6回政府報告パラグラフ6に引用された「板橋高校卒業式事件最高裁判例」は、国際基準に合致していると今でも判断されていますか。過去の報告を訂正されるお考えはありませんか。

以上、参加者からの発言・意見を人権改善のために役立てることを強く要求します。


2022年12月9日
国際人権活動日本委員会(JWCHR)
(国連経社理特別協議資格NGO)
議長 : 鈴 木 亜 英
〒107-0005 東京都豊島区南大塚2-33-10
東京労働会館内
Tel: 03-3943-2420; Fax: 03-3943-2431;
E-mail:hmrights@yahoo.co.jp

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