パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

日記12/24~31

2008年01月21日 | 藤田の部屋
 ☆★☆ 「君が代」強制反対に刑事罰!? ☆★☆
 ◇ 結審 3月13日(木)13:30~東京高裁102号法廷

   最終弁論(弁護側、検察側とも60分)があり、結審します。
 非常識の逆風に抗して一人立ち向かう藤田さんを孤立させないご支援を!


「皆既月食」《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

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2007/12/24(月)     「反転」より 1
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 田中森一 「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」より

 「・・・佐賀地検に赴任した当時の私も、新米検事とはいえ、経済係という肩書きをもらっていた。 まだ二十八歳の若造である。 それでも、そこでは大歓迎を受けた。・・・」
 「・・・仕事を始めてからも、県庁や県警の幹部からしょっちゅう飲みに誘われる。 ひところマスコミで糾弾された、いわゆる官官接待というやつだ。 宴席では、必ず上座が用意されている。 上げ膳据え膳で接待されるのである。・・・
 歳暮や中元はもちろん、ビール券や商品券も不自由したことがない。 こうなると、まるで天下をとったような錯覚に陥るものだ。」
 「・・・そうして、あるとき自衛隊の幹部に誘われたのが、ヘリコプターを使った故郷への里帰りである。 「これもひとつの慣例ですから、遠慮することはないです」 そう言われ、当然のように平戸行きを頼んだのだ。・・・」

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2007/12/25(火)     2
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 「・・・一方、捜査を指揮する立場の大阪府警の上層部も腐り切っている。 大阪市の水道局と似たり寄ったりだ。
 たとえば、本部長や大阪の中心地の警察署長が転勤するときには、当時で二OOO万円から三OOO万円の餞別が地元の有力業者から贈られる。 それが慣習になっていた。 二OOO万、三OOO万といえば、警察署長の退職金に相当する。 餞別といえども、これだけ高額になると賄賂と同じである。 しかも、その餞別という名の賄賂は、転勤するたびに何度でももらえる。 そのため、中心地の警察署長は転勤のたびに家が一軒建つといわれていたほどだ。・・・
 「餞別はわしらの保険、一OO倍,一OOO倍になって返ってきますわ」
 そう嘯いていたゲーム賭博業者もいた。・・・
 むろん、こうした慣例そのものが、本来、捜査対象でもある。 ところが、本人たちには、罪の意識が微塵もない。 それは検察庁も似たり寄ったりだ。 上層部になればなるほど、自分たちだけは別格だという傲慢さがあり、甘い蜜を吸えるという固定観念が通用してきた世界。 それが、官僚なのである。・・・」

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2007/12/26(水)     3
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 「・・・たとえば、調書のなかにいくつか訂正したあとを意図的につくっておく。 できれば、訂正箇所は、とるに足りない事柄だと余計に都合がいい。 たとえば前日の調書では、
 「朝、田中森一から挨拶されました」
 と書かれた調書を、翌日、
 「いや、あれは佐藤の間違いでした」
 と訂正する。 調書は被疑者に署名させる前に検事が読んで聞かせ、供述内容に間違いがないかどうか、を確認することになっている。 裁判官がこれを読んだとき、どうなるか。
 「朝の挨拶なんてどうでもいいのだが、そこまでチェックさせたのか」
 それで、取調べの信用性がぐんと増す。 検事の言っていることは正しい、調書は正確にとられている、となるのだ。・・・
 また、調書のなかでは、図面もよく使う。・・・
 すると、当然、正確な図ができあがる。 が、あまりにも正確すぎるとおかしいので、ここでも少しだけ間違わせる。 たとえば花瓶の位置とか、花の種類とか、そんなものは間違っていて当たり前だし、そのほうがより信憑性があるからだ。・・・」

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2007/12/27(木)     4
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 「・・・さらに、贈収賄事件の密談現場などを調書で再現する際の工夫もある。
 「衆院議員のOX先生に対し、料亭で一OOO万円を渡しました」
 というだけでは信憑性がない。 だから、その場の会話をさりげなく入れる。 たとえば、
 「OX先生、以前からお気に入りだったあの彼女とはどうなっていますか」
 「いや、あの娘には振られてしまったよ」
 なんていう失敗談が入っていれば、より臨場感が増す。 そうやって調書の信用性を高め、そのうえで犯意を書き留めるのである。・・・」

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2007/12/28(金)     5
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 「・・・人間の記憶は曖昧なものである。 だから取調べを受けているうち、本当に自分がそう考えていたように思い込むケースも少なくない。 それを利用することも多い。
 最初のうちは、
 「殺すつもりはありませんでした」
 と犯意を否定している。 実際そう思っていても、それが取調べを進めるうち、だんだん変わってくる。
 「憎かったのではないか。 あれほどのことをされたら誰だって殺したくなる」
 毎日、毎日、繰り返しそう検事から頭のなかに刷り込まれる。 すると、本当に自分自身に犯意があったかのように錯覚する。 実際、多くの被疑者には、犯行の意図まではなくとも、心の奥底では往々にして相手を憎らしいという思いが潜んでいる。 それが調書のなかで全面的に引き出される。 すると「殺すつもりだった」となるのである。・・・」

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2007/12/29(土)     6
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 「・・・他の事件でも手法は同じ。 狭い拘置所の取調室で、被疑者に同じことを毎日教え込むと、相手は教え込まれた事柄と自分自身の本来の記憶が錯綜しはじめる。 最後には、こちらが教えてやったことを、さも自分自身の体験や知識のように自慢げに話し出すのである。 そういう被疑者を何人も見てきた。
 なかには、教え込んでる最中、みずから頭を叩き始めた銀行幹部もいた。
 「僕はなぜこんなに頭が悪いんだろう。 やっぱり覚えていないんです」
 そう言っては拳骨でこめかみの上あたりを、ゴツンゴツンやるのである。 かなりの年配だったが、まるで子供みたいに見えた。 なぜ、自分の親父みたいな年齢の人にここまでしなければならないんだろう、あのときは正直そう思ったりもした。
 そして、多くの被疑者はいざ裁判になって、記憶を取り戻して言う。
 「それは検事さんに教えてもらったのです」
 だが、それではあとの祭りである。 調書は完璧に作成されているので、裁判官は検事の言い分を信用し、いくら被疑者が本心を訴えても通用しない。・・・」

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2007/12/30(日)     7
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 「・・・捜査日誌を使い分けていた有名な検事もいた。 ひとつは調書にあわせ、創作した捜査日誌で、もうひとつは事実をありのままに書いたもの。 これは検事自身が混乱しないよう、整理をつけておく工夫のひとつだ。 それを見せてもらったこともある。
 「五時間も正座させられ、ついしゃべってしまいました」
 政界を揺るがせたある贈収賄事件の主犯に対する取調べ経緯を正確に記した日誌には、そう書かれていた。 だが、もうひとつのほうには、もちろん「正座させられた」とか「ついうっかり」などという言葉はない。 それを調書にとるのだが、ここで犯行時の図面を被疑者に書かせる。 それは紛れもなく被疑者本人が書いたものだ。 そこまで自白している人間が、検事に強要されて自白してしまった、とは判断されない。 そんなものだ。・・・」

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2007/12/31(月)     8
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 「・・・「わかった。それならやり直そう」
 そう言って本人の目の前でわざと派手に調書を破り、書き直して持ってくる。 それを一O回くらい繰り返した。 すると、教授の態度が少しずつ、変化してきた。
 「私が了解しないばっかりにここまで手間をかけて、事務官に申し訳ありません」
 こう言い出した。 その隙をつく。
 「そう思うやろ。 書き直しても大して変わらんのやから、もうこのへんでええんと違うか」
 結果、落ちた。
 「わかりました。 本意ではありませんが、あまりにも気の毒ですから」
 人のいい被疑者は往々にしてこうなりがちだ。 取調べは、検事と被疑者、事務官だけの空間である。 すると、犯人も検事が味方のように思えてくるらしい。 それで、つい調書にサインしてしまうのである。
 そうやって、被疑者を追い込みながら、調書を取る。 そのテクニックに最も優れているのが、東京地検や大阪地検の特捜検事である。 換言すれば、そこまでできなければ特捜部には入れない。 犯人が否認したままだったら、能なしの烙印を押される。 良心が痛むときもあるが、それはほんの一瞬だけだ。・・・」
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