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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

4・27集会_不起立宣言教員からのメッセージ

2008年05月03日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ▲ 4・27集会資料
 不起立宣言教員からのメッセージ


 集会に参加されたみなさんへ

 今日は身内の法事で東京を離れるので、残念ですが集会に参加することができません。やむなく書面にて報告させていただきます。読んでいただけたら嬉しいです。
 私はこの春定年退職を迎えました。最後の卒業式で職務命令が出され、それに従わず不起立したことで戒告処分を受け、同時に非常勤教員という退職後の職の合格が取り消されました。二重の処分です。この1ヶ月、職を奪われることがどれほど悔しく、また生活を直撃するものなのか、身にしみています。

 85年から開始された全国調査の圧力の中で、東京の小・中学校では、「正面に日の丸、ピアノ伴奏による君が代斉唱」の形が、じわじわと進行していきました。それに伴って子どもたちを主人公にした様々な取り組みがつぶされてきました。しかしこれだけは譲れないと考え、例え職場で一人になったとしても、君が代斉唱時に不起立・不伴奏を続けてきた教育労働者が少なからずいました。
 私もその一人です。皇民化教育の中心にあった「日の丸・君が代」を、学校教育の場で再び強制してはいけない、これはみんなで共有してきた歴史認識でした。また管理職にしても、職務命令を出して処分してまで強制することにためらいがあったのでしょう。私がずっと座っていても処分されなかったのは、私が日教組葛飾の組合執行部の3役としてずっと活動してきたことが大きかったと思いますし、また葛飾区教委がこの問題については、石原都教委の暴走に与しなかったということだと思います。

 私は、「10・23通達」が出された後も、ずっと不起立を続けてきました。高校の仲間たちの闘いに連帯して闘ってきました。特に昨年は教育基本法が改悪された事もあり、怒りと危機感に突き動かされて、職員会議で不起立を宣言し、若い同僚たちとも積極的に会話してきました。いろいろ気付かされたことも多く、君が代不起立闘争は、改憲攻撃との闘いそのものだ、教育労働者の戦争協力拒否の闘いだと確信を深めてきました。

 組合の執行部は、「組合員に不利益が生じるから」と強制には反対と言いながら、闘う方針を出しませんでした。しかしこの組合執行部の裏切りを打ち破って、高校の仲間たちを先頭に、現場組合員の自主的な決起と、闘いの中で作られた団結で、東京の不起立闘争は継続発展してきたと思います。
 その最先頭に根津公子さんの闘いがあります。次は解雇だと突きつけられても、不起立を続けると宣言する彼女の存在と闘いが、通達を無力にし、都教委を決定的に揺さぶってきました。
 追い詰められた都教委は、背中に「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO」とプリントされたトレーナーを着ていたことが「職務専念義務違反」だという名目で新たな処分を策動しました。しかし、日頃居眠りをしている校長の方が「職務専念義務違反だ」の同僚の声と根津さんの追求に、逆に都教委の方が墓穴を掘り、卒業式前の処分はできませんでした。

 3月10日以来、根津さんの呼びかけで連日・連夜の都教委追求行動が闘われました。連日数十人、時には100人を超える数の労働者学生が都庁に駆けつけました。署名も要求書もすべて握りつぶし、石原都知事の意のままに処分を下そうとする幹部職員を、遅い時は午後10時半まで徹底弾劾しました。13万筆を超える署名、全国紙への意見広告など、「解雇させない」闘いは様々な形で広がっていき、そのすべての力が都教委を包囲しました。

 「君が代解雇」を阻んだのは、何よりも根津さん自身の「例えクビになっても不起立を貫く」という断固たる決意と闘魂です。そして共に闘う全員が「君が代解雇は絶対に許さない」と一歩も譲らず闘ったことです。その力が都教委の腐り果てた正体を暴き出し、怒りが一つになって団結が広がったのです。停職6ヶ月の処分は許せませんが、団結の力で解雇を打ち破った、みんなの力で解雇を阻んだんだと実感しています。

 職場で静かに座るだけなら、今回の卒業式でも職務命令は出されず、黙認されていただろうと思います。しかし私はあえて昨年までの闘い方をやめて、処分を恐れず自らの意志を貫く行動を選びました。
 自分自身の構えを変えて、9月以来「不起立の拡大で団結しよう。その団結の力で根津さんの解雇を阻止しよう」と訴えてきました。職員会議では特に若い同僚に伝えるために資料を持ち込んで、発言してきました。集会の場でもビラを持ち込み、不起立を呼びかけてきました。執行部が方針を出さないなら、自分で出せばいい。根津さんのように自らの思いを貫いて行動することが大切なんだ。そして仲間に呼びかけてやり切ることだと考え、行動してきました。
 「同じ東京の教員でありながら、処分されない者がいる一方で、同じ行動をしていて免職にまでもっていかれようとしている仲間がいる。不公平だ、分断攻撃だ、見せしめ処分だ」と都教委の処分は絶対に許さないぞと要請書を突きつけました。
 「自分から処分しろと言っているようなもの」と同僚から質問されました。周りからは非難めいた言葉が浴びせられました。しかしです。労働者を差別・分断し、見せしめ処分し、労働者の団結を破壊し、闘いを根絶やしにしようというのが当局のねらいです。だったら処分を恐れず、みんなで励まし合って共に不起立し、不起立闘争を拡大したら勝利です。闘う団結を固めたら勝利です。
 今年も同僚と共に不起立しました。私にだけ卒業式の前日職務命令が出されたので、処分は私だけでした。職務命令に違反した不起立なので処分、そうでなければ黙認、全くデタラメの限りです。都教委にとっては、命令の内容が不当であろうとも命令に服するかどうかだけが問題なのです。
 その結果、冒頭報告したように、「一発解雇」になりました。許せません。しかし精一杯やってスッキリです。近々都の人事委員会に不服審査請求を行います。職を奪い返すために闘います。不当な処分を団結の拡大に転化して、これからも教育労働者として、みなさんと共に闘っていきたいと思います。

 2008年4月27日
米山良江(東京教組・葛飾区教組東綾瀬小分会)

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