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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

長時間労働

2007年07月03日 | 格差社会
 団塊の世代を代表に、日本人は働き過ぎといわれてきました。国際的にも長時間労働をしている割合が多く、賃金不払い(サービス)残業や過労死が問題になっています。不払い残業はどれくらいなのでしょうか?残業時間を推計し、長時間労働の問題をまとめました。

 ★ 問題多い長時間労働 ★
 深刻化する賃金不払い残業と過労死


 国際労働機関(ILO)の調査によると、週の労働時間が五十時間以上の労働者の割合は、オランダの1・4%を最低に、欧州諸国は一割未満が大半です。
 半面、日本では四十九時間以上が28・1%と、先進国の中で長時間労働の割合が際立って高くなっています。
 米国とオーストラリアは、一九九〇年代後半に増加し20%になりました。
   
 わが国では、長時間労働する労働者の割合は、年齢に関係なく年々、増加傾向にあります。中でも三十歳代から四十歳代で多くなっています。
 有給休暇の取得率は半分にも達していません。

●不払い総額233億円

 とりわけ、残業しても賃金が支払われない賃金不払い(サービス)残業が大きな問題になっています。高度経済成長期以来、賃金不払い残業は当たり前といった風潮が続き、その実態も明らかになっていませんでした。
 そこで、労働者が労働時間を申告する労働力調査(総務省)と事業者が申告する毎月勤労統計(厚生労働省)を用いて、賃金不払い残業の時間を推計してみました。
 労働者は不払い残業時間を含み、事業者は不払い残業時間を含まず申告していると考えられるからです。
   
 調査範囲が違うなどの問題はあるものの、賃金不払い残業の時間は月二十時間前半から三十時間前後に徐々に拡大する傾向にあります。とくに男性の不払い残業が深刻なことが分かります。

 厚生労働省でも、企業の指導を強化しており、二〇〇五年度は一企業当たり百万円以上の賃金不払いがあったのは千五百二十四社、総額約二百三十三億円でした。労働者一人当たり、平均十四万円の残業代を支払い直しました

●「労災請求」千件近くに

 長時間労働、不払い残業の増加は、健康や家庭面でも大きな影響を及ぼしています。内閣府の調査では、一週のうち家族がそろって食事をとる回数は、東京で二・七回とミュンヘンやパリの家族に比べ極端に少なくなっています。
   
 また、健康面でも長時間労働により、脳血管疾患などの過労死の労災請求件数が、〇六年度では九百三十八件と千件に達しようとしています。心の病(精神障害など)の労災請求件数も年々、急増しています。

 長時間労働や、賃金不払い残業の解消は重要課題であり、官民あげて積極的な取り組みが必要です。

『東京新聞』(2007/6/10生活図鑑 No.159)

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