▲ もうやめて!「つくる会』教科書 全都学習集会
6月3日(水)夜、「もうやめて!『つくる会』教科書 全都学習集会」が文京区民センターで開催された(主催:「つくる会」教科書採択を阻止する東京ネットワーク、子どもと教科書全国ネット21 参加70人)。
「つくる会」が主導してつくった公民と歴史教科書の問題点を、具体的な記述例に基づいて批判し、また自由社の編集・発行体制を解説する内容の濃い集会だった。今年3月末に検定を通過した自由社版「新編 新しい歴史教科書」の問題点を中心に紹介する。
●「つくる会」歴史教科書の問題点 俵 義文さん(子どもと教科書全国ネット21)
扶桑社版(全234p)と自由社版(全240p)の小見出しを比較した。
扶桑社「中世の都市と農村の変化」、自由社「中世の都市、農村の変化」とほんの少し変更があったものを含め小見出しの90%が同じである。本文では鎌倉文化、室町文化、桃山文化など文化に関する項目は全面改定しているがせいぜい13-14%の違いに過ぎない。
変わったのは、巻頭グラビア「そこに眠っていた歴史」、図版と写真、コラムの差し替えなどだ。本文写真のサイズを顔写真からバストアップや全身像に変えたといい、たしかに聖徳太子の絵を全身像に変えた。しか逆に金玉均の写真のように、指名手配写真のような顔写真にしたものもある。
「つくる会」は、わたしたちが「扶桑社の教科書には民衆の歴史、とりわけ子ども、女性が出てこない」と批判したのを気にしたようで、自由社版の6つの特徴のひとつとして「女性の登場」を謳っている。
見てみると序章「歴史調べ」のなかに「歴史のなかで女性がどう生きたか調べてみよう」というものがある。しかし出てくるのは埴輪、江戸時代の女性、昭和初期のモガの写真だけだ。また各章の扉に女性の人形や写真を掲載している。本文では「女性の活躍」という小見出しがあるものの、内容は「昭憲皇后(明治天皇の后)が学校をつくった」というものである。
最大の違いは、本文活字を一回り細く小さくし、行間をあけたことだ。そのためルビが読みにくくなり、編集上失敗といわざるをえない。
本文以外の要素を含めても扶桑社との違いは20-25%に過ぎない。基本的には扶桑社のコピー教科書といってよい。それなのに08年12月9日には「誤り」や「不適切」をはじめとする検定意見が516も付き、一度「不合格」になった。再提出本にも136もの検定意見が付いた。なお扶桑社版の同文の本文のうち、奈良時代の年数、鎖国体制の年数など8か所は文科省が修正させた。
天皇と国家を中心に描き、「日本の戦争は正しかった」という戦争賛美の扶桑社版教科書の本質はそのまま受け継がれている。グラビアに「戦艦大和」を掲載したり「昭和天皇のお言葉」のコラムを追加し、その姿勢を強めている箇所もある。
「つくる会」は、教科書採択について、教科書展示会でアンケートに記入しよう、市町村長・議員に積極的にアタックし説得しよう、採択の可能性があると判断したら支部役員と連絡し早急に採択対策会議を開催しよう、という3つの提言を行っている。これから1-2か月「つくる会」の採択運動が全国で展開される。
こういう教科書を採択させないように世論を高めていく必要がある。
●「つくる会」教科書出版の背景と情勢 吉田典裕さん(出版労連)
自由社は2社ある。1973年10月設立、本店練馬区谷原、代表取締役石原萠記の会社と2008年9月設立、本店文京区水道、代表取締役加瀬英明の会社である。教科書の発行元は後者だが、検定申請時には存在しなかったことになる。ただ「義務教育諸学校の教科用図書の無償配布措置に関する法律施行規則」7条で「採択年度の前年度の1月31日までに申請」とあり09年1月に会社が存在すればよいので、この抜け道を利用したものだ。
石原氏は80歳を越え、この会社には営業部員もいない。監査役は妻であり、東海大学教員の娘の本を出版している。今後教科書採択の営業活動をできるような会社ではないので、こっそり新しい別の会社をたちあげざるを得なかったのではないだろうか。
自由社版の執筆者8人を扶桑社と比較すると、代表執筆者・藤岡信勝を含め九里幾久夫、故坂本多加雄、西尾幹二、高森明勅の5人が共通している。なかでも坂本多加雄は2002年に死亡しておりこの教科書に関わりようがない。扶桑社と自由社で本文の記述が違う箇所について、藤岡氏にどちらが正しいかと質問しても答えられないはずである。執筆者としての説明責任を果たせない教科書だ。
「つくる会」は、昨年3月には書名を「三訂版新しい歴史教科書」にするといっていた。なぜ「新編」になったのか、説明はない。このように編集・発行体制はきわめてずさんである。
なぜ、516もの欠陥を指摘され一度は不合格になったのに「つくる会」は自由社版教書を出さざるをえなかったのか。それは組織の存続という非教育的目的のためと推測できる。
しかしもうひとつの可能性がある。教科書は4年に1度検定申請できるが、申請しないといけないわけではない。昨年の小学校教科書がそうだった。それを知らずに教科書をつくった可能性がある。制度を知らなかった証拠に、見本本の送付方法を知らなかった。そして間違って見本本を書店に、市販本を教育委員会に送付し、いま全冊回収し大混乱を来たしている。
自由社版は扶桑社の教科書(改訂版)をベースにしているので新自由主義との親和性が高い。新自由主義との決着をつけるには長期戦になるが、今年と再来年の教科書採択戦が重要になる。その意味でもがんばりたい。
その他の報告についてごく一部を紹介する。
●山本直美さん(ひらかれた歴史教育の会)から歴史教科書の問題点について報告があった。
「つくる会」教科書の基本構造は、日本を「万世一系」の天皇の支配する「神の国」とし、歴史を「国の物語」として描き、自分に都合の悪い民衆の歴史を描いていないことである。だから武士は主従関係に基づくのに「日本には、皇室という制度があり、全国の武士は、究極的には天皇に仕える立場だった」などという珍説をわざわざ書いている。逆に自由民権運動でふつうの教科書に出てくる植木枝盛や五日市憲法はまったく書かない。
また天皇が支配する「日本」の優位性を強調するためアジア諸国を正当に評価せず相対化し、一方でアジアコンプレックスが欧米への対抗意識となり描かれている。したがって朝鮮を日本の劣位におき(渡来人ではなく)「帰化人」という表記を使っている。また鎖国の最大のねらいを「外国による侵略の危険の防止」と欧米への危機感をあおり、明治維新の伏線としている。
こうした扶桑社版の特徴について多くの実例を踏まえて指摘された。
帝国書院や日本書籍新社は公民との関連で最終項目に、冷戦の終結、南北問題、地球環境問題、バブル崩壊、男女共同参画、高齢化・少子化による社会保障の問題など現代の多様な問題を取り上げている。それに対し扶桑社は、共産主義崩壊、冷戦終結、昭和天皇崩御、国際社会の日本の役割(湾岸戦争など)しか取り上げない。扶桑社教科書が取り上げない問題に注意する必要がある。
●小俣三郎さん(教科書東京ネット)と岩瀬恵子さん(小石川有志の会)から「つくる会」公民教科書の問題点の報告があった。
小石川有志の会では月1度の世話人会で30分ほど学習会を行っている。公民の教科書から各自関心のある項目を選び発表した。教科書制度の専門家や学者でない一般市民が扶桑社教科書を読むとどう感じるかという側面から報告する。
「平和主義」について扶桑社、清水書院、帝国書院、東京書籍の4社の教科書で比較した。はじめは差がみえるか疑問だったが、想像以上に大きな違いがあった。
他の3社は、戦争の惨禍を「平和の礎」「火垂の墓」「広島被爆の子どもの三輪車」の写真などとともに描き、「だからわたしたちは平和主義を選んだ」ことがわかるように書いている。
扶桑社の平和主義は「自衛隊の誕生」と「平和をめぐる問題点」の2つの小見出しから構成されている。本文はいきなり「戦後、連合国軍は日本に非武装化をを強く求め、その趣旨を憲法に反映させることを要求した」と「押付け憲法」論からはじめている。写真も「警察予備隊設置」「自衛隊観閲式」を並べており、こんな教科書で平和主義を学ぶ中学生はどうなるのか恐ろしくなる。
平和をめぐる問題点では、「国際法では自衛権は、その国の主権の一部と考えられている」「国防という自衛隊本来の任務をじゅうぶんに果たすためにも、現在の法律では有効な対応がむずかしい」と、現実追認主義の記述がある。その次の項目は、他の3社ではほとんど記されていない「憲法改正」を、2pにわたって取り上げている。
憲法を守ろうという姿勢のない「違憲」教科書だ。4社の教科書を比較して、政治経済をはじめて学ぶ中学生にとって、非常に問題の多い教科書であることがわかった。
●東京、埼玉、大田原の教育委員会を訪問した「アジアの平和と歴史教育連帯」のイ・シンチョル対外協力委員長とホ・ミソン事務局長から連帯のメッセージがあった
韓国にもニューライトという団体が教科書を出している。個人の人権より国家の利益が大事だという考え方の教科書だ。連帯して、戦争を美化する教科書に反対し、東アジアの平和をつくる運動でつながっていきたい。
集会決議採択のあと、最後に三浦久美子さん(教科書東京ネット)から行動提起があった。具体的内容は各採択地区での請願・署名運動、学習会の開催、教科書展示会への参加、教育委員会の傍聴、などである。都全体では7月9日、23日朝8時の都庁前宣伝と23日前後の東京都教育委員会の傍聴への参加が呼びかけられた。
☆この集会で、資料として「もめごとだらけの教科書はもうやめて!『つくる会』歴史教科書」(発行 ひらかれた歴史教科書の会、A5版カラー、30円)が配布された。「つくる会」分裂の経緯、誤った記述の一例、「神話と天皇の強調」など6つの問題点、先生・保護者・中学生の声など、小さいながら内容は非常に充実している。
4年前の驚愕の夏を思い出した。今回の採択では、ぜひ普通の教科書に戻したいものである。
『多面体F』より(集会報告 / 2009年06月09日)
http://blog.goo.ne.jp/polyhedron-f/
6月3日(水)夜、「もうやめて!『つくる会』教科書 全都学習集会」が文京区民センターで開催された(主催:「つくる会」教科書採択を阻止する東京ネットワーク、子どもと教科書全国ネット21 参加70人)。
「つくる会」が主導してつくった公民と歴史教科書の問題点を、具体的な記述例に基づいて批判し、また自由社の編集・発行体制を解説する内容の濃い集会だった。今年3月末に検定を通過した自由社版「新編 新しい歴史教科書」の問題点を中心に紹介する。
●「つくる会」歴史教科書の問題点 俵 義文さん(子どもと教科書全国ネット21)
扶桑社版(全234p)と自由社版(全240p)の小見出しを比較した。
扶桑社「中世の都市と農村の変化」、自由社「中世の都市、農村の変化」とほんの少し変更があったものを含め小見出しの90%が同じである。本文では鎌倉文化、室町文化、桃山文化など文化に関する項目は全面改定しているがせいぜい13-14%の違いに過ぎない。
変わったのは、巻頭グラビア「そこに眠っていた歴史」、図版と写真、コラムの差し替えなどだ。本文写真のサイズを顔写真からバストアップや全身像に変えたといい、たしかに聖徳太子の絵を全身像に変えた。しか逆に金玉均の写真のように、指名手配写真のような顔写真にしたものもある。
「つくる会」は、わたしたちが「扶桑社の教科書には民衆の歴史、とりわけ子ども、女性が出てこない」と批判したのを気にしたようで、自由社版の6つの特徴のひとつとして「女性の登場」を謳っている。
見てみると序章「歴史調べ」のなかに「歴史のなかで女性がどう生きたか調べてみよう」というものがある。しかし出てくるのは埴輪、江戸時代の女性、昭和初期のモガの写真だけだ。また各章の扉に女性の人形や写真を掲載している。本文では「女性の活躍」という小見出しがあるものの、内容は「昭憲皇后(明治天皇の后)が学校をつくった」というものである。
最大の違いは、本文活字を一回り細く小さくし、行間をあけたことだ。そのためルビが読みにくくなり、編集上失敗といわざるをえない。
本文以外の要素を含めても扶桑社との違いは20-25%に過ぎない。基本的には扶桑社のコピー教科書といってよい。それなのに08年12月9日には「誤り」や「不適切」をはじめとする検定意見が516も付き、一度「不合格」になった。再提出本にも136もの検定意見が付いた。なお扶桑社版の同文の本文のうち、奈良時代の年数、鎖国体制の年数など8か所は文科省が修正させた。
天皇と国家を中心に描き、「日本の戦争は正しかった」という戦争賛美の扶桑社版教科書の本質はそのまま受け継がれている。グラビアに「戦艦大和」を掲載したり「昭和天皇のお言葉」のコラムを追加し、その姿勢を強めている箇所もある。
「つくる会」は、教科書採択について、教科書展示会でアンケートに記入しよう、市町村長・議員に積極的にアタックし説得しよう、採択の可能性があると判断したら支部役員と連絡し早急に採択対策会議を開催しよう、という3つの提言を行っている。これから1-2か月「つくる会」の採択運動が全国で展開される。
こういう教科書を採択させないように世論を高めていく必要がある。
●「つくる会」教科書出版の背景と情勢 吉田典裕さん(出版労連)
自由社は2社ある。1973年10月設立、本店練馬区谷原、代表取締役石原萠記の会社と2008年9月設立、本店文京区水道、代表取締役加瀬英明の会社である。教科書の発行元は後者だが、検定申請時には存在しなかったことになる。ただ「義務教育諸学校の教科用図書の無償配布措置に関する法律施行規則」7条で「採択年度の前年度の1月31日までに申請」とあり09年1月に会社が存在すればよいので、この抜け道を利用したものだ。
石原氏は80歳を越え、この会社には営業部員もいない。監査役は妻であり、東海大学教員の娘の本を出版している。今後教科書採択の営業活動をできるような会社ではないので、こっそり新しい別の会社をたちあげざるを得なかったのではないだろうか。
自由社版の執筆者8人を扶桑社と比較すると、代表執筆者・藤岡信勝を含め九里幾久夫、故坂本多加雄、西尾幹二、高森明勅の5人が共通している。なかでも坂本多加雄は2002年に死亡しておりこの教科書に関わりようがない。扶桑社と自由社で本文の記述が違う箇所について、藤岡氏にどちらが正しいかと質問しても答えられないはずである。執筆者としての説明責任を果たせない教科書だ。
「つくる会」は、昨年3月には書名を「三訂版新しい歴史教科書」にするといっていた。なぜ「新編」になったのか、説明はない。このように編集・発行体制はきわめてずさんである。
なぜ、516もの欠陥を指摘され一度は不合格になったのに「つくる会」は自由社版教書を出さざるをえなかったのか。それは組織の存続という非教育的目的のためと推測できる。
しかしもうひとつの可能性がある。教科書は4年に1度検定申請できるが、申請しないといけないわけではない。昨年の小学校教科書がそうだった。それを知らずに教科書をつくった可能性がある。制度を知らなかった証拠に、見本本の送付方法を知らなかった。そして間違って見本本を書店に、市販本を教育委員会に送付し、いま全冊回収し大混乱を来たしている。
自由社版は扶桑社の教科書(改訂版)をベースにしているので新自由主義との親和性が高い。新自由主義との決着をつけるには長期戦になるが、今年と再来年の教科書採択戦が重要になる。その意味でもがんばりたい。
その他の報告についてごく一部を紹介する。
●山本直美さん(ひらかれた歴史教育の会)から歴史教科書の問題点について報告があった。
「つくる会」教科書の基本構造は、日本を「万世一系」の天皇の支配する「神の国」とし、歴史を「国の物語」として描き、自分に都合の悪い民衆の歴史を描いていないことである。だから武士は主従関係に基づくのに「日本には、皇室という制度があり、全国の武士は、究極的には天皇に仕える立場だった」などという珍説をわざわざ書いている。逆に自由民権運動でふつうの教科書に出てくる植木枝盛や五日市憲法はまったく書かない。
また天皇が支配する「日本」の優位性を強調するためアジア諸国を正当に評価せず相対化し、一方でアジアコンプレックスが欧米への対抗意識となり描かれている。したがって朝鮮を日本の劣位におき(渡来人ではなく)「帰化人」という表記を使っている。また鎖国の最大のねらいを「外国による侵略の危険の防止」と欧米への危機感をあおり、明治維新の伏線としている。
こうした扶桑社版の特徴について多くの実例を踏まえて指摘された。
帝国書院や日本書籍新社は公民との関連で最終項目に、冷戦の終結、南北問題、地球環境問題、バブル崩壊、男女共同参画、高齢化・少子化による社会保障の問題など現代の多様な問題を取り上げている。それに対し扶桑社は、共産主義崩壊、冷戦終結、昭和天皇崩御、国際社会の日本の役割(湾岸戦争など)しか取り上げない。扶桑社教科書が取り上げない問題に注意する必要がある。
●小俣三郎さん(教科書東京ネット)と岩瀬恵子さん(小石川有志の会)から「つくる会」公民教科書の問題点の報告があった。
小石川有志の会では月1度の世話人会で30分ほど学習会を行っている。公民の教科書から各自関心のある項目を選び発表した。教科書制度の専門家や学者でない一般市民が扶桑社教科書を読むとどう感じるかという側面から報告する。
「平和主義」について扶桑社、清水書院、帝国書院、東京書籍の4社の教科書で比較した。はじめは差がみえるか疑問だったが、想像以上に大きな違いがあった。
他の3社は、戦争の惨禍を「平和の礎」「火垂の墓」「広島被爆の子どもの三輪車」の写真などとともに描き、「だからわたしたちは平和主義を選んだ」ことがわかるように書いている。
扶桑社の平和主義は「自衛隊の誕生」と「平和をめぐる問題点」の2つの小見出しから構成されている。本文はいきなり「戦後、連合国軍は日本に非武装化をを強く求め、その趣旨を憲法に反映させることを要求した」と「押付け憲法」論からはじめている。写真も「警察予備隊設置」「自衛隊観閲式」を並べており、こんな教科書で平和主義を学ぶ中学生はどうなるのか恐ろしくなる。
平和をめぐる問題点では、「国際法では自衛権は、その国の主権の一部と考えられている」「国防という自衛隊本来の任務をじゅうぶんに果たすためにも、現在の法律では有効な対応がむずかしい」と、現実追認主義の記述がある。その次の項目は、他の3社ではほとんど記されていない「憲法改正」を、2pにわたって取り上げている。
憲法を守ろうという姿勢のない「違憲」教科書だ。4社の教科書を比較して、政治経済をはじめて学ぶ中学生にとって、非常に問題の多い教科書であることがわかった。
●東京、埼玉、大田原の教育委員会を訪問した「アジアの平和と歴史教育連帯」のイ・シンチョル対外協力委員長とホ・ミソン事務局長から連帯のメッセージがあった
韓国にもニューライトという団体が教科書を出している。個人の人権より国家の利益が大事だという考え方の教科書だ。連帯して、戦争を美化する教科書に反対し、東アジアの平和をつくる運動でつながっていきたい。
集会決議採択のあと、最後に三浦久美子さん(教科書東京ネット)から行動提起があった。具体的内容は各採択地区での請願・署名運動、学習会の開催、教科書展示会への参加、教育委員会の傍聴、などである。都全体では7月9日、23日朝8時の都庁前宣伝と23日前後の東京都教育委員会の傍聴への参加が呼びかけられた。
☆この集会で、資料として「もめごとだらけの教科書はもうやめて!『つくる会』歴史教科書」(発行 ひらかれた歴史教科書の会、A5版カラー、30円)が配布された。「つくる会」分裂の経緯、誤った記述の一例、「神話と天皇の強調」など6つの問題点、先生・保護者・中学生の声など、小さいながら内容は非常に充実している。
4年前の驚愕の夏を思い出した。今回の採択では、ぜひ普通の教科書に戻したいものである。
『多面体F』より(集会報告 / 2009年06月09日)
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