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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

教育への公費 日本また最低 GDP比3・3%

2010年09月09日 | こども危機
 ◆ 教育への公費 日本また最低 GDP比3・3%

 二〇〇七年の日本の国内総生産(GDP)に占める公的な教育支出の割合は3.3%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち比較可能な二十八カ国で最下位だったことが七日、OECDが公表した「図表でみる教育」で分かった。

 日本は〇三、〇五年が最下位、〇四、〇六年はワースト二位で、教育への公的支出の乏しさが目立っている民主党は教育の諸施策でOECD平均並みを目標に掲げている。だが、今回は政権交代前の調査のため、高校授業料の実質無償化などの効果はデータに表れていない。
 各国平均は4.8%。最も高いのはアイスランドの7.0%で、デンマーク(6.6%)スウェーデン(6.1%)が続く。日本に次ぐワーストは、スロバキア(3.4%)チリ(3.7%)。
 日本の状況で目立つのは、教育支出に占める私費負担の高さ。日本は33.3%で、韓国、チリ、米国に次いで高い。教育段階別では、就学前が56.2%で各国平均の20.3%の約二・八倍、高等教育(大学など)も67.5%と、平均の30.9%の二倍以上。初等中等教育(小中高校)は10.1%と低めだが、平均の9.7%を上回る。文部科学省は「日本は各国と比べて私立校が多く、授業料などで家計負担がかさむ傾向がある」としている。
 教育環境に関するデータ(〇八年調査)も公表。教員一人当たりの児童生徒数は、小学校が一八・八人で、各国平均の一六・四人を上回る。中学校でも一四・七人で、平均の一三・七人を超えており、日本の教員の負担の重さが示された。文科省は来年度から、八年かけて公立小中学校の教職員を一万九千四百人純増する定数改善計画案を策定。負担減を目指している。
『東京新聞』(2010年9月8日 朝刊【社会】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010090802000039.html


 ◆ 私費負担の高さ:日本の教育費


 OECD公表の、教育費の「公私負担割合」(高等教育)の表を見てみよう。(国際社会での高等教育 Higher education とは、大学教育のことである。)

『図表でみる教育』(Education at a Glance)の刊行について(文科省HPから)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/09/__icsFiles/afieldfile/2010/09/07/1297267_01_1.pdf

 教育を「公的営み」ととらえるOECD諸国の、公的負担の割合は平均69.1%である。左側の国々には、公費負担が9割を超えている国もある。(能力・適性・意欲があれば、親の経済力に関わらず、誰でも大学進学できる。)
 それに対して、公的負担5割以下は、全体26ヶ国中日本を含む6ヶ国だけである。

 これらの国々は貧しい国も含まれているが、教育を「私的営み」ととらえているのである。かつては公的負担9割のイギリスは「新自由主義的改革」により公的負担を減らして教育の自己責任化を進めてきた。
 日本は公的負担が32.5%で、親の負担が67.5%。「教育の機会」が、本人の能力ではなく、親の経済力に依存している状態は、敗戦後間もない貧しかった時期と何ら変わっていない。「経済的理由で進学を断念する」ことが、本人のためはもちろん、国全体の人材活用に大きな足かせになっていることは否定できないだろう。
 教育における不平等が、昨今の格差社会で益々拡大している。豊かな国、活力のある国、本当の意味で自由な国を目指すなら、日本が学ぶべきはどの国なのか、この表をよく見ながら考えて、教育政策に反映させていかなければならない。

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