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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

板橋高校卒業式裁判新聞報道

2008年05月30日 | 板橋高校卒業式
 ■元教諭、二審も罰金 都立高君が代反対 『円滑な卒業式、阻害』

 東京都立板橋高校の卒業式で、君が代斉唱に反対し保護者に着席を呼び掛けて式典を混乱させたとして威力業務妨害罪に問われた元教諭藤田勝久被告(67)の控訴審判決で、東京高裁は二十九日、罰金二十万円(求刑懲役八月)とした一審東京地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。被告側は即日上告した。

 須田まさる裁判長は「保護者に大声で呼び掛け、退場を要求した校長らに怒号で抗議したことは威力業務妨害罪に当たり、社会的相当性も欠いている」と一審判決を追認した。
 一、二審ともに被告の行為が「威力」に当たるか否かが争われた。弁護側は「君が代斉唱を義務付けた都教育委員会の通達は民事訴訟で違憲と判断され、通達に反対する呼び掛けは正当防衛」と訴えた。しかし、須田裁判長は「外部に対する積極的な表現行為により円滑な進行を阻害した」として威力性を認定。「憲法二一条は表現の自由を無制限に保障したものではない」と述べた。
 判決によると、藤田被告は二〇〇四年三月、来賓として招かれた同校卒業式の開始約二十分前に、保護者に向かって「国歌斉唱の時は着席をお願いします」と呼び掛けた。退場を求める校長らの指示に従わず、怒号をあげるなどして式の開始を約二分間遅らせた。

 ◎元教諭『でっち上げ』と憤り
 「見せしめとして(都教委に事件を)でっち上げられた」。藤田勝久被告は東京・霞が関の弁護士会館で会見し、東京高裁判決を批判した。加藤文也弁護士は「これが刑事罰の対象なら表現行為が許されない暗黒社会になる」と語気を強めた。


 君が代斉唱などを義務付けた都教委の通達に関し、学校現場で危惧(きぐ)する声は多い。通達に反対し懲戒処分などを受けた教職員が、処分取り消しなどを求めて相次いで訴訟を起こしている。思想・良心の自由の侵害を認めた判決は二〇〇六年九月の東京地裁判決のみだ。

 控訴審判決前、藤田被告は「ロボットのように命令に従う社会は恐ろしい。それを考えてもらいたくて保護者に呼び掛けた」と当時を振り返った。法廷では「被告人」が「非国民」と聞こえたという。
 「罰金刑ですら、夜うなされた。事件をでっち上げられて死刑判決を受けた人の苦しみは想像を絶する」。控訴審に入ってからは冤罪(えんざい)を生み出す司法制度の矛盾を考えるようになったという。

『東京新聞』(2008年5月30日 朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008053002013588.html

 ■<卒業式「妨害」>2審も元教諭棄却 校長判断は合憲


 04年3月の東京都立板橋高校の卒業式で、君が代斉唱時の起立に反対して式の進行を妨害したとして、威力業務妨害罪に問われた元同校教諭、藤田勝久被告(67)の控訴審判決で、東京高裁(須田賢裁判長)は29日、罰金20万円とした1審を支持し、元教諭の控訴を棄却した。1審は斉唱時の起立を命じる校長の職務命令について憲法判断しなかったが、高裁は合憲とした。元教諭側は即日上告した。

 弁護側は「校長の起立命令は思想・良心の自由を保障する憲法に違反し、対抗した元教諭の行為は罪に当たらない」と主張した。判決は「君が代の伴奏命令は思想・良心の自由を害しない」とした07年2月の最高裁判決を引用し「斉唱時の起立命令にも当てはまる」と合憲判断した。

 さらに判決は「憲法は表現の自由を絶対無制限に保障したものでなく、他人の権利を不当に害することは許されない」とし、「式直前の厳粛な状況下で、卒業式を『異常な式』と決めつけて大声を上げ、会場内を喧噪(けんそう)状態に陥らせた元教諭の行為は社会的相当性を欠く」と非難した。

 判決によると、元教諭は卒業式の開始前に「異常な卒業式で、教職員は君が代斉唱時に立って歌わないと処分されます」と父母らに大声で呼びかけるなどして開始を2分遅らせた。元教諭は式の2年前まで同校に勤務し、式の来賓だった。【伊藤一郎、木村健二】

 ▽元教諭の弁護団の話 表現内容が公権力の意に反することを理由とする刑事罰に裁判所が加担しており、表現者に対する圧殺効果は計り知れない。

 ▽中村正彦・東京都教育長の話 行為の違法性が認められ、一定の評価をしている。今後も学校での教育活動が適正に行われるよう取り組んでいく。

『毎日新聞』(5月29日20時43分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080529-00000130-mai-soci

 ■二審も元教諭に有罪判決 板橋高校卒業式「妨害」事件


 04年3月に行われた都立板橋高校の卒業式で、君が代斉唱時に着席するよう保護者らに呼びかけ、式の進行を妨害したとして威力業務妨害罪に問われた同校元教諭・藤田勝久被告(67)の控訴審で、東京高裁(須田賢裁判長)は29日、元教諭の控訴を棄却する判決を言い渡した。

 須田裁判長は、藤田元教諭が校長らの制止を無視して呼びかけ、式の開始を2分遅らせたことが威力業務妨害に当たると認め、罰金20万円(求刑懲役8カ月)を命じた一審・東京地裁判決を支持した。弁護側は判決を不服として上告した。

 控訴審で弁護側は、当時は君が代の斉唱時に起立することなどを定めた都の通達をめぐって教育現場などで議論されていた時期で、06年9月には通達を違憲とする東京地裁判決もあったと指摘。そのような背景から、反対する立場の呼びかけを「威力」に当たると積極的に評価すべきではない▽呼びかけは憲法が保障する表現の自由に基づくもので、妨害した結果もなく刑事罰に問うべきではない――などと主張していた。

 これに対し、この日の判決は、「君が代の伴奏命令が思想・良心の自由の侵害にはあたらない」とした最高裁判例を挙げ、「議論があったことが、直ちに『威力』にならないと判断する事情にはならない」と指摘。元教諭が校長らの制止に怒号で抗議したことなどを「威力」に当たると認めた一審判決の判断に誤りはないとした。

 表現の自由については、「憲法が絶対無制限に保障したのではなく、公共の福祉に必要な制限に服することを認めている」としたうえで、「明らかにその場の状況にそぐわない大声で呼びかけて喧噪(けんそう)状態に陥れ、校長が法律上持つ権利である、式の円滑な進行を現に阻害した」と批判。「たとえ思想を外部に発表する手段であっても、他人の権利を不当に害することは許されない」と述べた。

『アサヒコム』(2008年05月29日15時15分)
http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY200805290199.html

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