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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

9月末「次期首相」は、3週間の暫定首相に過ぎない。総選挙で安倍・菅「自公維」政治に代わる政権を。

2021年09月08日 | 平和憲法
  =たんぽぽ舎です。【TMM:No4286】「メディア改革」連載第74回=
 ◆ 菅首相が前任者と同じ無責任な「政権投げ出し」
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ 菅義偉首相が3日、自民党役員会で総裁選不出馬を表明した。昨年8月28日の安倍晋三前首相の辞意表明の翌日、菅氏の衆院議員宿舎で、二階俊博幹事長、林幹雄幹事長代理、森山裕選対委員長との四者による密室談合で後継者に決まってから1年5日後の自爆辞任表明だった。
 昨年8月30日の共同通信世論調査で、次期首相に「誰がふさわしいか」という設問に、「石破茂34%でトップ、菅14.3%」だったのに、5大派閥が菅氏を支持し、首相になった。キシャクラブメディアの菅氏礼賛報道で、昨年9月16日の政権発足後の内閣支持率は70%前後を記録した。メディアは自民党の共犯者だ。
 しかし、「Go To」「五輪強行開催」で新型コロナ対策に失敗、支持率は8月下旬には20%台に落ち込んだ。岸田文雄元政調会長が2日、総裁選に出馬を表明し、形勢不利と見るや、二階氏切り、「総裁選前の解散」などの奇策を打とうとして孤立。「裸の王様」となっての退陣だ。
◎ 岸田氏は2日のテレビで、菅首相の記者会見、ぶら下がりなどで、記者に威圧的な態度を示し、質問に答えない問題で、「会見では、記者の皆さん、カメラの後ろに国民がいることを忘れてはならない」と強調した。菅氏の会見批判だと思う。
 菅氏は総裁選不出馬を表明した後の3日午後1時から官邸で内閣記者会番記者のぶら下がり取材に応じたが、最後に「来週、記者会見をする」と述べて2分足らずで終了した。菅氏のメディア対応は次第にひどくなってきたが、3日は最悪だった。
 菅氏の冒頭コメントが終わった後、「朝日新聞のトネガワです。総理は…」などと多数の記者が大声で質問する中、小野日子内閣広報官「それでは終わります」と発声。
 記者団に背を向け、質問を受け付けず、官邸を去る菅氏に、記者たちは「総理、朝日新聞です。なぜ…」などと質問。
 記者たちは一斉に、「総理、今日は最後まで答えてください」「説明を放棄するのか」「逃げるのか」などと怒鳴り声を上げた。
 ◆ 記者団から逃走を幇助した小野広報官も辞任を

◎ 首相のぶら下がりは、首相秘書官の男性(氏名不詳)が仕切っていたが、総務省接待疑獄が深刻化した後の5月ごろから、小野氏が菅氏の右横に立って司会をするようになった。
 元キャリア外交官の小野氏が会見嫌いの首相の盾になっている。
 菅氏は6日朝、官邸入りした際も、無言だった。辞意表明した首相が記者会見を開かない状態が3日以上続いている。過去に例のない異常事態だ。
 菅氏は1日午前、前夜に流れた〈首相、9月中旬解散意向〉(毎日新聞ウェブ版)と題した記事に端を発した、「総裁選先送り」情報を否定するため、官邸でのぶら下がりに応じた。
 菅氏と記者団のやりとりは官邸HPに動画と文字記録が掲載されている。官邸HPでは、番記者の質問内容が短くなっている。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0901kaiken.html
 また、日本テレビと産経新聞も動画と要旨を載せている。
https://www.news24.jp/articles/2021/09/01/04932932.html
https://www.sankei.com/article/20210901-DODV3FWZI5OINFXU4LBISZ3PH4/
◎ ぶら下がりでは番記者代表(持ち回り)の女性記者が「9月中旬の衆院解散・総選挙と自民党総裁選の先送りという情報があるが、衆院解散、自民党総裁選の日程について考えを聞かせてほしい」と質問。
 菅氏は「これまでも、解散・総選挙については、皆さんから度々質問された。その際に、最優先は新型コロナ対策だと申し上げている。今回も全く同じだ。今のような厳しい状況では、解散ができる状況ではないと考えている。(総裁選の)日程については党のほうで決められると思う」と答えた。
 代表記者が続けて、アフガン問題について質問。菅氏が答えた後、「朝日新聞です」と質問を始めると、小野広報官が「次の日程があるので、この質問を最後にします」と発声。朝日の男性記者は「最初の発言だと、今は解散しないということでいいか」と聞き、菅氏は「はい。今の状況じゃできないということだ」と答えた。
 記者は次に「任期満了までやり続けるということか」と質問。菅氏は「解散については、今のコロナ対策最優先ということを考えた時、そんな状況にはないということを、明快に申し上げている」と答えた。
 小野氏が「はい、ありがとうございました」と終了しようとしたが、記者は「任期満了までの解散の選択肢はあるということか、今はやらないと言うのは」と質問。菅氏は「うん、任期満了というのは、いつのことか」と記者に逆質問。記者は「衆院議員としての任期満了です。10月21日のことだ」と述べた。
 菅首相「そこまでですか。総裁選挙をやるわけだから、総裁選挙の先送りも考えていないし、そういう中で日程というのは決まってくると思う」とだけ回答。小野氏がすかさず、「終わります」と告げて、菅氏は記者団に背を向けて去った。
◎ 小野氏は菅氏の記者会見でも、官僚秘書官らが作成した台本に従って、恣意的に質問者を指名し、1時間前後で強制終了させてきた。首相会見の主催者は内閣記者会なのに、キャリア外務官僚の小野氏が仕切るのは不当だ。菅氏の退場と共に、小野氏も消えるべきだ
 3日のテレビ朝日「報道ステーション」で、後藤謙次氏(元共同通信編集局長)は「自民党全体としては、野党側の存在感を消すため、オールスター総裁選にすることでメディアジャックに成功すると思う」と解説した。
 後藤氏がテレビで、自民党による電波ジャックを他人事のように言うのには違和感がある。
 テレビと新聞が自民党総裁選について、「次の首相を選ぶ選挙」と呼んでいるのは不正確極まりない。
 理由は、フェイスブックに投稿しているので、読んでほしい。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100022241222173
 ◆ 民衆の力で「総裁選」メディアジャック阻止を

◎ 次の首相に「誰がふさわしいか」という報道も多いが、新総裁に決まる衆院議員の任期は10月21日に切れる。
 9月末に決まる「次期首相」は3週間の暫定首相に過ぎない
 11月中旬までに行われる衆院選挙で、自公が過半数を取れなければ、政権交代になる。本格首相は今度の衆院選挙で決まるのだ。
 「一政党の党首選び」を過剰に報道するのは公選法に違反している。
 私たちは9年間の安倍・菅自民党政治が、行政を私物化し、数々の疑獄事件を起こし、人民の命と生活を破壊してきたことをしっかり覚えて、投票しよう。
 テレビ局に、自民党の個利個略、党利党略に協力する報道をやめるように、電話、ファクス、メールで要請しよう。私はアカデミック・ジャーナリストとして、総裁選報道を監視する。
 また、自分の選挙区で、人民が主体になって反「自公維」の統一候補を決めるよう努力しよう。
 自民党の次期総裁を首相から引きずり下ろす大運動が必要だ。


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