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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆立ち読み『藤田勝久未刊の大作?』9

2005年01月14日 | 藤田の部屋
出版目指して、夜を日に継いで目下執筆中の労作を、当ブログ来訪者にこっそりお目にかけて、ご意見をたまわろうという趣向。そのかわり、出版されたら、必ず買ってね。

  ★3,16 都議会 都議・土屋ー教育長・横山 菊花の契り  「法的措置を・・・」

 都知事・石原の股肱の臣、土屋はその知事が抜擢した教育長・横山を尊敬してやまぬと言う。
 3月11日、板橋高校の卒業式で卒業生に相手にされず醜態をさらした彼は元教員を密告し、さらにこれを事件化し政治的に利用すべくさらなる暗躍を開始する。
 都教委に乗り込み、教育長および庁内幹部との密談を繰り返しその行方を定めていく。
 かくしてシナリオは完成し、3月16日都議会特別予算委員会に勇躍登場することとなる。

 総括質問 [土屋たかゆき委員]
 O土屋委員 本日は私の尊敬する横山教育長に集約して質問いたしますので・・・・・・ーーーーーーーーーーーーーーー
 O土屋委員    ・・・・ところで私は十一日に板橋高校の卒業式に出席いたしました。国歌斉唱時において、教員は全員起立したのに、ほとんどの生徒が起立しませんでした。このような異常事態を都教委はどのように受けとめているのでしょうか。
 O横山教育長   国歌斉唱時にほとんどの生徒が起立しないということは、学習指導要領に基づく教育活動が正常に行われていないといわざるを得ませんので、事実関係を早急に調査しますとともに、こうした不適切な事態を波及させないため三月十一日付で、全都立高校に対し、改めて卒業式の適正な実施を通知して、趣旨の徹底を図ったところです。
 O土屋委員    私の調査によると、おとといの時点で、二百七十六校のうち五つの高校で生徒が起立していないんですね。
 さっきお話した国旗・国歌に対する支持率だとか子どもたちのサッカーでの応援なんか見ますと、特定の五つの学校だけが起立しまいというのはおかしな話ですよ。
 自分たちは起立して処分を逃れておいて、子どもたちに罪をなすりつけるって、教育者として最低の行為だと、私は思いますね。
 板橋高校では、当日、元教員が式典の直前に、日の丸・君が代押しつけ反対で教職員10人戒告との見出しの週刊誌のコピーをまき、今回の卒業式の実施方針について、いわゆる批判演説を行ったんですね。
 この元教員は、在職中に組合活動の中心的人物だったと聞いています。
 この元教員は、校長の制止命令にもかかわらず式典を妨害したものであり、これは厳しく法的措置をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 O横山教育長   校長などの制止にかかわらず元教員が週刊誌の記事のコピーを保護者に配布して、この卒業式は異常であるなどと大声で叫んだことは、卒業式に対する重大な業務妨害でございまして、法的措置をとります。

 土屋の言う、「子どもたちに罪をなすりつける」というのは何たる言い草であろうか。
 彼は、起立しないことを「犯罪」として捉えているのだ。
 恐るべき考えというか心根である。

 前日校長は、予行で「内心の自由」にふれた。
 内心の自由はあるが、起立して歌うように卒業生に話したのである。
 それゆえ前に記したように起立した卒業生の一人が「起立しなさい・起立しなさい・・・・・」と喚き続ける校長・教頭・都議に対して、思想・信条の自由を問うたのである。 犯罪とみなした土屋都議は、君が代斉唱中にもかかわらず証拠写真を撮りつづける。

 「法的措置」をとるというのなら、式典15分前ころに退去した元教員ではなく、式最中に部外者にもかかわらず叫び続けた土屋という人物にこそとられなければならない。 自分の行為を隠蔽してほかの人間の告訴をうながすというのは、それこそ人間として最低の行為であろう。

 来賓・土屋都議の入場の段階で私は保護者の方々への話を終えたのである。
 それゆえ彼は聞いたとしても私の話の最後しか聞いていない。それをあたかもすべて知悉しているかの如く都議会の場で語る。
 誣告とはまさしく彼にふさわしい言葉である。

 「この元教員は校長の制止にもかかわらず式典を妨害したものであり」という都議土屋の説明は、極めて意図的な偽証であり捏造である。
 校長は来るなりいきなり「退去せよ」と叫んだだけである。制止もなにも、配布及びその後の説明・要望はすでに終わっている。
 これは言うまでもないが、制止に反した、或いは留まったとかしないと罪が問えないと判断してのでっち上げである。
 200人余が目撃している事態についてよくもまあ嘘をつくりあげるものだと思う。

 教育長も合作であるゆえに同じ虚構の上塗りをなしている。
 今度は具体的に「校長などの制止にもかかわらず・・・配布した」と言う。
 配布している時間には、校長・教頭は校長室で都議らの接待に神経を使っていたのだから「制止」のしようもないではないか。驚くべき虚偽の報告ないし捏造である。

 前にも記したかと思うが、配布を校長など数人が制止したのであれば、事態はそれで終りではないか。配布もそのあとの説明。都議の言う批判演説なるものが行われるわけがないではないか。
 配布には協力していただき、私の話は何処からも異議の声一つ上がらず静聴していただいたのだ。
 この場をかりて当日の保護者の方々には感謝の念を伝えたい。

 教育庁というのはどのような思考回路をしているのか。
 都議の一人が吠えたら全員思考停止でそのまま受け入れてしまうのか。
 今回の事件ならざる事件を通して驚くべきことが多々あったと何度も記してきたが、この教育長答弁は驚くというより呆気にとられた感がする。
 そこまでしても彼等の言う「不起立」という「犯罪」について誰かを血祭りにあげたいのであろうか。

 わかりやすく言えば、一年前から着々と準備しあらゆることを想定し万全の弾圧体制をもって臨んだこの春の卒業式、全国に範を垂れるべく進軍してきたのに、思わぬところで足元をすくわれ頭に血がのぼってしまったということであろう。

 教育長自身、すぐあとに「想定せざる事態が現実に起こった」と述懐するに至る。
 高校三年生は18才だよ。
 子ども子どもと見下げたことに事の真因があろう。都教委そのものが高校生を侮った報いではないか。
 戦時なら兵として玉砕したものもいる。
 1960年代においては、多くの都立高校がストライキ、学校封鎖にあったではないか。たしか「都立青山」には機動隊が突入したのではなかったのか。

 板橋の生徒もサッカーが好きだ。サッカー場では大きな声で歌っているよ。
 退職して二年にもなる元教員、今回の卒業生の担任も授業も担当していなかった元教員をあげつらう見当違いに早く気付くべきだろう。
 さらにはさまざまなことを強制によって推進したりすることの、処分で教員を脅かそうとすることの愚を悟った方がよかろうと思う。

 このあとの質疑も半ば常軌を逸してくる。 

(続)

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