《教育を子どもたちのために4.25集会》
☆ 新自由主義・テスト学力重視主義の弊害とグローカル化時代の教育課題
2.グローカル化時代の学力形成と教育課題
2)「学校スリム化」「個性重視」のゆくえ
~習熟度別指導・学校選択制・エリート的中高一頁校など
◆日本の問題・課題:OECD/PISA=日本とフィンランドのレベル別割合の比較(最高レペルとレベル1以下の割合)
①読解力のレベル1以下は何故2000年から03年にかけて倍増したのか?
~完全五日制のせいかもしれない
②数学のレベル6(高学力層)は何故03年から06年にかけて半減したのか?
~完全五日制のせいかもしれない
習熟度別指導が拡大したのに何故最高レベルは増加しないのか?
~習熟度別は学力差を固定化するだけ
③フィンランドは日本より最高レベルがかなり多く、レベル1以下ははるかに少ない。何故か?
~フィンランド=1980年代半ば以降、習熟度別学習の廃止と少人数のきめ細かな指導の充実
→Bottom Quarterもhappyでありうる教育の重要性
→少入数のきめ細かな指導充実の条件整備・基盤づくりが重要(政治の責任と地域の協力)
①義務教育はすべての子どもと地域のライフライン
~「個性尊重・能力形成」の機会は、すぺての子どもに等しく豊かに保障しなければならない
②「どの子も次代を担う有為な人材」
~中卒・高卒・短大卒就職者の大半は地元地域(都道府県)の次代を担う貴重な人材
①高卒者の県外就職率は2008年現在20.8%(学校基本調査・卒業後の進路状況)
②5年前の常住地が他県又は国外の者の割合:大半の府県は10%以下。東京都が最も高く11.9%、次いで神奈川県(10.1%),千葉県(10,0%)。(平成12年国勢調査)
1)「新しい学力観・学習観・評価観」のゆくえ
◆OECD/PISA2006(15歳)とIEA/TIMMS2007(中学2年)の上位国
PISA数学:台湾、フィンランド、香港、韓国、オランダ、スイス、カナダ、⑥⑩日本
PISA科学:フィンランド、香港、カナダ、台湾、エストニア、③⑥日本、ニュージーランド、⑦⑪韓国
PISA読解力:韓国、フィンランド、香港、カナダ、ニュージーランド、⑫⑮日本
TIMSS数学:台湾、韓国、シンガポール、香港、日本、ハンガリー、イングランド
TIMSS理科:シンガポール、台湾、日本、韓国、イングランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、香港
→PISAとTIMSSは違う学力を測っているか?新しい学力観・学習観は妥当なものか?
◆全国学カテスト「知識」学力(A問題)と「活用」学力(B問題)は異質なものか?
~安定的・高い相関
H20年度(H19年度) H20年度(H19年度〉
小学校国語=0.741(0.670) 算数=0.717(0.715)
中学校国語=0.706(0.709) 数学=0.830(0.827)
→どちらも重要なのだろうが、「違う学力を測っている」と言える確かな根拠はない。
どちらも時間もかけず努力もせずに力がつくことはない。
3)教育:「未完のプロジェクト」
①現在と未来への投資→お金も人手も時間もかけずに教育がよくなることはない
②すべての子どもが尊厳的存在&有為な人材→子どもの夢と誇りを大切にしない教育は失敗する
③支え続けるのは教職員と地域の信頼・支援・協力→教職員の誇りと夢を大切にしない社会の教育は失敗する
【参考文献】藤田英典『子ども・学校・社会一「豊かさ」のアイロニーのなかで一』東京大学出版会1991年
藤田英典『教育改革一共生時代の学牧づくり一』岩波新書1997年
藤田英典『市民社会と教育』世織書房2000年
藤田英典『義務教育を問いなおす』ちくま新書2005年
藤田英典『教育改革のゆくえ一格差社会か共生社会か?一』岩波ブックレット2006年
藤田英典編『誰のための「教育再生」か?』岩波薪書2007年
日本の教育を考える10人委員会編『今、義務教育が危ない:国民のライフラインを守ろう』ぎょうせい2007年
Fujita,H."BOQ=Change or Reform?"Journal Educational Change(Springer,2006)7:101-102
☆ 新自由主義・テスト学力重視主義の弊害とグローカル化時代の教育課題
藤田英典(国際基督教大学)
2.グローカル化時代の学力形成と教育課題
2)「学校スリム化」「個性重視」のゆくえ
~習熟度別指導・学校選択制・エリート的中高一頁校など
◆日本の問題・課題:OECD/PISA=日本とフィンランドのレベル別割合の比較(最高レペルとレベル1以下の割合)
①読解力のレベル1以下は何故2000年から03年にかけて倍増したのか?
~完全五日制のせいかもしれない
②数学のレベル6(高学力層)は何故03年から06年にかけて半減したのか?
~完全五日制のせいかもしれない
習熟度別指導が拡大したのに何故最高レベルは増加しないのか?
~習熟度別は学力差を固定化するだけ
③フィンランドは日本より最高レベルがかなり多く、レベル1以下ははるかに少ない。何故か?
~フィンランド=1980年代半ば以降、習熟度別学習の廃止と少人数のきめ細かな指導の充実
→Bottom Quarterもhappyでありうる教育の重要性
→少入数のきめ細かな指導充実の条件整備・基盤づくりが重要(政治の責任と地域の協力)
①義務教育はすべての子どもと地域のライフライン
~「個性尊重・能力形成」の機会は、すぺての子どもに等しく豊かに保障しなければならない
②「どの子も次代を担う有為な人材」
~中卒・高卒・短大卒就職者の大半は地元地域(都道府県)の次代を担う貴重な人材
①高卒者の県外就職率は2008年現在20.8%(学校基本調査・卒業後の進路状況)
②5年前の常住地が他県又は国外の者の割合:大半の府県は10%以下。東京都が最も高く11.9%、次いで神奈川県(10.1%),千葉県(10,0%)。(平成12年国勢調査)
1)「新しい学力観・学習観・評価観」のゆくえ
◆OECD/PISA2006(15歳)とIEA/TIMMS2007(中学2年)の上位国
PISA数学:台湾、フィンランド、香港、韓国、オランダ、スイス、カナダ、⑥⑩日本
PISA科学:フィンランド、香港、カナダ、台湾、エストニア、③⑥日本、ニュージーランド、⑦⑪韓国
PISA読解力:韓国、フィンランド、香港、カナダ、ニュージーランド、⑫⑮日本
TIMSS数学:台湾、韓国、シンガポール、香港、日本、ハンガリー、イングランド
TIMSS理科:シンガポール、台湾、日本、韓国、イングランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、香港
→PISAとTIMSSは違う学力を測っているか?新しい学力観・学習観は妥当なものか?
◆全国学カテスト「知識」学力(A問題)と「活用」学力(B問題)は異質なものか?
~安定的・高い相関
H20年度(H19年度) H20年度(H19年度〉
小学校国語=0.741(0.670) 算数=0.717(0.715)
中学校国語=0.706(0.709) 数学=0.830(0.827)
→どちらも重要なのだろうが、「違う学力を測っている」と言える確かな根拠はない。
どちらも時間もかけず努力もせずに力がつくことはない。
3)教育:「未完のプロジェクト」
①現在と未来への投資→お金も人手も時間もかけずに教育がよくなることはない
②すべての子どもが尊厳的存在&有為な人材→子どもの夢と誇りを大切にしない教育は失敗する
③支え続けるのは教職員と地域の信頼・支援・協力→教職員の誇りと夢を大切にしない社会の教育は失敗する
【参考文献】藤田英典『子ども・学校・社会一「豊かさ」のアイロニーのなかで一』東京大学出版会1991年
藤田英典『教育改革一共生時代の学牧づくり一』岩波新書1997年
藤田英典『市民社会と教育』世織書房2000年
藤田英典『義務教育を問いなおす』ちくま新書2005年
藤田英典『教育改革のゆくえ一格差社会か共生社会か?一』岩波ブックレット2006年
藤田英典編『誰のための「教育再生」か?』岩波薪書2007年
日本の教育を考える10人委員会編『今、義務教育が危ない:国民のライフラインを守ろう』ぎょうせい2007年
Fujita,H."BOQ=Change or Reform?"Journal Educational Change(Springer,2006)7:101-102
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