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東京「君が代」第3次訴訟第1回最高裁要請原告要請書(1/3)

2016年04月05日 | 日の丸・君が代関連ニュース
最高裁第三小法廷 裁判官 殿

◎ 要 請 書
2016年4月4日
上告人 K

 私は2007年の卒業式の君が代斉唱時に不起立であったとして戒告処分を受けました。この不当な処分取消を求めてこの裁判を行ってきました。
 私たち原告団に対して、地裁及び高裁では一部勝訴の判断があったわけですが、私も含めて戒告処分の取消の判示はなされず、今回の上告に至りました。詳しくは上告理由書でその処分及び下級審での裁判過程、判断の過ちについて述べておりますが、ここでは一人の原告として自らの思いを述べて、正当な審理と判断をなされるように要請するものです。
 この戒告処分により様々な損害を被り、子どもに向き合う教師としての仕事にも多くの影響を受けました。定年退職まで残り数年になった現在、昇級延伸等の影響は無視できず給与面での不利益を強く感じるようになっています。
 また処分に伴い行われた、再発防止研修校内での研修において、体罰やセクシャルハラースメントによる処分と同等に扱われ、不当にも同僚たちへの研修も加重されたことへの精神的な苦痛は今でもぬぐい去ることはできません。
 また、人事考課の評価がこの処分を理由として低くされ、苦情申立等の手続きに追われたことも苦痛でしかありませんでした。
 しかし、この処分は前述したような金銭面、精神面での不利益と共に重大な影響を私に与えました。
 私が不当にも処分されたのは2007年です。この年に「特別支援教育」が本格実施されました。また、「全国学力・学習状況調査」いわゆる全国学力テストが始まった年でもあります。世界的な潮流であるノーマライゼーションによる「共に学ぶ」教育を目指すことではなく、能力や障害により子どもたちを分けていく分離教育の動きが強まっていきました。
 学校や教育のしくみが能力主義に染められていくことが、障害児学校の中にいてもはっきりと分かりました。とりわけ東京においては、君が代の強制に象徴される学校の管理強化の動きと子どもたちが分けられていく動きが同時進行していることが明らかでした。
 このような状況の中、子どもたちとの時間を大切にしなければならない、授業や教育の営みを豊かにしていかなければならない時に、君が代処分を受け、その後の処分撤回の人事委員会や裁判に取り組まなければなりませんでした。
 もちろん、子どもたちに関わる取り組みや教育活動には尽力してきましたし、自らの権利をまもり、不当な対応にきちんと抵抗していくという憲法的な理念に基づく行為が教育活動に熱と力を与えたということはあります。しかしそれでも、この不当な処分を取り消すための時間や費用を日々の教育活動や授業に加えて使うことができたら、どれほど良かっただろうかと思わざるを得ません。
 つまり、この処分は、被処分者一人ひとりに損害を加えるだけではなく、東京の、そして日本の教育に不利益を与えるものであるということです。
 最高裁判所の判断は、教育の本来あるべき自由闊達な気風や憲法で保障された学問の自由に裏打ちされた真理の追究の場としての学校の教育活動に大きく影響するものです。
 そして何より一人ひとりの子どもたちの教育権の保障に繋がるものです。ここに、原告としての思いを述べて、公正な審理と判示を要請いたします。
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